取材中に見つけた○○なもの

DMMがスタートアップの製品販売と、その流通事業を開始、
「アキバから世界へ」のものづくりが加速?

【取り扱い製品の例】
ゼクウ・モータースの大型電動バイク「zecOO」。9,590,400円。
取っ手付きで持ち運べる小型3Dプリンター「Moo-del nano」。アイツーアイ技研製。
お風呂上がりの女の子の匂い」も出せる匂い演出デバイス「ZaaZ 3」。マジメな演出としては、例えばトーストの匂いや木の匂い、コーヒーの匂いなども出せるとか
趣味を登録しておくと、同じ趣味の人が判るパーティ向けデバイス「AYATORI」。スマホにつけて利用する

 DMM.make AKIBAといえば、「設計から試作、さらにはファンディングまで、ほとんどがここだけで完結する」(DMM.com)という力の入ったものづくり支援施設ですが、それを運営するDMM.makeが、ハードウェアの流通を担う代理店機構「DMM.make SELECTION」をスタート、直販サイトであるDMM.make STOREの開始を含めてアナウンスをしています。

 これは、簡単に言うと「いわゆる“ハードウェアスタートアップ”が制作したデバイスなどを、様々な流通を介して販売できるように支援する」というコンセプト。ポイントは「DMM.makeが設立する海外法人を通じて世界各国で営業/販売活動ができる」ことと、「販売戦略の調整や、(直販ではない)一般の商流での販売におけるアドバイスができる」こと。

 後半はピンと来ない人も多そうですが、例えば「クラウドファンディングで成功し、製品化もしたが、ネット直販で販売されるだけで、普通のお店で買えるようにならない」といった、スタートアップでありがちな事例を回避するための支援を行う、というコンセプト。普通のお店で商品を販売するには、受発注の細かい取り決めや流通における在庫管理、そしてお店に対する営業活動やプロモーションなども必要で、こうしたことをDMM.make SELECTIONが「スタートアップの代理店」となってフォローする模様。直販サイトとなるDMM.make STOREの販売も開始するそうですが、「DMM.make STOREだけでなく、様々なルートでスタートアップの製品を購入できるようにしていきたい」とか。

 また、前半の「世界展開」については、既に米国、ドイツ、インドにDMM.makeの海外法人を設立しているほか、「まだ言えない海外法人」もあるんだそう。各国のDMM.make STOREも作るほか、「物流としては世界をカバーできるようにしているし、海外での営業活動もしていく」(DMM.make)とのこと。

 なお、DMM.make SELECTIONでの取り扱い商品はWebサイトで募集中。既にいくつかの製品は取り扱いが始まっており、DMM.make STOREのサイトから購入可能です。

 発表としてはちょっと地味めですが、大きな話題になりながら、結局その後が続かなかったスタートアップが多いことを考えると、実はこれ、結構重要な気がします。「DMM.make AKIBAで企画/試作して、世界に販売」みたいな流れを強化する、みたいなことになったらいいなと。

iPadと一体化できる音楽用キーボード「C.24 KEYBOARD」。Bluetooth 4.0接続
絵柄をカスタマイズできるタッチセンサーのMIDIキーボード。DMM.make AKIBAのスタッフが作っているとか。

(鈴木 光太郎)