ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある

今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある 当時としても珍しい、パッケージを横に使用したデザインが目を惹きます。
当時としても珍しい、パッケージを横に使用したデザインが目を惹きます。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回はアートディンクの代名詞とも言える名作「A列車で行こう」を取り上げます。

 現在でも根強い人気を持ち、最新作が2017年12月に発売予定となっている「A列車で行こう」シリーズですが、その元祖となったのが1985年12月に発売された「A列車で行こう」です。

今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある 掲載されていた広告ですが、上部はメーカーロゴが配置されるという珍しい構成になっています。その下には、当時の雑誌で紹介された際に書かれたレビュー文が載っているのがわかります。
掲載されていた広告ですが、上部はメーカーロゴが配置されるという珍しい構成になっています。その下には、当時の雑誌で紹介された際に書かれたレビュー文が載っているのがわかります。

 この当時のジャンルは経営シミュレーションではなく、鉄道シミュレーションゲームでした。1985年から1986年にかけてはRPGが流行していた時期ですが、その最中に「このゲームにモンスターは出てこない。仮想の宇宙人たちの攻撃も無い。あなたを襲うのは、あなたが気づかずプログラミングした知性のバグによるアクシデントだけだ。(中略) 今、知的興奮を乗せて、理論の大地をA-列車がやってくる。難しい理論や知識は必要無い。さあ、未知の世界を目指して、A列車で行こう!(後略)」という文言を添えて登場した本作は、ルールを理解した瞬間にハマってしまう、まさに魔性のゲームでした。

今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある 「A列車で行こう」といえば、誰もがこの画面写真を思い浮かべると思うゲームスタート時の画面です。ここからA列車を操作し、線路を延ばしていきます。
「A列車で行こう」といえば、誰もがこの画面写真を思い浮かべると思うゲームスタート時の画面です。ここからA列車を操作し、線路を延ばしていきます。

 ゲームの目的は、東海岸から西海岸へと線路を通し、そこに大統領専用列車を走らせることです。プレイヤーはA列車を操作して線路を引いていくわけですが、最初に与えられた予算では全路線を敷設することはできません。そこで、途中の住宅地などに駅を設置し、収入を得ながら徐々に線路を延ばしていくことになります。ここで、効率の良い山手線のような環状線を敷くことに気づくかどうかで、今後の財政が左右されることになるのです。思った通りに乗降客が増え町が発展していくと一気に面白くなり、止め時を失ってしまうこともしばしばありました。

今も続く「A列車で行こう」シリーズの元祖がここにある 途中には人が集まっている場所があるので、そこに駅を作り客車を走らせると人々が利用し始め、新たな収入源となります。
途中には人が集まっている場所があるので、そこに駅を作り客車を走らせると人々が利用し始め、新たな収入源となります。

 ゲーム期限は365日と限られているだけでなく、線路敷設は昼間しかできないといったルールもあるため、なかなか一筋縄ではいきません。さらに、A列車が障害物に突っ込んでしまったり予算が無くなればゲームオーバーになるので、最初は何度もプレイし直して“プレイヤーの”経験を積んだものです。

 この後、「A列車で行こう」シリーズはシリーズ3作目となる「A.III」にて大きな進化を遂げ、以降もアートディンクの看板作品として脈々と続いていくことになります