ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

ボーステックから発売された、謎多きゲーム「レリクス」

背景と思われるオブジェクトが描かれている以外は何もないため、どんなゲームなのかがまったく想像できないパッケージでした。帯を紛失すると、表からはタイトルも機種名もわからなくなることに

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ボーステックが発売したアクションアドベンチャー「レリクス」を取り上げます。

 1985年以降はRPGが中心となり、その他のジャンルは徐々に少なくなっていきますが、そんな時代にアクション+アドベンチャーという形でユーザーの前に登場したのがレリクスでした。発売前から雑誌などに開発中の画面写真が掲載されてはいたものの“どんなゲームなのか?”という肝心な部分については“相手に乗り移りながら先へと進んでいく”ぐらいしか書かれていなかったほか、開発に手間取り発表から1年近く後になってのリリースという要因も含め、早くから話題に上っていたのを思い出します。

大作ソフトの雰囲気を漂わせていたレリクスですが、なかなか発売されなかったことも期待を高めた一因かもしれません。実は1985年10月に掲載された広告には、PC-8001用テープ版も発売予定として書かれていましたが、すぐに姿を消してしまいました
オープニングデモでは水中から都市が現れ、その都市の外観が映し出されつつスタッフクレジットが表示された後、タイトルロゴが大きく映し出されます

 実際、ソフトを手に入れてもマニュアルに書かれているのは操作方法のみで、目的すら分からないという不思議なタイトルです。セーブ機能も無いために試行錯誤するしかないという、まるで80年代前半のゲームを思わせるような内容でした。主人公はゲーム開始時はただの精神体として現れ、さらに体力も数値ではなく脳か心臓と思われるビジュアルで表現されるのを読み取らないといけないという、非常に情報が制限された中で進めなければなりません。

今プレイしても、最初はどうすれば良いのか分からないスタート画面です。画面に映っているのは精神体のプレイヤーキャラですが、まずは体を乗っ取って憑依することが先決となります

 トライ&エラーで少しずつ覚えながら進んでいくと頭で理解していても、ゲームオーバーになる機会が多いためイライラが募ってしまうゲームだったのは間違いないです。さらに、全般的に動きが遅かったことも、快適なプレイを阻害する要因となっていました。もちろん、当時としては大きなキャラクターを動かしているのだから、処理にはそれなりに時間がかかることを今なら分かるのですが……。

 現代であれば、CPUに80286や80386などのパワフルなものを搭載したPC-98シリーズを使用すれば、ストレス無い早さでゲームをプレイ出来ます。当時クリア出来なかった思いを、今ならば遂げることができるかもしれません!?

フィールドはそれなりに広いので、マッピングをしないと迷子になるかもしれません。謎も多いので、一つずつクリアしていく地道な作業が求められます。「自分の持ち場へ戻れ!」と言われていますが、この先には何があるのでしょうか?