ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

歯ごたえたっぷり!全50面のパズルゲームでモグラのツラさを知る!?『モール・モール』

パッケージには、大きくモール君が描かれています。左下には「5th 原宿音楽祭 '84原宿パソコンソフトコンテスト優秀賞」と書かれていて、元はコンテストに応募された作品だったというのもわかります。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、クロスメディアを代表する作品のうちの1本『MOLE MOLE』となります。

広告では、ステージ2のクリア方法が解説されているバージョンもありました。逆に考えると、そのくらい難しかったのかもしれません。
こちらの写真がステージ2。

 アドベンチャーゲームがブームになるより少し前の、1980年代前半のパソコンゲームと言えば、『倉庫番』などの固定画面パズルゲームが人気を博していました。

 その流れを汲んだタイトルの1本が、1985年にビクター音楽産業株式会社のゲーム開発部門として発足したブランド、クロスメディアソフトより発売された熱中型思考パズル・ゲーム『MOLE MOLE(モール・モール)』です。

 昔々あるところに、たいへんな喰いしん坊の、モグラのモール君が住んでおった。そんなある日、大きな地震が村を襲った。やっと収まったと思ったら、大切なオイモやパパイヤといった食べ物は、地面の下に埋まってしまった。いざ地面に潜ると、岩はゴロゴロ穴はボコボコ。モール君はオイモたちを食べ始めましたが、一つも残さずに食べないと次の場所へは行けなかった。果たして、モール君は全部の食べ物を食べられるか?

タイトル画面にある“MOLE”とはモグラの意味で、その名前の通り土中を掘って食べ物をすべて食べるのが目的となります。デモが終わると、各種キー操作の説明画面などに移ります。

 そんなストーリーで始まる本作は、主人公のモール君を操作して、画面内にある食べ物をすべて食べた後に出口へ辿り付くのが目的となります。画面を一見すると、『ロードランナー』のように感じますが、大きな違いがいくつかありました。

 一つは、一度土の中を掘ると、モール君は上に移動できなくなること。上に行きたい時はハシゴを使うのですが、ハシゴより上に出ることは出来ません。『ロードランナー』では、ハシゴの上に主人公をピョコッと飛び出させることが出来るので、その感覚が身についていると不思議な気分になります。また、岩や食べ物、ハシゴは動かすことができず、モール君が岩ノ下を通り過ぎると岩が落ちてきます。ただし、それでミスになることはありませんが、状況によっては閉じ込められてしまう場合も……。

ステージ1をプレイしてみました。スタート直後の画面と、色々考えながら移動した写真の2枚を掲載しています。これを見て、正しいクリア手順が分かった人は、50面クリアも夢じゃない!?

 久しぶりにプレイしてみたのですが、頭の中がすっかり他の固定画面パズルゲーム的思考になっていたため、1面すらクリアできない有様でした。純粋なアクションゲームなので敵は出現せず、考える時間もたっぷりあるのですが、実際に行動してみないと岩などがどのように動くのかが推測できず、非常に苦労しました。基本的に、ステージ内にあるハシゴはすべて意味があり、それを利用しなければ絶対にクリア不能というところを踏まえて、食べ物を回収するルートを考える必要があります。

 画面右下には、モール君を移動させた回数として“STEP”が表示されていますが、最初のうちはあまり気にせず、クリアすることを目指すのが良いでしょう。なお、行き詰まった場合はリターンキーを押すことで、5回までやり直すことができます。またエスケープキーを押せばタイトル画面に戻りますので、いつでも諦めることもできます。

 今でこそ思うのは、1面くらいはもっと簡単にしておいて欲しかったということ(笑)。この後に発売された『MOLE MOLE 2』では、難易度が低いチルドレンモードが収録されていたことを考えると、やはり1作目は難しかったとのフィードバックがあったのかもしれません。

ステージ44と45は、このようになっています。45面までは自由に選択して遊べますが、46-50面は45面から順番にクリアしなければなりません。

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