ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
ソフトウェアコンテスト作品も名作揃いだった「エニックス」と、意外なところからブランド名が誕生した「マイルド・ソフト」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2020年6月18日 08:30
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「エニックス」と、マイナーソフトハウス編から「マイルド・ソフト」の2本となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- メジャーソフトハウス編 ―エニックス― -
ソフトウェアコンテスト作品にも隠れた名作が
以前あった公式HPによると、1975年9月に営団社募集サービスセンターを設立したことが成り立ち。商号を変更し、82年8月にエニックスとなる。
83年3月に13本のソフトをリリースしたのが、第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストの結果だ。どれも名作揃いだが、それらの中でも『ピラニア君の一週間』『星子のアドベンチャー』などは、隠れた名作だろう。
第2回では『ブッシュマン』『不思議な旅』などが受賞、同時期には『ドクロンの館』『ロリータ・シンドローム』などがあった。『不思議な旅』の作者は、のちに『ザース』などを手がけている。
エニックスの版権ものタイトルというと、『北斗の拳』『ウイングマン』などを思い出すかもしれないが、それより前に“少年ジャンプアイデアコンテスト”での優秀作品を製品化したソフトがあった。タイトルは、『Dr.スランプ バブル大作戦』『アラレのジャンプアップ』『走れ!せんべいさん』の3本。
『走れ!せんべいさん』はX1用で、せんべいさんではなく揚げている凧を障害物から守るユニークなゲームだった。『Dr.スランプ』の、アラレちゃんのテーマソングも入っていた。
- マイナーソフトハウス編 ―マイルド・ソフト― -
ブランド名は意外に身近なところから決まった
長野県松本市に居を構えるソフトハウスで、もともとはシステム関係のソフト開発を中心に行っていた。80年代初頭のマイコンブームを受けてゲームソフトも開発しようということになり、新たなブランド“マイルド・ソフト”を誕生させる。
当初はシステム開発株式会社名でソフトバンクの流通に乗せ全国展開するはずだったが、そんな地味な名前では目立たないだろうという話になり、ブランド名を考案する流れに。最終的なネーミングの決め手は、社長が吸っていたタバコのマイルドセブンからだそうで、「マイルドセブンからマイルド・ソフトでいいんじゃない?」と意外にあっさり決着したそうだ。
その後、10本前後のソフトを開発し販売を行った。当時は2人のプログラマが制作に関わっていたそうだが、残念ながら現在ではすでに退職してしまったとのことで、当時の資料もほぼ残存していないのが悔やまれる。マイルド・ソフトとしての活動も、80年代末には終焉となった。
ちなみに、2016年時点でも同じ長野県松本市に事務所があるが、事業内容はまったく違っている。業態が変わっても同じ場所で活動しているところは少ないため、ある意味貴重といえるだろう。広告キャッチのようにゲームだけでなく、当時の長野県にもマイコンという新風を吹かせられただろうか。
なお、同社の記念すべき1タイトル目『おっとっと』は、横から見た『平安京エイリアン』。アーケードゲーム『スペースパニック』を知っている人なら、その移植版と考えるとわかりやすい。
『ギャラクシアン』は、“X星怪人の攻撃が開始された。地球を守るのはキミしかいない”というオリジナルストーリーが付いているが、ほぼアーケード版『ギャラクシアン』だ。違いは、自機や敵がキャラクターグラフィックで描かれていること。
そして、『やまたのおろち』は、攻撃してくる8本のクビを、槍を使い頭を撃って攻撃するシューティング。胴体部分に“オロチダヨ”と書かれているのがなんともユニークだ。
ちなみに、もとから販売しているソフトは『漢字販売・仕入・在庫管理プログラム』で、5インチまたは8インチ用があり価格48,000円!