ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
“国民機”と銘打って登場したEPSONの「PC-286・386」シリーズと、数多くの作品を発売した老舗ソフトハウス「エニックス」
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2017年12月19日 08:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編から「EPSON PC-286・386」編と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から「エニックス」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! -EPSON「PC-286・386シリーズ」- -
EPSONが、広告で“PC国民機”と銘打って発売した機種、それがPC-286シリーズとPC-386シリーズだ。型番は主に搭載されているCPUからきており、一部を除けば80286または80386からPC-286XX/PC-386XXになっている。
最初に登場したのは、1986年4月に発売が開始されたPC-286 Model0。10月には5インチモデルのPC-286Vと3.5インチモデルのPC-286Uをリリースし、同スペックのPC-9800シリーズよりも2~3割ほど安い価格設定もあって好調な売れ行きを見せた。その後も、PC-9801RXシリーズに対抗するPC-286VEシリーズやPC-9801RAシリーズ対抗のPC-386シリーズなどを誕生させ、しばらくはNECとのライバル関係が続いていく。
省スペース型でも、87年にはNECのラップトップ機対抗馬となるPC-286Lシリーズを登場させ、89年9月にNECよりも早くノート型パソコン、PC-286NOTE executiveを市場へと送り込んでいる。
EPSON互換機に勢いのあった時代だったからか、NECは自社が販売するMS-DOSなどがEPSON互換機では動かないようプロテクトを付けくわえる(通称EPSONチェック)といったことも行っていた。
しかし時代は確実に進み、後にどちらもWindows OSという荒波の洗礼を受けることとなる
- ボクたちを虜にしたソフトハウス編 エニックス -
プログラマーズコンテストを行い、優秀な作品を多数発売!!
株式会社エニックスとして1982年よりソフト開発を開始し、翌年には小西六写真工業と合併した。83年末ぐらいからの広告に小西六エニックスの名前も併記して見られるようになったのは、このためだ。
1982年に第一回ゲーム・ホビープログラムコンテストを行い、入賞した13作品を83年に一挙発売し、ソフトハウスとして一躍有名になる。このときに最優秀プログラム賞をゲットしたのは『森田のバトルフィールド』で、優秀プログラム賞が『ドア・ドア』だった。ほかにも、槇村ただし氏の『マリちゃん危機一髪』や堀井雄二氏の『ラブマッチテニス』も第一回入選作品だ。
翌年に行われた第二回では、16人がデビュー。このときには望月かつみ氏『ロリータ・シンドローム』、鈴木孝成氏『芸夢狂人の宇宙旅行』などが発売された。
コンテストに頼らない新作も積極的に発売しており、その代表作には83年にNEW GAMEシリーズとして登場した『アルフォス』『女子寮パニック』『ポートピア連続殺人事件』、84年の“青春援護会推薦 エニックス新作ゲーム”と題した『暗黒城』『ニュートロン』『ドアドアmkII』などが挙げられる。