ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
マイコン向けハードでも有名なソフトハウス「ハル研究所」と、海の向こうの名作ゲームを発売した「コンプティーク」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2019年5月14日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「ハル研究所」と「コンプティーク」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- マイナーソフトハウス編 ―ハル研究所― -
マイコンに取り付けられる各種ハードでも有名だった
元・任天堂の代表取締役社長である岩田聡氏が、大学時代にアルバイトとして参加していたことでも有名なソフトハウス。1980年中頃よりPET-2001用のPCG(プログラマブル・キャラクタ・ジェネレーター) の宣伝を始め、続けてPC-8001用、MZ-80K/C用などを登場させた。
その後は、PSA(プログラマブル・サウンド・アダプタ)と呼ばれるハードやPC-8001シリーズなどで音楽を鳴らせるようにするGSX-8800、CATシリーズに繋がるGTX(Graphic Trackball eXpander)などをリリース。84年中頃にはトラックボール・CATシリーズを発売し、MSXでもソフトを出したが、徐々にパソコンからはフェードアウトしていった。
自社ハードを利用したゲームを作りショップで発売していた
当時のハル研究所といえば、ソフトよりもPCGやCATシリーズなどのハードの印象が強いかもしれない。
しかし、PCGを使用したソフトも何本か発売している。そのうち『PACKMAN』『GALAXIAN(SUPER GALAXIAN)』『RALLY-X』は、ナムコ(当時)から許諾を取って販売されていた。この当時のソフトハウスはアーケードゲームを勝手に移植して発売していたことが多かったが、PCGを使うことで見た目はアーケード版に近くなることもあってか、広告にも画面写真の下に“(C) ナムコ”と入っている。とはいえ、『平安京エイリアン』などは権利表記が書かれていないため、その境界線がどこにあったのかは気になるところだ。
ちなみに、それらソフトはPCGがないと正しく表示されない仕様なので、現在実機にてプレイ可能な環境はそう多くは無いと思われる。
- マイナーソフトハウス編 ―コンプティーク― -
2ページ単位の奇抜な広告で読者の印象に残ることに成功
COMPTIQ(コンプティーク)といえば、今では雑誌を指す単語ではあるが、84年から85年にかけては“From U.S.A.”のキャッチコピーをひっさげ、海の向こうの名作ゲームを発売するブランド名でもあった。
制作は株式会社コンプティークで、販売は小西六エニックスが担当。もともとAppleやAmigaといった機種向けに発売された作品から、人気を博したタイトルを移植して日本で販売していたが、COMPTIQブランドで同時期に角川書店と提携して雑誌『コンプティーク』を創刊した。『バルダー・ダッシュ』『A.E』など有名タイトルがある一方、それほどメジャーではないタイトルも存在し、作品ごとの格差も大きかったようだ。
海外作品の移植版が多くメジャーになれなかったタイトルもあり
広告ページのセンスがよく、どれも面白そうに見えていたタイトルたち。とはいえ、人気のあった作品もあれば、あまり記憶に残らなかったものもある。
『バグ・アタック』は、Apple II で発売されていた同名タイトルを移植したもの。砂漠・荒野を舞台に、カブト虫を操作し画面上から下に向かってナイフを落下させてくるアリやムカデなどを迎え撃つ。敵は、倒されるとその場で木などの障害物に変化するため、ただ撃てばいいというわけではないのがポイントだ。
『深度40』は、極秘裏に作られた最新鋭潜水艦マーク21を操作し敵を倒すシミュレーション。画面に表示されるデータが少ないため、なかなか敵を倒せず難しい。難易度が高いぶん、敵にミサイルを命中させたときの気持ちよさはかなりのものだ。