ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

アーケード版“ゼビウス”の移植が更なる人気を呼んだ「シャープ X1」

1982年に発売されたシャープ「X1」。直方体デザインにゲーム向きのパワフルなスペックや、3色のカラーラインナップが特徴的でした。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回紹介するのはシャープが1982年に発売したレトロパソコン「X1」。

 X1シリーズといえば、当時のオーディオ機器と同じ幅390mmに合わせたスタイリッシュなデザイン、マイコンでは非常に珍しいローズレッドを含めたカラーバリエーションの採用、インテリジェント機能を備えたハイスピード電磁カセットメカ、そしてゲームセンターで稼働していた「ゼビウス」の良く出来た移植作品が遊べるなど、特徴を語るには困らないパソコンです。

最初に発売されたモデルは、後に“マニアタイプ”との名称が付けられました。本体だけではただの直方体ですが、この上にセットのディスプレイが載るとデザイン的な統一感が出て見栄えがしました。
キーボードも、本体と同じくカラーバリエーションがあったのも珍しい部分です。キーボードのカールコード部分が経年劣化してしまうため、見栄えがイマイチなのが残念なところです。
キーボードを接続する端子は、正面だけでなく背面にもあります。また、専用のディスプレイテレビと連携するTV CONTROL端子もX1シリーズの特徴です。

 初代機は、ゲームをプレイする際にはほぼ必須といえるG-RAMを別売りにしていましたが、シャープのこのような一連の商売方法をユーザーは“大阪商法”と呼んだとか呼ばなかったとか(笑)。電磁カセットメカのゴムベルト部分が経年で溶けてしまうため、現代で使うには修理が必須なのが若干手間なところです。

セラミックコンデンサが大量に用いられているボードが、当初はオプションで販売されていたG-RAMです。価格は32,000円で、当時は本体(CZ-800C)+専用ディスプレイテレビ(CZ-800D)+G-RAM=30万円でした。
幅390mmのデザインを崩さないよう、左右には出っ張っている部分は一カ所もありません。ピッタリとくっつけて並べることが可能ですが、通気を考えると余裕を持ちたいところです。