ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
ターボな走りが始まった「X1turbo」
2018年8月28日 06:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、シャープが1984年に発売した機種、X1turboとなります。
1984年が残り2ヶ月になろうとしていた9月27日、東京・九段のグランドパレスで発表されたハードが、X1の完全上位互換機種となるX1turboです。
その特徴は、なんと言っても完全上位コンパチということでしょう。当時のOh!MZに掲載された記事からの引用ですが「98と88や88と8001との互換性を考えてください。77と11、400ラインモードにおける77と7の、あるいは5500と2200のケースを調べてください。Apple IIeとIIcの互換性を比較してください。X1turboは完全にX1の上位でありながら、完全にX1とコンパチなのです」という文章の興奮度からも分かるように、画期的な機能でした。
他にも、増加したメモリや新たに搭載した640×400ドットで8色が表示できるグラフィックモード、その400ライン表示に対応した24khzモードが追加された新ディスプレイ、切り替えスイッチを備えたキーボードなど、書き切れないほど数々のパワーアップを果たしていました。
用意されたモデルは、FDDを搭載しないModel 10が11月発売だったほかは、Model 20とModel 30が10月25日に発売となっていました。価格は、Model 10が168,000円、FDD1基搭載のModel 20で248,000円、FDD2基搭載のModel 30が278,000円という設定で、当時のPC-8801mkIIのmodel 10~30に対抗した値付けとなっていたようです。ちなみに、PC-8801mkIIのmodel 10は168,000円、model 20は225,000円、model30が275,000円ということで、価格帯はほぼ同じながらスペックはX1turboの方が上でした。
なお、この当時まだ多かったカセットテープで供給されるソフトに対しては、外付けデータレコーダCZ-8RL1を専用コードで接続することで内蔵CPUの80C49が働き、インテリジェントデータレコーダとして機能。X1やX1Cシリーズなどと同じく挙動させることが可能になっています。この後、ソフトも徐々にturbo専用タイトルが増えていきますが、その影でX1シリーズも87年に登場するX1twinまで、約5年間にわたり発売されていきます。