ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
パソコン戦国時代に第一線で走り続けた「シャープ MZ-2200」
2021年6月1日 00:00
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、シャープが1982年発売のMZ-2000に続いて1983年にリリースした「MZ-2200」になります。
1982年に発売されたMZ-2000は10インチのグリーンモニタを搭載し、いくつかのオプションを増設して外部ディスプレイへと接続すれば、カラーも表示できる機種でした。その後継機として、MZ-2000ではオプションだったカラーグラフィック機能とI/Oユニットを標準装備して、1983年5月23日に発表されたのがMZ-2200です。
外観は、MZ-700シリーズ同様セパレートタイプとなり、背面にあったIPL、RESETスイッチ、音量ボリュームが前面右上側にあるポケット内へと移動しました。音量ボリュームは、つまみ式からスライド式へと変更されています。
また、インタフェースカードを挿すための拡張ユニット(MZ-1U01相当)と、MZ-2000用グラフィックボード(MZ-1R01相当)とメモリ(MZ-1R02×2相当)を標準実装し、拡張性にくわえてMZ-1D15(14インチ・標準価格72,000円)のようなカラーモニタを接続することで最初からカラー表示も可能としていました。もちろん、MZ-2200発売直前にリリースされた16ビットボードキット(MZ-1M01)も、接続することができます。
付属するBASICはMZ-1Z001の標準タイプだけでなく、カラーテープBASICのMZ-1Z002も同梱されていました。それでいて、価格はMZ-2000の218,000円から大幅に下がって128,000円となり、MZ-2200でMZシリーズがこれまで以上に身近になったと感じた人も多いでしょう。ソフトウェアはMZ-2000とフルコンパチブルで、MZ-2000用として市販されているパッケージものや雑誌掲載プログラムはそのまま動作したため、安心して移行することができました。
MZ-2000と違い電磁メカカセットは内蔵されていないため、データレコーダやミニフロッピーディスクドライブが同時に発売されています。特に、MZ-2200専用データレコーダMZ-1T02は、標準でMZ-2200の背面に接続する為の専用の端子(信号用と電源供給用)が設けられていました。価格は19,800円で速度も2000ボーと早いため、FDDよりもこちらを導入した人が多かったのではないでしょうか。
本体は、MZ-700のように2つに分かれるタイプではなく、MZ-2000と同じく車のボンネットのように筐体が手前から開く仕組みになっています。当時のOh!MZ誌には、その状態の写真に対してのコメントとして「他社の機械(特にN社の88ナントカ)に見せてやりたい。」と書かれていたのが面白いところです。
本機が登場した1983年と言えば、似たようなスペックや価格帯のマシンとして前年末にFM-7が126,000円で、FP-1100が128,000円で発売されたほか、翌年83年前半にはPC-8001mkIIが123,000円、ベーシックマスターレベル3MARK5が118,000円、PASOPIA7が119,800円、MULTI8が123,000円でリリースされるなど、さながらパソコン戦国時代の様相を呈していました。
さらに、ワンランク下の価格帯も含めると、1982年に登場したMZ-711の79,800円、83年リリースのPC-6001mkIIが84,800円など、ユーザーにとっては選び放題のタイミングだったことがうかがい知れます。もちろん、当たりもあればハズレもありましたので、どれを選択したかで後に悲喜こもごもな出来事が起きましたが……。
この後、MZ-2200は後継機としてMZ-2500が1985年に登場するまで、第一線で走り続けます。