今回ご紹介するのは、1990年代にゲームセンターで人気があった「体感ゲーム」の操作感をパソコンで楽しむために発売されたアナログジョイスティック「CYBER STICK(CZ-8NJ2)」です。
発売元はシャープですが、対応機種は自社製パソコンに限らず、専用ケーブルを追加することで一部の家庭用ゲーム機でも利用することができました。現在のゲーム機用ジョイパッドに搭載されているアナログスティックとは違い、スティックとスロットルで構成されています。
対応ソフトは操縦桿とスロットル操作を必要とするフライトシューティング系のゲームで、当時は、本格的に「アフターバーナー」を楽しむことができる専用コントローラーとして、多くの注目を集めていました。
ちなみに、筆者は、「マウスとキーボードによる味気ない操作からの卒業」「ミサイル連打によるマウスボタン破壊の危機からの脱出」という理由から購入しました……。
ベース部分です。スティックとスロットルを外すと意外にコンパクト。 スティックとスロットルです。ベースから外すのは、少しコツが必要です。くれぐれも無理に引っ張らないように。 後から追加で貼った「それってCYBER」シール。元ネタは、とある雑誌で編集者さんと、有名ミュージシャンとの掛け合いで生まれたとか。 赤い○ボタンはDボタン、その隣にある黒いE1/E2がシーソースイッチです。E1/E2で武器選択、Dで武器を使用する、といった使い方をしました。 スロットルの裏側。上下にしか動かない1軸です。ベース部分とはD-sub9ピンで接続しますが、ATARI規格ではありません。 スティックのボタンです。親指でAボタン、人差し指でBボタンを操作。Bボタンの連射切り替えスイッチはシーンに応じて親指で切り替え操作をしていました。 スティックの裏側。スティック部分は上下左右に動く2軸です。滑らかに円を描くように動かせます。 接続ケーブルはD-sub9ピンです。対応機種以外でも、ATARI規格準拠のコネクタを搭載したPCであればデジタルモードに限り、使用することができます。 接続コネクタ部はカートリッジ式で取り外しが可能です。カートリッジ取り付け口の左にある4個の穴の奥には感度調整の半固定ボリュームがあります。 取り外したインタフェースカートリッジ。「CZ-8NJ2」の刻印があります。取り外し可能な設計は他機種向けも想定されていたのでしょうか? 現在のアナログジョイパッドの操作と違い、稼動範囲が広いので長時間プレイは腕が疲れた記憶があります。 スティック部分のセンター復帰の状態。コンディションによってズレが生じるのでセンターの感度調整が必要な事もありました。 発売当時のカタログ。標準価格は23,800円です。 カタログの裏面。ゲーム画面は同時期に発売されたマイコンソフト製「アフターバーナー」です。 カタログの裏面。当時、「サイバー」という言葉は「最先端」の代わりに使われていました。 対応ソフトの一部。すべて戦闘機やヘリコプターを操作するゲームです。 マイコンソフト製「アフターバーナー」です。このスティックに未対応だった同社製のゲーム「スペースハリアー」のパッチプログラムがこっそりと収録されています。 アフターバーナーのマニュアル。ちなみにアーケード版でスロットル操作に対応したのは「アフターバーナーII」からでした。 こちらもアーケードゲームの移植作品「サンダーブレード」。 「アフターバーナー」と違い、ヘリコプターを操作します。