アキバスポットガイド
ロボットメーカー直営店は二足歩行ロボットだらけ!! 改造バカ潜入レポート
~ 秋葉原スポットガイド ~ text by 高橋 敏也
2018年5月29日 06:05
秋葉原と言えば言わずと知れた「オタクの街」だが、一口に「オタク」といっても千差万別、ジャンルが違えば目的地も異なる。何の変哲もない雑居ビルの一室が、あるジャンルのオタクにとっては聖地だったりする。そこで、秋葉原歴うん十年、改造バカこと高橋敏也氏が秋葉原内のさまざまなスポットを訪問し、そのディープで雑多な魅力をとことんレポートするのがこの企画。2次元&アイドルだけがアキバじゃないのだ!
ヴイストン ロボットセンター秋葉原店
秋葉原の知る人ぞ知る人気スポットを紹介する本連載も早くも3回目。今回ご紹介するのは、二足歩行をはじめ各種ロボットを製造・販売するメーカーの直営店だ。世界大会で5連覇を果たしたお宝ロボットが直に見られるだけでなく、技術的にもデザイン的も優れた最新機種を手ごろな価格で購入することができる。現在、教育用途でかつてない盛り上がりを見せているロボットの世界を体験してみよう。
ヴイストン ロボットセンター秋葉原店(以下、ロボットセンター)へのアクセスは、JR秋葉原駅電気街口を起点にするのが一番分かりやすい。電気街口を出たらそのままJR総武線の高架に沿ってお茶の水方向に向かう。中央通りの大きな横断歩道をわたってしばらく進むと、右側にあるビルの4階にロボットセンターのサインが見える。同じビルの1階にある、知る人ぞ知る「ネジの西川部品」を目印にしてもいい。
ロボットセンターは大阪にあるヴイストン株式会社が運営するロボットショップだ。ヴイストン株式会社は大阪に本社がある、ロボットの研究開発、製造をしているメーカーなのだ。このヴイストンという会社が実はスゴいところで、国際的なロボットサッカー大会で5年連続優勝したり(2004年から2008年)、顧問に日本最先端のロボットデザイナーや研究者がいたりするのだ。
そんなヴイストンのロボットセンター、もちろんロボットとロボットのパーツ、そしてロボット関連の商品で一杯である。と言うか店内に入ってペッパー君のあいさつをスルーしつつ、店内を見渡せばどこを見てもロボットである。そんな店内をヴイストン株式会社の営業課課長、鷹野さんと昔話で盛り上がりつつ、案内してもらいながらいろいろお話を聞いた。
二足歩行ロボットブームは一段落も、現在は教育用途がホット!
昔話? 実は私、以前二足歩行のパーソナルロボットを取材していたのである。そしてその流れで二足歩行ロボットの格闘技大会ROBO-ONEに参戦したりしていたのだ。もちろんロボット全般を取材していたのでヴイストンのことも知っていたし、私が取材していた頃にヴイストンが前人未踏のロボカップ連勝を果たしていたのである。その頃をよくご存じの鷹野さんと話をすれば、盛り上がるなというほうがムリなのだ。
それはそれとしてロボットセンター、最近注目されているのはやはり教育用のロボットだそうだ。プログラミングでロボットを制御し、センサーと連動した動作などを行なわせる。シンプルなロボットから二足歩行ロボットまで、教育現場で使われることも多いと言う。個人的には動きが楽しくて夢のある二足歩行ロボットが教育現場に向いていると思うのだが、そこはそれ予算というものがあって、売れ筋はシンプルで低価格なものだと言う。
手軽でかわいい「ピッコロボIoT」はいかが!?
さらに現在大注目の製品がピッコロボIoT。ロボットとしてはコンパクトでシンプルな二足歩行タイプなのだが、大ヒットしている制御ボード「Arduino」互換のボード「V-duino」を搭載し、無線LANやセンサー制御、I/O関連のプログラミングを学んだり楽しんだりすることができる。また無線LAN経由でスマートホンや各種クラウドサービスと接続することも可能になっており、まさにIoTなロボットなのである。
ほかにもプログラミングや機器制御の教育学習に活用できるロボット(二足歩行だけではなくさまざまなロボット)が販売されていて、教育者などが実際にロボットセンターを訪れて相談をしたりもするらしい。もし気になる人がいたら、ロボットセンターへ行って話を聞くのが一番早いと思う。
マニアも唸る、専門店ならではの品揃え。ロボ関連はここだけでOK!
そう、ロボットは二足歩行だけじゃないのだが、それでも二足歩行ロボットが気になる私。最新の二足歩行ロボットや過去製品の展示を見ていると、もう一度やってみてもいいんじゃないかとか思ったりもする。とくにズラリと並ぶサーボモーターを見ると、昔の血が騒いで仕方がない。回転軸を信号で制御するサーボモーターは、二足歩行ロボットにとって関節であり筋肉でもある。よく二足歩行ロボットで「軸」とか「自由度」という数字を見かけるが、これは搭載されたサーボモーターの数なのだ。いやー、ROBO-ONEやってた頃は買ったなあ、サーボモーター。
いやいや、ロボットセンターは二足歩行ロボットだけじゃない。企業向けのプレゼンテーションロボットもあれば、ロボコン用の車輪付きロボット用パーツなども揃っている。精密機械の制御などにも活用できる高品質、高性能なモーターも販売されていれば、アルミの板まで売っているのだ。要するにロボット関連のパーツ、部品、素材はここでほぼすべて揃うのである。
海外からのお客さんも増加中。世界に広がれ、国産ロボット!!
ロボットを始めたい、でも何を揃えて何をすればいいか分からないという人は、まずはロボットセンターを訪れてズラリと並んだ製品を確認し、それからスタッフさんに相談してみるといい。また、ロボット関連、ロボットプログラミング関連の講習会なども行なっているので、そちらのほうに参加してみるというのもいいアイディアだ。いずれにしても「昔はさあ、私もROBO-ONEに参加しててね、いっつも予選落ちしててさあ……(注:私です。本選1回も出られませんでした)」なんて言う人は、ロボットセンターに来たら絶対に「もう1回やってみるか」という気になるから。
秋葉原という土地柄、海外からのお客さんもよく訪れるというロボットセンター。以前はアジア系の外国人客が多かったのだが、最近では欧米からのお客さんも増えていると言う。どうも欧米で人気の口コミサイトに掲載され、それを見た人が訪れるらしい。またおもしろいところでは春先になると、制御機器系企業の人が新人講習や訓練などに使用するパーツなどを買いに来るとのこと。ロボットセンターで売っているのはトイロボット、パーソナルロボットだけじゃない。企業で活用できるアイテムもあるということだ。まあ、とにかく行ってみてくださいな、絶対おもしろいから。
[制作協力:ヴイストン ロボットセンター秋葉原店]
【Shop Information】
店名:ヴイストン ロボットセンター秋葉原店
住所:東京都千代田区外神田1-9-9 内田ビル4F
営業時間:平日11時~20時、土日・祝祭日10時~19時
定休日:毎週木曜日
TEL:03-3256-6676
Webサイト:https://www.vstone.co.jp/shop/