長年、レトロPCを使っていると、困る事がいろいろあります。特に記憶装置の老朽化は深刻で、1980年代中盤に多く利用されていた「SASI」と呼ばれるインターフェイスを採用していたHDDは、すでに登場から30年が経過し、現在では入手がほぼ絶望的です。そのため、現存するレトロPCは電源が入ってもシステムが構築できないという状態でした。
そんな状況の中、「CFをSASIに変換できるアダプタの初期ロット募集が行われている」という情報が飛び込んできたので、今回入手してみました。
ご紹介するのは、変換番長シリーズ第一弾 「CF-SxSI変換機」(CLPC-CFSxSI100)という製品。価格は13,800円。SASIのほかにSCSIにも対応できるという事なので、これから多くのレトロPCを救出することができそうです。
なお、こちらの製品は一般的な通信販売とは違い、製作している「クラシックPC救済委員会」の趣旨に賛同できる方向けに頒布販売しているものです。また、同委員会は現在、2名で活動しているということで、生産や配送までに時間がかかるという点にもご理解をお願いします。
9/23追記 当初は通販のみの取り扱いでしたが、今回三月兎で販売することが決定したとのこと。入荷は10月中旬頃の予定。
変換番長の表面。2.5"のHDDとほぼ同じサイズです。ネジ穴が空いていますが、HDDのように固定ができないので取り付けには工夫が必要です。 変換番長の裏面。部品が載っているので、固定をする際にはショートに注意しましょう。信号コネクタは2.5"IDE-HDDとは形が異なります。電源コネクタはペリフェラルタイプではなく、FDD用の小さいコネクタです。 CFカードを搭載した様子。大容量のカードを搭載しても使い切ることが出来ないので注意しましょう。また独自のフォーマットですので、Windowsでは使用できなくなることにも注意してください。 今回復活させたX68000 ACE-HD。20MBのSASI-HDDを内蔵したモデルです。残念ながら内蔵HDDは破損していて動作しません。 写真右上に見えるのがHDD。ちなみにHDDは本体左側のタワーに内蔵されています。 搭載されていた20MBのSASI-HDD「HMD-726」。厚さは現在の一般的なHDD(2cm)の倍となる4cmです。 SASI-HDD搭載の様子。当時は「あのX68000にHDDが内蔵された!」と大騒ぎでした。 HDDを取り外して、変換番長をテープで固定してみました。 付属のマニュアル。こちらを参考にディップスイッチを設定します。 X68000のOSである「Human68k」のフロッピーディスクで起動し、付属のSWITCH.xでHDDの最大台数を設定します。今回はシステムの最大値を設定しています。 Human68kに付属のFORMAT.xで初期化を行います。ドライブはなんと10台! フォーマット中。ドライブ1台あたり40MBの容量です。 最大で40MBの領域が確保できます。ここからパーティションを分割することも可能です。 初期化が完了しました。元のHDDの20倍、400MBもの容量です。当時は20MBが5万円くらいでしたから、この容量を手にするためには100万円も必要でした。