現在も根強い人気の文房具としてシステム手帳がありますが、その機能を電子機器として代用するべく、1980年代後半から1990年代にかけて電子手帳が作られました。今回は、現在のスマートフォンやタブレットの基となる機能が多くある電子手帳をご紹介しましょう。
ちなみに、私は電子手帳を「商談時に電卓を使うよりもカッコいい」という理由で購入しました。いろいろと貼った当時のシールもお楽しみください。
パナソニック CI-P5(発売時期:1990年末 / 価格:48,000円)
CI-P5の表面。愛称はハイパー電子システム手帳、記憶容量は64KB(ユーザーエリア約40KB)です。 開いた状態。右側にキーボード、左上に液晶画面、左下にICカードスロットがあります。液晶画面(192×145ドット)はタッチ操作に対応しています。 本体裏面。表面処理が変質してしまいベタベタになってしまいました。 中央にある下向きの矢印を押すと開きます。上向き矢印のカバーを上げると通信用の端子が現れます。 底面。カバーを開けるとオプションポート15が現れます。 左下のスロットには別売りのICカードが装着できます。 ICカードを挿した状態。ICカードの表面が操作ボタンのように見えますが、実際は上面の感圧透明パネルで操作します。 電子システム手帳シリーズで使用することができるICカードです。 ICカードの裏面。この時期、ICカードはデータやプログラムの供給媒体として一般的な存在でした。 後にノートPC向けの拡張カードとして普及した「PCカード」(Type Iは3.3mm)とサイズは同じですが、厚さは2mmで少し薄いです。 シャープ PV-F1(発売時期:1992年 / 価格:128,000円)
PV-F1の表面。愛称はハイパー電子マネジメント手帳、記憶容量は288KB(ユーザーエリア約165KB)です。 前方部。左からICカードスロット、タッチペンホルダ、カバーロックです。 右側面。左からACアダプタ入力、オプションポート4/15です。 裏面。動作用電源は単4電池×4本を使用します。保存用メモリがフラッシュメモリではないので内蔵電池が必要ですが、消耗した場合は修理対応になります。 カバーを開けた状態。タッチ操作対応です。カバーの裏面にはアイコンの説明があります。パネルの解像度は320×240ドットです。 タッチ操作用のペンはラチェット機構で押し込むと頭の部分が少し飛び出します。 ICカードを装着する様子。ICカード表面の印刷が隠れてしまいますが、画面上に相当するボタンが表示されます。 シャープ PI-3000(発売時期:1993年 / 価格:65,000円)
PI-3000の表面。愛称は液晶ペンコム「ザウルス」、記憶容量は288KB(ユーザーエリア約157KB)です。 前方部。右側にタッチペンが収納されています。PV-F1よりも薄くなりました。 右側面。左からタッチペン収納部、カバー開き、電源スイッチ。下側にICカードスロットがあります。 左側面。左からオプションポート4、ACアダプタ入力です。 後方部。左から赤外線ポート、オプションポート15です。 裏面。動作電源は単4電池×2本。メモリ保護電池はCR2025です。 カバーを開けた状態。パネルの解像度は239×168ドットです。PV-F1と異なり、カバーは折り返すことができます。 ICカードを差し込む様子。PV-F1と同様にICカード表面の印刷が隠れてしまいますが、画面上に相当するボタンが表示されます。