ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

初期アドベンチャーゲームの傑作にして、今も語り継がれる「デゼニランド」

なぜかパッケージの表面には女性が、裏面には男性が描かれていますが、該当する人物はゲーム中には登場しません。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ハドソンソフトの傑作アドベンチャーゲーム「デゼニランド」をピックアップ。

 日本で「ミステリーハウス」が流行し、アドベンチャーゲームブームが訪れると、さまざまなソフトハウスがアドベンチャー作品をリリースするようになりました。画面は白黒からカラーへ、そして使用言語もBASICからマシン語へと少しずつ進化していく中、ハドソンソフトから発売された大ヒット作が「デゼニランド」です。この連載を読んでいる人であれば、知らない人はいないであろうというぐらいの有名作品ですが、ストーリーを知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?

【デゼニランドのあらすじ】

 埼玉県知事の岡田ダメ男は、宿敵千葉に勝つべく埼玉に巨大な遊園地「デゼニランド」を建設するため、土地所有者の三月伸一氏に交渉を重ねていた。しかし彼が首を縦に振らないため、超A級スナイパーを雇い三月氏を亡き者にしてしまう。

 そして三月氏所有の土地だった場所に無事開園したデゼニランドだが、その隣にホテルを建築中、三月家に代々伝わる純金で出来た臼“三月磨臼”のありかを示す地図が見つかる。岡田は臼を掘り出し、隠し場所としてデゼニランドを選ぶ。そんな彼の前に、超A級スナイパーの姿が! 彼は、三月氏より死に行くものの最後の願いとして、三月磨臼を探し出したものへの復讐を依頼されていたのだった。こうして岡田も殺され、三月磨臼のありかは永遠の謎となってしまった……。

 噂を聞いた人間が何度もデゼニランドに入ったものの、用心深い岡田の罠にハマり誰一人として生きて帰ってこなかった。果たしてあなたは三月磨臼を手に入れることができるのか? それとも他の人と同じ運命をたどるのか!?

X1D版発売時に掲載された広告です。竹中コンビの作品ですが、原案・デザインを竹部氏が、脚本・コーディングを中本氏が担当していたのがわかります

 画面の3/4を占める大きさで各シーンが描画され、その速度も従来の類似作品と比べても非常に早かったため、かなり快適にプレイ出来ました。プレイヤーはデゼニランドのどこかにあるという三月磨臼を探すため、5つのパビリオンを巡り探索していきます。全部で114という画面数は、当時としてはかなり多かった方だと記憶しています。それらすべてに謎が隠されているわけではないので、それを見極めながら先へと進んでいく必要があります。とはいえ、主人公は無一文で遊園地に来ているため中へ入ることすらできないので、そこで行き詰まってしまったという人の話も良く聞きました。

デゼニランドへ入るためのチケットを売ってくれる受付のお姉さんですが、今日は予約券を持っていないと入れないそうです。このシーンでは、お約束の単語「△△△」を入力した人も多いと思います(笑)

 インターネット上では三月磨臼の隠し場所や、そこで入力するコマンド、さらには十字架を×××する時に使用する単語などが有名ですが、それらを忘れ大人の頭脳をもってして今一度、ノーヒントで挑戦してみてはいかがでしょうか?

ゲームを進めていき、途中でちょっと前に入力した単語を見たいと思ったときは、リターンキーを押すことで上部のグラフィック画面が一時的に非表示になります。当時は、かなり重宝しました
6軒並んでいるお店で何を調達するか? それ次第で、途中から先に進めなくなる可能性もあります。果たして、正解は……