アキバスポットガイド
新しい何かが見つかる!アキバらしさ全開のオモシロ雑貨店でレアモノを発掘せよ!
~ 単行本も発売決定!秋葉原スポットガイド ~ text by 高橋 敏也
2019年3月15日 06:05
みなさま、まいどまいどの高橋です。唐突ではありますが不肖・高橋、昨年8月にバイクの単独事故を起こしてしまいました。結果、両手を負傷して原稿執筆が不可能な状態に。そう、実はサンコーレアモノショップさんを取材したのは2018年夏、その直後に事故という流れです。結果として快く取材に応じていただいたサンコーさんの原稿を仕上げることができずにおりました。その点、サンコーレアモノショップさんにこの場を借りて心よりお詫び申し上げます。そして本稿で夏物、冬物の商品が入り交じっているのは、こういった事情があるからなのです。では改めまして、サンコーレアモノショップさんです。
レアモノだけでなく定番モノもズラリ。秋葉原でおもしろグッズと言えばここ!
秋葉原のメインストリートと言えばやはり中央通り。秋葉原を貫くいわゆる大通り沿いには、なんとも魅力的なショップがズラリと並び、世界中から集った人々を歓迎する。好天の日曜日には歩行者天国となり、さらに大勢の人々でにぎわうこととなる。そんな中央通り沿い、ロケーションとしては通りを挟んでドン・キホーテ秋葉原店、あるいはTSUKUMO eX.の斜め前と言えば分かりやすいだろうか。そこにサンコーレアモノショップ秋葉原総本店がある。さて、ここで豆知識。「サンコー」さんのつづりは「Sanko」ではなく「Thanko」です。ここ、試験に出るので覚えておいてください。
聞けばここに店舗を構えたのが2009年というから、今年(2019年)で10年目ということになる。もっとも現在の店舗近くにリアルショップをショールーム的な意味合いでオープンしたのは2006年だったらしい。私もそちらの店舗には以前取材でうかがったことがあるのだが、現在の場所にあるショップは初めて。「あれ? サンコーさんってここだっけ?」とか思いつつ、ある意味パラダイスな店内へと入る。
秋葉原総本店は2フロアで構成されていて、1階はおなじみのガジェット系商品、2階には最近力を入れているという家電系の商品などが並ぶ。ちなみに2018年に放送されたタモリ倶楽部、サンコーレアモノショップの回のオープニングはこの2階で撮影されたとのこと。
秋葉原の一等地にあるサンコーレアモノショップ秋葉原総本店(以下、サンコーさん)、その入り口の上には「おもしろくて役に立つPCグッズのお店」というキャッチコピーがある。そう、私のようなPC関連の人間にとってサンコーさんと言えば「PCグッズ、USBガジェットの特集でいつもお世話になる」ショップなのだ。と言うか、USB関連のガジェットを数多く集めたかったら、まずはサンコーさんへ行くのがわれわれの常識なのである。
つきぬアイディア、週に三つも新製品をリリース!
そもそもなぜUSBなのか? その辺りをサンコー広報として同社のYouTubeチャンネルなどにも出演しているekkyこと﨏(えき)さんにうかがった。すると「USBなら手軽に電源を確保できるということ、そして世界共通で使われているので、日本に商品を持ってきてそのまま販売しやすいというメリットがあるんです」という答えが。確かにコンセントだと世界で規格はバラバラだが、USBなら世界共通である。もっとも最近ではUSB接続の商品だけでなく、家電などコンセントを電源とするさまざまな商品も扱っている。
「さまざまな商品」と言うか大量の商品。サンコーさんの魅力はバラエティ感にもあるのだが、公式サイトでは「毎週新製品を2~3商品UP!」とうたっている。実際それぐらい、あるいはそれ以上の新製品が登場しているように見えるのだがどうなのだろう? 﨏さんによると「毎週3アイテム出しているので年間で120ぐらい、通常は700ぐらいの製品ラインナップになっていて、多いときは1,000を超えます」というから驚く。
家電にも進出。出せばヒットの「お一人様」シリーズ
ヒット商品でユニークなものと言えば、家電系のいわゆるお一人様シリーズ。焼く、蒸す、炊く、いぶす(!)。いわゆる卓上調理器のシリーズなわけだが、これが出せば必ずヒット商品になると言う。自炊、宅飲み、ぼっち族のニーズにうまく応えた形なのだが、ほかにも調理系家電の充実ぶりには目を見張るものがある。たとえば糖質カット炊飯器などは、大手家電メーカーが手を出しにくいニッチなポジションだと思う。話題性も高く、さまざまなメディアで紹介され、見事にバズった商品だ。
PC業界ではUSB系ガジェットの特集と言うと、まっ先にサンコーさんに頼るのだが、最近では一般メディアもそうらしい。夏であれば冷却系、冬であれば暖房系のガジェットをテレビや一般雑誌で紹介するためサンコーさんに頼るのだと言う。要するにそれだけツボを押さえたユニークかつ最新のガジェットをサンコーさんが扱っているということなのだ。別の言い方をすると、サンコーウォッチャーをしていれば最新ガジェットを先取りできるということになる。
「嫌い」、「めんどう」、「困った」の解消がヒットにつながる
こうした商品はどのようにしてサンコーさんの店頭に並ぶのか? 「実は仕入れに関しては社員全員でやっているんです」と﨏さん。社員全員が集まるのはなかなか難しいので、専用の掲示板を用意してそこに社員のみなさんがあれこれ書き込んでいくそうだ。新商品のアイディアはもちろんだが、なかには「いろいろ困ったこと」も書き込まれると言う。その「困ったこと」を解決するための商品を探していくのだと言う。
たとえば昨年(2018年)にバズった、折りたたみ式の全自動麻雀卓。麻雀好きの社員さんが「自動麻雀卓を買いたいけど中古でも高い。もうちょっと安くて手軽なものをうちで扱えないか」と言い始めたのが発端とのこと。結果は大成功だったわけだが、とにかく大きくて重いため、配送には苦労しているそうだ。大きいため在庫もなかなか置けないそうだが、昨年だけでも200台以上を販売したと言う。
サンコーさんの数ある大ヒット商品の中に、2017年発売のアイロンなしでシャツのシワを伸ばす乾燥機「アイロンいら~ず」(個人的にネーミングが好き)がある。送風されて膨らむマネキンの上半身(のようなもの)にシャツを着せてシワを伸ばしつつ乾燥させるという商品なのだが、「主婦の嫌いな家事ランキング」にアイロンがけが入っている点に注目して開発したオリジナル商品なのだと言う。嫌い、めんどう、困ったなどに着目すると、よい商品が開発できるということなのだろう。
大量の製品をラインナップし、常に新しい製品を追加し続ける。そうなると気になるのは「新製品の打率」だ。失礼な話とは思いつつも、その辺りを﨏さんに聞いてみた。「弊社の場合、大量に仕入れて大量に余らせるということはほぼありません。ほとんど消化(販売)できているので、打率は10割に近いと思います」。ただし、オリジナル商品に関しては数百という単位ではなく数千となるので、なかには外してしまうものもあるそうだ(と言っても着々と販売するとのこと)。
使えば笑顔になる、おもしろくて便利な製品たち
最後になったが、最近、サンコーさんの公式動画や店頭ポップに登場しているオスマン・サンコンさんについて。サンコンさん、サンコーさん……もうね、分かりやすい(爆)。私の「サンコンさんとコラボされたのは、御社の15周年と関係があるんですか?」という問いに「15周年なので、もうちょっと大々的にPRしていきたいなというところで、お名前もサンコンさんですし。サンコンさんはおもしろい方というイメージが強いと思うのですが、実は元外交官という経歴で、すごくまじめな方というところがうちのイメージと合っているのかなと。弊社の、おもしろいけれど実はまじめに商品作りをしていますというところと同じだと思うんです」と﨏さん。
「ほかにもサンコンさんの輝くような笑顔が素晴らしくて、お客さんにうちの商品を買っていただいたときに、あんな笑顔をしてもらえればなと思っています」。そんな流れで元ギニア共和国外交官のオスマン・サンコンさんは、サンコーレアモノショップのアンバサダー(大使)に就任した。確かにサンコーさんの商品にはおもしろいものがたくさんあるが、おもしろくて実際に役に立つ。まじめにお役立ち系のものも多い。いずれにしても購入したお客さんが笑顔になれる商品を販売する、それがサンコーレアモノショップのポリシーなのだ。﨏さんによれば、最近はネット通販が店頭販売の3、4倍になっているそうだが、ガジェットがズラリと並ぶ店頭の魅力も捨て難い。秋葉原へ行ったらぜひ、サンコーレアモノショップを覗いてみてほしい。
【Shop Information】
店名:サンコーレアモノショップ秋葉原総本店
住所:東京都千代田区外神田3-14-8 新末広ビルB
営業時間:日~木・祝祭日11時~19時、金・土11時~20時
定休日:年中無休(※年末年始は除く)
Webサイト:https://www.thanko.jp/
書籍化のお知らせ
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