ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
シャープのクリーンコンピュータ「MZ」シリーズと、アドベンチャーや移植作でヒットを飛ばした「システムソフト」
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2018年1月29日 00:10
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編からSHARP「MZシリーズ Part1」編と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から「システムソフト」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! SHARP「MZシリーズ Part1」-
SHARPといえば、主な機種としてMZシリーズとX1シリーズやX68000シリーズがあるが、MZシリーズの始まりは1978年に発売されたマイコントレーニングキットMZ-40K。続いてオールインワン筐体だがキーボード未組立となるMZ-80Kを半完成キットとして売り出し、翌年79年のMZ-80Cを経て81年、完成品となるMZ-80K2を標準価格198,000円で登場させる。
シリーズの特徴は、OSをカセットテープなどの別メディアで供給し、最低限の処理だけをROMに搭載した“クリーンコンピュータ”システム。これを受けて、他社から様々なOSなどが登場する。
シリーズは80K系列が700/1500系列へ、80B系列が2000系列へと、それぞれ進化を遂げていく。1982年にはMZ-2000が誕生したほか、100,000円を切る値段で発売されたMZ-700シリーズは人気が高く、ソフトが数多くリリースされた。ディスプレイ分離タイプというのも特徴で、従来のオールインワン設計を取りやめることで価格を抑えている。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス編 システムソフト -
初期は、名作アドベンチャーや海外の移植ソフトなどを発売
システムソフト福岡として、1979年9月に設立。初期のソフトには、どこかで見たようなタイトル・内容のものも多かった。しかし、その1982年の年末に秀作『珊瑚海海戦』が登場。翌83年には社名も「システムソフト」となり、シミュレーションゲーム『選挙』や『珊瑚海海戦 中級編』などをリリースしつつ、当時流行していたアドベンチャーゲームにも意欲的に取り組み、画面表示の早さが際立った『ミオのミステリーアドベンチャー』を生み出す。84年には名作『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』を発売し、雑誌に取り上げらることも多くなり、システムソフトの名前が一躍有名になる。
海外ソフトの移植発売なども行っており、『ロードランナー』はPC-8001mkIIなど様々な機種に移植されて大ヒットとなった。さらに、『チョップリフター』や『David's MidnightMagic』などでもヒットを連発。後の「大戦略」シリーズがメインだった時代から知っている人にとっては、この時期は“シミュレーションゲームといえばシステムソフト”というわけではなかった、ある意味珍しい期間だったかもしれない。