ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
音声技術を活かすソフト展開をした「マイクロ・テクノロジー研究所」と、賞金総額100万円の“ストンボール”が有名な「MIA」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2020年10月7日 07:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「マイクロ・テクノロジー研究所」と「MIA」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- マイナーソフトハウス編 ―マイクロ・テクノロジー研究所― -
代表作はテープ20巻という超大作だった!
略称は、頭文字からMTI(MICRO TECHNOLOGY INC)。PC-8001用『マイコン独歩』を82年に発売し、“コンピュータが喋って教えるBASICコースの決定版!!”というキャッチコピーで広告を同年から掲載する。
その後は『マイコン独歩』で培った音声コントロールの技術を活かし、音声付きシミュレーションシリーズを発売。『スーパーゴルフシミュレーション<全国名物ホール編>』では全国有名コースを音声でガイドし、『ビジネスゲームシミュレーション<スーパーマーケット>』は音声と画像でビジネスゲームを楽しめた。
『マイコン独歩』には、プログラム・テープ20巻にくわえ音声コントロールROMが付属されており、聞けば自然に覚えられると謳っていた。しかも、コンピュータが教える内容の声は“サザエさんのノリスケおじさん”と書かれていたが、であれば俳優・声優の村越伊知郎氏が参加していたことに!
そんな同社発売ソフトの中から、『コーラ・ボトラーズ』をピックアップした。本作は、“ビジネス・グラフィック・マネージメント・ゲーム”と題した経営シミュレーションゲーム。“男なら一度は経営者の夢を!!”がキャッチコピーで、コンピュータの経営するKING-COLA社に対抗して、プレイヤーが社長となりFRESH-COLA会社を1年間経営していく。
特徴は、マイクロ・テクノロジー研究所らしい、音声による説明だ。また、ビジネスソフトを数多く手がけているからか、本作はゲームというよりもソフトドリンクビジネスシミュレーションとして紹介されていた。
ほかにも、戦略シミュレーションとして『日本復活』や『空母赤城』『核戦略』といったゲームもある。現代では『核戦略』というタイトルは、変更の憂き目に遭うかも?
- マイナーソフトハウス編 ―MIA― -
『ストンボール』で知名度がアップ!!
「MICRO INFORMATION ASSOCIATES」の頭文字を取ったソフトハウスMIAは、当時のアスキー系列出版社。全国有名ソフトハウスごとに出版された、商用ゲームソフトのダンプリストを掲載した「パソコンゲーム傑作選集」シリーズがある。ハドソンソフト編やT&E SOFT編なども発売しているので、見た人や持っている人もいるはず。
有名なソフトといえば『ストンボール』だろう。当時は、全面クリアすると賞金総額100万円がもらえるということで、あちこちの雑誌に広告が掲載されていたが、ほかの作品があまり話題に上がらないのも特徴かもしれない。ちなみに『ストンボール』は、Oh!FM1984年12月号にプログラムリストが公開されていたので、それを入力すれば遊ぶことができた。
他のタイトルとして、『スプリングパニック』『オニオンハウス』『パスコンタワー』などの作品をリリースしているが、その中でも珍しいと思える『カッちゃんのお百度参り』は、PC-6001mkIIシリーズ用として発売されていたタイトル。カッパのカッちゃんを操作し、舞根神社(まいこんじんじゃ)にお百度参りするのが目的だ。
この時期に多かった固定画面のアクションゲームで、天狗やカラカサオバケといった敵を避けて、10回柏手を打てば1面目クリアとなる。これを繰り返し、5面クリアすれば悲願達成となるのだが、主人公は河童なので頭の水が蒸発してしまうとミスになってしまう。それを防ぐために、プレイヤーは水を補給しつつ妖怪をかわしつつ操作しなければならないので、意外に熱くなるのだ。はたして、キミは人間になれるか?