ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

三洋電機がJIS配列キーボード搭載機種として発売したMSX2「WAVY23J」

右上部分と右下部分がせり出した、左右非対称のデザインが特徴的です。右下の飛び出した部分は、ちょっとしたパームレストの役割を担っています。縦に収納しようとすると、グラグラして収まりが悪いのが惜しいところでした(笑)。

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、三洋電機から1987年に発売されたユニークな外見を持つMSX2「WAVY23J(PHC-23J)」です。

 MSX2規格の登場後も、各社はMSX1時代と同じくさまざまなアイデアを投入したハードを発売していきます。その中にあって、三洋電機はアイウエオ順配列のWAVY23(PHC-23)や、日本語ワープロ機能搭載+プリンタ内蔵というWAVY77(PHC-77)をリリースしていましたが、その後に市場デビューした機種が今回紹介する「WAVY23J(PHC-23J)」です。夏頃にカラーがグレーのモデルが販売され、冬前にはわずかな変更が加わったブルーメタリックカラー採用機種へとモデルチェンジされました。

今回取り上げているのはグレーモデルですが、広告はブルーメタリックバージョンを使用しています。ウリは、テンキー装備でキーがJIS配列、それでいて標準価格が32,800円というところでした。

 WAVY23やWAVY77は、カナキーがアイウエオ順で並んでいましたが、WAVY23Jは大多数のパソコンが採用するJIS配列となっていて、キーボードの左上から右に向かって“ヌフアウエオヤユヨワホヘ”と並ぶようになりました。搭載しているRAMは64KB、VRAMは128KBで、価格は32,800円と抑えられています。

 しかし、本体上面にカートリッジスロットを2基備えたり、RGB/ビデオ/RF出力と3通りから選べるなど、コストパフォーマンスの良いハードでした。また、本体右側にはテンキーも装備していて、高級感を醸し出すと共に他機種との差別化も図っています。

本体右側には、ジョイスティックを接続するポートが2つ、その隣にCMT端子が設置されています。本体左側には、電源スイッチが配置されていました。

 キータッチはカチカチとしたものではなく、ふかふかした感じです。ボディのカラーリングは落ち着いた黒寄りのグレーになっていて、機能キーはさらに黒に近い色、その他のキーが薄めのグレーとなるよう色分けされていました。

 また、似たような価格帯のHB-F1とFS-A1にはPAUSEキーが搭載されていますが、WAVY23Jにはそれが無い代わりに、カートリッジスロット1の左側にリセットボタンが配置されています。しっかり押しこむことで“カチッ”という手応えがあり、そこで初めてリセットがかかるため、間違えて触った程度では反応しません。

真上から撮影した写真を見ると、キーのカラーリングがよく分かります。余計な装飾も見られない、まさに質実剛健な見た目です。

 右下の出っ張り部分は簡易的なパームレストの役割を果たす場所になっています。テンキーで作業をする場合はここに手のひらの下半分を載せることで、手前にあるカーソルに手のひらが当たらなくなり、入力しやすくなりました。

 ここで取り上げている、先に発売されたグレーモデルは、本体左上にあるロゴの下にはなにもありませんが、同年冬にリリースされたブルーメタリックモデルは、ロゴの下にスリットラインが入っています。また、グレーモデルはバックアップ用の充電池を内蔵しているのに対して、ブルーメタリックモデルはパームレスト部分に単3乾電池を2本セットすることでバックアップを取るよう変更されていました。ちなみに、ガワを外すと電源部分にヒューズが配置されているのが分かります。ヒューズは、ほかにもFS-A1Fなどで見られますが、採用している機種はそう多くは無いと思われます。

背面は左から、プリンタ端子、RGB出力端子、オーディオ出力端子、ビデオ出力端子、チャンネル切り替えスイッチ、RF出力端子と並んでいます。

 87年秋に発売されたWAVY23Jは、初期のグレーモデルとマイナーチェンジしたブルーメタリックモデルを経て、翌年の夏前後まで第一線で販売されることとなります。