【 2009年12月26日号 】 | |
PC2台分が同居するユニークマザーが発売に LGA775+P45とAtom+IONが1枚に、サーバ+クライアントも可 |
PC2台分のマザーボードがなんと1枚に集約されたマザーボード「HYBRID P45 ION-T2A2」がDFIから発売された。集約されているのはLGA775+P45とAtom N230+IONのシステムで、マザーボードそのもののフォームファクタはATX。「Atom側を常時起動サーバとして使い、必要な時だけLGA775側をハイパフォーマンスPCとして起動する」といったことなどが可能な製品だ。
実売価格は48,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●2 in 1な合体マザー
付属の3.5"ベイ用切り替え器で選択可
マザーボード全体のイメージとしては、通常のLGA775+P45+ICH10Rマザーボードに、ACアダプタ動作のAtom N230+IONマザーボードが同居、さらにPC切り替え器もオンボード、切り替え用3.5インチパネルも付属、と考えると判りやすい。物理的には上2/3ほどがLGA775用、下1/3ほどがAtom用の設計で、それぞれ個別のメモリスロットやHDDコネクタを搭載。電源はLGA775側がATX電源で、ION側は付属のACアダプタ(60W)を利用する。
ユニークなのは両者の連携が考慮されている点だ。
先述したPC切り替え器は「1セットの画面、キーボード、マウスで2台のPCを利用する」(マニュアル)ためのもの。背面I/Oコネクタのうち、一部のUSBコネクタとサウンド、DVIコネクタは両者で共有されており、付属の3.5インチベイ用切り替えパネルで使用PCを選択できる(USBはPC個別のコネクタもあり)。
LANインターフェイスも凝っており、両者のインターフェイスが内蔵ハブで内部接続、外付けハブを利用することなく2台のPCでLANを構築可能。背面のLANポートはそれぞれ「Intel LAN」「NVIDIA LAN」と説明されているが、実際には各LANコントローラに直結しておらず、内部の1000Base-T LANハブに接続されているという。
なお、LGA775側はオンボードVGAを備えていないが、これを切り替え機能で切り替え可能とするため、ビデオカードのDVI出力と接続する「DVI入力端子」を搭載。サウンドに関しては使用PCの選択状態に関わらず出力PCを固定できる固定機能が用意されている。
両者のスペックは、LGA775側のチップセットがP45+ICH10R、オンボードデバイスが1000Base-T LAN+8chサウンド+Serial ATA×6+パラレルIDE×1、拡張スロットがPCI Express x16(Gen2)×1、PCI Express x1×1、PCI×1、DDR2 DIMM×4。
Atom+ION側のCPU/チップセットがAtom N230+MCP7A-ION、オンボードデバイスがVGA(DVI/HDMI出力付き)+8chサウンド+1000Base-T LAN+Serial ATA×3、拡張スロットがPCI Express x1+PCI×1+DDR2 SO-DIMM×2。
●消費電力や設置場所のメリットも
拡張性は限定的「同居」だけあって、個々の拡張性は限定されるが、常時起動サーバとクライアントを1台にまとめる、というコンセプトは非常にユニーク。また、LANのハブやPC切り替え器のことも考えると設置場所の節約、というのも考えられる。
マニュアルでは「用途に応じてPCを使い分けられるため、消費電力をセーブできる」「設置場所を節約できる」などというメリットや「エンコードなどで高負荷になっても、もう一台のPCを使えばインターネットでの情報検索が快適に継続できる」という使い方も紹介されており、価格はやや張るものの、かなり面白そうな製品だと言えるだろう。
□製品情報
http://lp.lanparty.com.tw/portal/CM/cmproduct/XX_cmproddetail/XX_WbProdsWindow?action=e&windowstate=normal&mode=view
http://lp.lanparty.com.tw/portal/CM/cmpress/cmpresscontent/MBPressContentWindow?action=e&windowstate=normal&mode=viewDFI HYBRID P45 ION-T2A2 [撮影協力:TSUKUMO eX.]