アキバスポットガイド
護身グッズ専門店で改造バカの不安も解消! 我が身を、愛する人を守るアイテムを手に入れろ!
~ 秋葉原スポットガイド ~ text by 高橋 敏也
2018年7月10日 06:05
秋葉原と言えば言わずと知れた「オタクの街」だが、一口に「オタク」といっても千差万別、ジャンルが違えば目的地も異なる。何の変哲もない雑居ビルの一室が、あるジャンルのオタクにとっては聖地だったりする。そこで、秋葉原歴うん十年、改造バカこと高橋敏也氏が秋葉原内のさまざまなスポットを訪問し、そのディープで雑多な魅力をとことんレポートするのがこの企画。2次元&アイドルだけがアキバじゃないのだ!
相談できる護身グッズ専門店 護身商店
まずは以下のリンクを覗いてみてほしい。
http://www.goshinshoten.jp/contents/001.html
これは今回ご紹介する護身商店のWebサイト内「護身防犯グッズが必要な場面」というコーナーの「ストーカーから身を守る」というページである。取材をするにあたって私は必ずショップのサイトをチェックするのだが、このページの内容には驚かされた。的確かつ分かりやすく、ストーカーから身を守るための情報が並んでいる。もし実際、あなたがストーカー対策を考えなくてはならない立場なら、上記のページは必ずチェックすべきである。
その護身商店、住所をマップで確認すると、ちょうどお茶ノ水駅と秋葉原駅の中間ぐらいに位置していることが分かる。なので十分に秋葉原の中心エリアにあると言っていいだろう。また素晴らしいのはこの護身商店が入っているビル、宝ビルというのだが「かなりコア」なショップが集まっているのだ。実に秋葉原らしいと言うか、何と言うか。そんな中にあって店名からしてひときわ目立っているのが護身商店なのである。
シチュエーションごとのノウハウ含め、身を守るための対策を伝授
さて、コアなショップの集まるビルに入り、狭いけれどもなんとなくワクワクする階段を昇って4階に行けばそこに護身商店がある。「相談できる護身グッズ専門店」、サイトのコピーがそのままショップの自己紹介になっている。店内にはズラリと護身グッズが並ぶわけだが、なかにはいろいろと興味深いものもある。優しく落ち着いた雰囲気の店長、小関さんに早速お話をうかがった。
護身商店のスタートは2016年頃に開店したネットショップ。秋葉原のリアルショップは2017年の夏頃にオープンしたとのこと。リアルショップのオープンに関して小関さんは次のように説明した。「護身グッズというのは結構、ネットで見ただけではどういうものか分からないという人が多いんです。なので1回お店に行きたいという要望も結構多かったんですね。うちとしても商品の案内などをするのにも、お客さん一人一人に合ったものをご紹介したいので、できれば来ていただいて、お話をうかがって商品を販売したいと考えるようになりました」。そう、これが「相談できる」につながるのだ。
お客さんの来店はやはり週末に多いのだが、秋葉原に勤めている人も多いわけで、仕事終わりの夕方以降に来店というケースもある。前述のように護身グッズに詳しいという方は少なく、まず「こういう目的で使いたいんだけど」という相談後に品定めに入る方が多いとのこと。そして特徴的なのはお客さんの男女比、やはり女性が多いそうだ。さらに男性客であったとしても、6、7割程度の人が家族や交際相手など「女性のため」に護身用のグッズを購入するのだと言う。
いざという事態へ備えることで、安心を手に入れる
相談内容で一番多いのは「やはりストーカー対策です。あとは通り魔とかそういう事件があった際に、その予防に関する相談ですね」。現実社会でリアルに発生する通り魔的な事件、事件のたびに来客数も増えるとのこと。だが、通り魔のような不確定要素に対応できる護身グッズというのはどういったものなのだろう。
「全般的に催涙スプレー、スタンガン、警棒などが一番メジャーな護身グッズとなるんですが、うちでは催涙スプレーをお勧めしています。催涙スプレーというのは相手に与える効果というのが一番大きいんですね」と小関さん。ここでふと気になって小関さんに質問した。小関さんは何かしら、護身にかかわる専門のお仕事をされていたのだろうか? 「そういうわけではないんですが、こういう護身グッズや防犯グッズの扱いは結構長いですね。8年くらいになるんですけど、その中でいろいろなケースを見聞きして、どんな方がいるかというのを知って、それをもとにこういうときはこういう対応がよいのではないかというのを、そのつどご案内しています」。小関さんは積み重ねた情報と経験でアドバイスをしているのである。
さて、ここで私の日頃から持っている疑問を小関さんにぶつけてみた。「これは半分、個人的な質問になっちゃうんですが、特殊警棒って理由なしに持っていると軽犯罪法に抵触するって言われてるじゃないですか。その辺りはどのようにアドバイスされているんですか?」。小関さんいわく「一応、軽犯罪法に抵触するというところがありますので、何の理由もなく持っていると職務質問されて“何でこんなもの持ってるの?”などと警察官との問答が始まって、最終的に“こんなの持ってちゃいけないよね”となると没収される可能性があります。ですが、ただ持っているだけで捕まることはないですよ。没収されるかどうかは担当した警察官の裁量による部分が大きくて、職務質問された場所や所持者の様子によっても変わってきます。そういう(法に)抵触する部分はありますので、絶対に大丈夫というわけではないんです」。なるほど。
さらに続ける小関さん。「ただ、いざという事態に直面したとき、せっかくこのショップまで来て警棒を見ているお客さんが、それを買わずに帰り、後悔してほしくないんですよね。なので、職務質問をされたときに没収されちゃうこともあるかもしれないけれど、ちゃんと護身用として持っていたほうがいいですよ、というような案内をしています」。そうなのだ、護身商店に来るお客さんの多くはリアルな悩みで護身を考えている人たちなのだ。その点、護身グッズを手に入れることで少しでも安心できるなら(もちろん使われないのが一番)、それは大きな効果と言える。
たとえば護身商店で相談をし、アドバイスをされてから護身グッズを購入したお客さんから「役立ちました!」と言われることはあるのだろうか。「そういうお話はあまり聞かないのですが、何かしらご購入いただいて帰っていくときに“これで少し安心できるようになりました”という一言を、ほとんどのお客さまからいただけるんですよね」。護身グッズはリアルに役立つだけでなく、心のお守りのようなポジションにもあるのだろう。
盗聴・搭載発見器のレンタルなどのサービスも
この後小関さんからいろいろとリアルな話をうかがったのだが、大いになるほどと思ったのが盗聴・盗撮発見器のレンタルサービス。「護身というと単純に武器になるものばかりじゃなくて、ストーカーの延長だったりというところで、盗聴されているとか家に侵入されているとか、そういったこともあるんです。なので盗聴発見器とか、そういったものの販売とかレンタルもやっています」。そうだ、そういうのもあった。「身を守る=護身」なのだから、盗聴といった犯罪からも身を守らなくては。
秋葉原という場所柄、地下アイドル関係の人やメイド喫茶の人などが来店したこともあると言う。護身商店のように「護身」にフォーカスした専門店、それもリアルショップを持っているところはほとんどない。そもそも護身グッズというものになじみがある人は少ないだろうから、まずは相談してみるべきだとつくづく感じた。その上で各種グッズの説明を受け、自分のケースにあったものを選ぶといいだろう。そしてそれは不安なあなたにとって「心のお守り」となってくれるし、いざというときはリアルに役立ってくれるはずだ。
最後になったが、リアルショップでもWebサイトでも、護身商店のキャラクターとして登場するイガグリ頭の少年「ごしん坊や」。味のあるイラストなのだが、誰のデザインなのか小関さんに質問したら「私が描きました」とのことでした。大変ソフトな対応で分かりやすくいろいろと説明してくれた小関さん、リアルな護身に関する悩みを相談するには最適な人である。
[制作協力:護身商店]
【Shop Information】
店名:護身商店
住所:東京都千代田区外神田1-5-7 宝ビル402
営業時間:11時~20時(夏季平日は21時まで)
定休日:水曜
TEL:03-5244-4765
Webサイト:http://www.goshinshoten.jp/