ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち
当時大ヒットしたエプソンのハンドヘルドコンピュータ「HC-20」
2017年8月15日 07:05
想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、エプソンが1982年に発売したハンドヘルドコンピュータ「HC-20」です。
1981年にはPC-6001やPC-8801、1982年にFM-7やMZ-2000、PC-9801、X1などが発売されていましたが、そんななかで彗星の如く登場したのが、エプソンの世界初A4サイズ・ハンドヘルドコンピュータ「HC-20」です。
1982年当時に、驚くべきことにA4サイズという大きさかつ1.6kgという重さに、パソコンに要求されるスペックを凝縮。それでいてニッケルカドミウム電池を内蔵し、約50時間もコードレスで使用できたという、もの凄い機種でした。現代のモバイルPCの先駆けとも言えるハードで、メーカー資料によると1モデルで25万台もの販売台数を記録したそうです。
プリンタと、マイクロカセットテープが使用できるデータレコーダを内蔵し、ミニサイズの液晶ディスプレイを搭載していたことで、どんな場面でもパソコンを使うことができるという、当時としては夢のようなマシンでした。ただし、その用途のほとんどがビジネス向けだったこともあり、当時のパソコン少年・少女たちの心をつかむまでには至りませんでした。何より、20文字×4行のモノクロ液晶ディスプレイでは表現力が今ひとつで、人気の市販ゲームがあまり移植・発売されなかったことも大きかったかと思います。
搭載言語はマイクロソフト社の拡張BASICなので、マイコンBASICマガジン誌に掲載されているような簡単なプログラムであれば、他機種からの移植はそれほど難しくないでしょう。
なお、翌83年にはNECからハンドヘルドコンピュータ「PC-8201」が発売されていますが、これがHC-20を意識して作られたのかどうかは、今のところはっきりしていません。