ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

木村明広氏の美麗なビジュアルシーンが印象的なRPG「エメラルドドラゴン」

パッケージは和菓子の箱のように蓋が取れる仕組みになっていて、通常のソフトのよりも一回り大きなサイズです。表面にはタイトルが書かれていないため、帯をなくしてしまうと少々寂しく感じます。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回はBASHO HOUSEから発売されたタイトル「エメラルドドラゴン」を取り上げます。

 B.P.Sから発売された「ライレーン」、BASHO HOUSEよりリリースされた「テスタメント」、ポプコムソフトから登場した「サバッシュ」に続く、グローディアの4作目となったのがこの「エメラルドドラゴン」です。

 人気作品と言うことでさまざまな機種に移植されていますが、ここで取り上げるのは1980年代に発売されたPC-9801VM・UV以降シリーズ対応版とPC-8801mkIISR以降対応版のなかから、PC-8801mkIISR以降対応版となります。

発売日が何度が変わっているために、広告ではその部分だけが変更され雑誌に載りました。この広告は、発売日が9月8日のバージョンです。

 人によって挙げる部分は違ってくると思いますが、特徴としては木村明広氏の描く非常に美しいキャラクターのグラフィック、サウンドボードIIに対応した聞き応えあるBGM、そしてちょっと使えない(笑) AI戦闘が目立つところだと思います。

オープニングディスクから起動すると、プロローグを見る事ができます。タムリンが角笛を吹くシーンでは、それにマッチしたBGMが流れるため非常に盛り上がります。

 メインプログラムは、「サバッシュ」のシナリオを手がけた落語家・三遊亭円丈氏が“天才”と呼んだ池亀氏が引き続き担当しており、広大なマップと滑らかなスクロールには驚かされたものでした。筆者の環境はPC-8801mkIIFR+サウンドボードIIだったので、コンポに接続して迫力あるサウンドを聴きながらプレイしていたため、特に曲の印象が強く残っています。登場キャラクターも魅力いっぱいで、回復が必要な場面でもタムリンビーム(攻撃魔法「レイヴァース」)を放つタムリンを見てイライラしつつ“可愛いからいいかな”と思いながらプレイした記憶が蘇ります。

フィールドは非常に広く、マップが無いと困ることも。流れているBGMは、何度聞いても飽きないのが素晴らしいです。
戦闘シーンは、オートで展開されます。アトルシャンは手動または自動操作を選べますが、その他のキャラクターはAIに基づいて的確に(?)動きます。楽な反面、強敵と相対したときにはもどかしさを感じることもありました(笑)。

 現在、「エメラルドドラゴン」のキャラクターデザインを手がけた木村明広氏が、“「エメラルドドラゴン」の世界の先を私が独自解釈で描いた、新たな続編としての物語(公式HPより引用)”として「エレメンタル ドラグーン -2つの光-」というプロジェクトを進めていますので、「エメラルドドラゴン」ファンの人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。

パッケージの中にはゲームディスクの他に、マップが印刷されたアイテムなども同梱されていました。これを見るだけで、熱中して遊んだ当時を思い出します。