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PCで作るアイスが食べたい、究極の味を生み出す改造PCを作成したぞ!

オーバークロッカーの心意気が味わえる「極冷PCアイス」 text by 清水貴裕

PCと格闘するこの瞬間が楽しい

 僕は、日々「PCを使って何か面白いことが出来ないか」と考えています。

 普通な使い方以外にも「何か可能性があるんじゃないのか」と思い付いたのが“極冷OCしながらアイスを作る”という荒業。今回はその“極冷PCアイス”の研究成果を発表したいと思います。

 市販品に負けない味を出すにはかなりの工夫が必要でした(笑)。


これがPCで作る「極冷PCアイス」だ!瞬間冷却で鮮度抜群の味?

 それでは早速PCで作るアイスを紹介からいきます。まずは機材と材料の紹介から。

アイス作成用PC
アイスの材料
実は極冷調理向きだったりする“オレオ”、お好みでどうぞ

 機材は極冷OC用のクーリングカップがあればOK。内径がなるべく大きく、カップの底が平らな製品が混ぜやすいので、アイス作りには最適。

 基本的な材料は、チョコレート、生クリーム、牛乳、卵黄、砂糖と至って普通。バニラエッセンスを加えるのが最大のキモで、これだけで風味豊かなワンランク上のアイスに化けます!

 材料は普通ですが、極冷PCで作るアイスは分量が最も重要。配合は……企業秘密(笑)。

味を調えるホワイトチョコ
生クリームや砂糖などの材料を投入

 調理の方法は、まず、軽くOCした状態でクーリングカップを温め、50℃近くまで温まったらチョコレートを投入して溶かします。

 チョコレートが溶けたら、生クリーム、牛乳、砂糖、卵黄を加えて馴染ませていきます。馴染んだところでバニラエッセンスを加えて風味付けすればアイスのベースは完成。

ゆっくりとかき混ぜて行きます。超低温のため、混ぜるときに金属製スプーンなどを使うのはNG、木材がベター。

 ここまで出来たらいよいよ液体窒素の投入。液体窒素の投入量が多すぎると滑らかなアイスになる前に固まってしまうので、少しずつ投入するのがコツ。

 液体窒素を加えていくと、段々と固い手応えに変化してきます。クッキーやナッツ類を足すと味や食感が変化するので、ちょい足しする場合はここのタイミングで投入するのがべスト。オレオなどもお勧めのちょい足し素材です。

これが液体窒素で作る「極冷PCアイス」(今回はバニラエッセンススペシャル)

 そして、上の写真が完成したアイス。見た目はPCで作ったとは思えないほど正当派。気になるお味はというと、秘伝の配合によりバニラの風味が絶妙で美味い!今夏はアイスクリーム屋で一山当てようと思ってしまう程の味。

 また、極冷PCアイスは、アイスを作りつつOCの記録を狙うのも醍醐味。オーバークロッカーたるもの、いかなる時もOCを疎かにするべからずということで、Core i7-4770Kを6.6GHz超えで動作させながら作りました。OCの方も一切妥協なし!

 ちなみに、今回のバニラエッセンスを用いた秘伝配合のアイスは、オリオスペックで先日行ったイベント時にも作っており、希望者に試食してもらっています。イベント参加者からは「うまい!」との言葉を頂戴して、思わず顔がにやけてしまいました。2ヶ月にも及ぶアイス作りの修業が報われた瞬間です(笑)。


見た目にもこだわりたい、アイスを作る専用の猫型PCを作ったぞ!

これがアイス作成用「猫型改造PC」だ
猫型PCの中身

 極冷用PCを使っていた常日頃気になっているのが、ケースに入れないバラック状態のものがほとんどというところ。やっぱり味気ない。

 パフォーマーとしては見て楽しんでもらえるものを出せてこそ一流。そんな思いもあり、オリオスペックで先日行ったイベントではアイス作成専用PCとして「猫型改造PC」を投入。もちろんこのために作成しています。

 アイスを作れるだけでは無く、使用機材は極冷用の本気仕様。Intel Core i7-4770K、ASUSTeK MAXIMUS VII IMPACT、COOLERMASTER V1200 PLATINUMといった具合で、OC耐性の高いパーツを中心にセレクト。当然、CPUベンチマークの世界記録を狙えるパーツを仕込んでいます。

 外観に似合わず、実はかなりのパフォーマンスという、意外性のあるところがニクいです。

猫型PCができるまで
だいたいの大枠を作成
耳を装着して雰囲気を確認
お気に召したのか、いつのまにか猫たちの遊び場に…
アクリル絵の具で塗装
アクリル板やLED搭載して照明をチェック
完成(猫PC全体像の写真)

 ちなみに、僕が飼っている「伯爵」という名前のひげ猫を模したもので、NASAと共同開発した新素材……ではなく段ボール製です。段ボールとバカにするかもしれませんが、断熱性に優れるので、液体窒素の冷気からパーツを守ってくる優れもの。

 最初は他の素材で作ることも考えましたが、加工のしやすさやサイズ的制約の少なさから段ボールを採用。ホームセンターで199円(税込)で手に入るリーズナブルさも僕の背中を押してくれました。安さは正義!

 普通の猫型段ボールではつまらないので、ギミックも搭載。目の部分には赤色のLED、鼻の部分には電源スイッチ、天板には極冷用の電圧ブーストスイッチをそれぞれ装着と、当然ながら実用性も重視。目の部分には、綺麗に光らせるために裏側からアクリルパネルも張り付けました。

このPCで作るアイスはやはり美味い

 最後に、なぜ猫型になったかというと、僕が無類の猫好きだから。心を込めた料理はうまいって言うじゃないですか、アイスも愛着があるPCで作った方がきっとうまくなるはず……といった思いが込めてあったりなかったりします(笑)。

 といった感じで、前節にも書きましたが、このPCで作ったアイスはなかなか好評。やはり使う道具はこだわるべきです。


極冷PCアイスとならんで今熱い「液体窒素極冷フォンデュ」も披露

液体窒素極冷ポップコーン

 極冷PCアイスとあわせていろいろテストしているのが「液体窒素極冷フォンデュ」。

 たまたま余った液体窒素にお菓子をつけて食べてみたところ、未知の食感に……。「これは広めねば!」と思い、イベントで希望者に体験してもらいました。

 作り方は簡単、お菓子を液体窒素につけ込むか、お菓子に液体窒素をかけるだけ。ただし、内部に空気があるお菓子や、薄い物以外は危険なので、水分が多い物や中身が詰まっている物はNGです。

液体窒素極冷フォンデュお勧めの一品、マシュマロ
外はパリパリなかは柔らかな未知の食べ物に
ポッキーは冷やすと食感がアップ
「パキーン」と割れる感触は真ポッキーといった感じ
キャラメルコーン
うまい棒
パイの実
オレオもお勧めの一品
よっちゃんイカ
チョコチップクッキー

 液体窒素フォンデュ試食会と同時進行で、今回の中で唯一まじめ(?)な極冷OC体験会も実施。自作PC談義に花を咲かせる人や真剣にOCする人、凍ったお菓子を食べる人など、皆が思い思いの時間を過ごして、会場は終始笑顔が絶えない和やかなものになりました。

 イベント会場では、OCに関する質問なども毎回受け付けています。純粋に知識を深めたい人の参加も大歓迎。“ネタ”だけで終わったりはしません。

イベントでは極冷OC体験会も実施
機材のセッティングも体験してもらった
液体窒素をダボダボと大量に使えるのはイベントならでは

 今後も機会があれば、日頃の研究の成果や、新しいことへのチャレンジなどをイベントで紹介していくつもりです。「PCに刺激が欲しい」、「PCで遊んでみたい」という人は次回イベント開催時に是非ご参加ください!

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清水 貴裕