ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
MZ-80Bがグレードアップして登場!シャープの一体型PC「MZ-2000」
2021年4月13日 00:00
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、シャープが1982年に発売を開始した、モニター一体型パソコンの「MZ-2000」です。
1981年の春に発売されたMZ-80Bは、しばらくの間MZシリーズのフラッグシップマシンとして君臨し続けましたが、その後継機として1982年5月26日(水)から29日(土)にかけて開催された“マイクロコンピュータショー'82”にて発表されたのが、「磨きぬかれて新次元へ。MZを超えるのはやはりMZです。」とのキャッチフレーズで登場したMZ-2000です。発売されたのは1982年の7月1日(木)で、価格は218,000円でした。
その特徴は、「高機能・高速CPU Z80-A(4MHz)を搭載し、アドレス空間64KバイトオールRAM(広告より)」のほか、ソフトコントロールも可能な電磁メカカセットデッキも標準装備していたことでしょう。
また、「「クリーン思想」を極めた名機MZ-80Bをさらにグレードアップ。一段と充実したグラフィック機能(オプション)を誇る新鋭機です(広告より)」と紹介されているように、オプションのMZ-1R01(39,800円)とMZ-1R02(8,000円×2)を用意すれば、外部ディスプレイにて640×200ドットで8色のカラーグラフィックを表示することも可能でした。MZ-1R02の代わりになるものとして、「4116-2なる16KビットダイナミックRAMが8つです。秋葉原へ行けば安い店なら3千円弱」というお得情報が、当時のOh!MZに書かれています。
添付されていたBASICはMZ-1Z001でしたが、これを使用する場合「赤だから、ページ2に書くんだな。紫はページ1と2の両方に書くんだな、なんちゅうことをミケンタテジワ仮面でやったのです」と1982年9月号のOh!MZにあったように、それなりの手間がかかりました。これは、後に登場するカラーテープBASIC(MZ-1Z002)またはカラーディスクBASIC(MZ-2Z002)にて解決されています。
外見では、電磁メカカセットデッキの配置がMZ-80Bの横置きから縦置きへと変わり、これまで以上にスタイリッシュにカセットテープを挿入できるようになりました。テープを操作する各種ボタンも、MZ-80Bではキーボード部分にあったものが電磁メカカセットの下部へと移動し、さらに直感的な操作ができるようになっています。
キーボードは、メカニカルスイッチが採用された入力しやすいものに代わりましたが、MZ-80Bの時にはSFTLOCKとGRPH、カナキーの左上にそれぞれあったLEDがMZ-2000ではなくなり、モードの違いはカーソルの形で表されるようになりました。なお、内蔵されているディスプレイはMZ-80Bと変わらず、10インチのグリーンモニターです。
背面には、MZ-1U01を装着するためのスペースが用意されていて、それを使わない場合は後ろ蓋で塞ぐ仕様になっていました。その右上には、カラーモニターを接続するためのDIN8ピン端子が設置されています。MZ-80Bでは左右に分かれて配置されていたリセットボタン類とつまみ類は、4つがひとまとめの場所に整理されました。
オプションと外部モニターを用意すれば、今風に表現するとミラーリングのような感じでも使えたMZ-2000ですが、広告にあるように内蔵モニターと外部モニターに別々の映像を映し出すこともできます。そのような市販ソフトも登場し、市場はこれまで以上に盛り上がりを見せていくことになります。