ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
1980年代後半のソフトハウス「ゲームアーツ」と「日本テレネット」編
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2018年10月16日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から1980年代後半の「ゲームアーツ」と「日本テレネット」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス・80年代後半編 -ゲームアーツ- -
彗星のように登場し、瞬く間に名声を得た新進気鋭ソフトハウス
1985年4月に、PC-8801mkIISR専用タイトルとして『テグザー』を発売。美しいBGMと滑らかなアニメーション、色鮮やかに変わるレーザーなど、これまでにないテクニックを駆使した作品で、当時のユーザの心を一気に掴むことに成功したソフトハウスだ。
85年に宮路洋一・武両氏とアスキーの仲間たちが立ち上げ、のちに数々のヒット作を生み出していく同社だが、特に1986 年にPC-8801mkIISR用として発売された『シルフィード』は、当時のパソコンとしては驚異的な高速ポリゴン表示を実現し、さらにパソコンがしゃべるなどということもあり大人気を得た。
ほかにも「リーチ」や「ロン」などのセリフをパソコンに実際にしゃべらせた麻雀ゲーム「ぎゅわんぶらあ自己中心派」シリーズや、人間の思考の裏をついたマップがプレイヤーを悩ませたRPG『ゼリアード』、『テグザー』の続編『ファイアーホーク』、ダメージを受けると各部位が破壊されているリアルさが特徴の『ヴェイグス』など、ほかのソフトハウスとは毛色の違うゲームを数多くリリースしている。
なお、ゲームアーツを設立した宮路兄弟のうち弟の武氏は2011年、45歳という若さでこの世を去っている。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス・80年代後半編 -日本テレネット- -
ゲーム中にビジュアルシーンを取り入れて一世を風靡!!
1983年に設立され、縦スクロールアクションゲーム『ファイナルゾーン』から社内の開発チーム・ウルフチームの名前が登場する。ゲーム中にビジュアルシーンを盛り込むスタイルは、ここから始まったといえるだろう。
このあと「夢幻戦士ヴァリス」シリーズをはじめとして、シューティングゲーム『ルクソール』、ゴルフゲーム初のマルチウィンドウと銘打った『アルバトロス』、アトラスが開発協力した『デジタル・デビル物語 女神転生』など続々とリリースしていく。
1987年にウルフチームが独立するが、以降も『反生命戦機アンドロギュヌス』『紫醜羅』『XZR』などを積極的に発売し、80年後半を駆け抜けていった。
余談だが、日本テレネットに在席していたクリエイターには本書でも取り上げているBug太郎氏(ソルフィース)のほか池亀治氏(ライレーン)や、コンポーザとして恋瀬信人氏(ルクソール)、佐藤天平氏(夢幻戦士ヴァリスII)など、名だたる人物たちが活躍していた。