ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

ハードの限界を何度も乗り越えた「シャープ MZ-700」

MZ-700は基本モデルの711、データレコーダ搭載の721、データレコーダとプロッタプリンタ両搭載の731と3種類がありますが、これはMZ-721です。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、シャープが1982年に発売した「MZ-700」です。

当初の広告ではMZ-711、MZ-721、MZ-731の3種類が掲載されていましたが、後にMZ-721だけになります。値段や機能を考えると、MZ-721はお買い得だったと思います。

 MZシリーズといえば、大別するとK系列とB系列になりますが、そのK系列の流れを汲むのが今回取り上げるMZ-700です。MZ-80K、MZ-80C、MZ-80K2、MZ-80K2E、MZ-1200と、代々オールインワン型として販売されてきましたが、MZ-700は本体のみで、モニタに家庭用テレビも使えるようになっています。

 そんな数々の工夫のおかげで価格もグッと抑えられ、データレコーダ内蔵モデルでも89,800円という手を出しやすいお値段でした。

背面のインタフェース類はRF&ビデオ出力、RGB出力、外部データレコーダへ接続するためのREADとWRITE端子、ボリューム、リセット、電源スイッチが揃っています。プリンタポートとI/Oバスポートは、デフォルトではふさがれています。

 筆者的に驚いたのは、HAL研究所から発売されていたPCG-700を使用することで、「ギャラクシアン」「マッピー」といったゲームの見た目がかなりアーケード版に近づいたことです。雑誌広告に掲載されるこれらの画面写真を見て、MZ-700を羨ましく思った人は自分だけではないのでは? PCG-700を利用せず本体のみのプレイでは、「マッピー」の場合は屋敷に置かれた盗品が文字で表示されるため、これはこれでインパクトを与えることに成功していたと思います。

キーボードをよく見ると、カナの配列が“アイウエオ順”になっていることに気づくかと思います。カナを多用するプログラムの時は、文字の場所が推測しやすく入力の負担が軽減されました。
右上に収納されているのは、取り外しも可能なデータレコーダMZ-1T01です。これを外して、クイックディスクMZ-1F11を載せることもできます。実際に搭載すると、“モコッ”という感じで高さが上がるのが可愛いところ。