ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

80年代中期のパソコン事情・その2 ~永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記~

永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記」(著:佐々木 潤・レトロPCゲーム愛好会)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、“80年代中期のパソコン事情・その2”だ。なお、書籍版では画像はモノクロだが、諸事情により本記事では一部カラーや別の写真を掲載している。


80年代中期のパソコン事情・その2


海外の2大メジャーRPGも日本で発売!!

 3DダンジョンRPGの始祖『ウィザードリィ』に対して、2Dフィールド型RPGの始祖『ウルティマ』も、85年に2作目と3作目の日本語版が発売されている。特に3作目の『Exodus』ではパーティー制が導入され、『ウィザードリィ』ライクになったことからプレイヤーも多かった。

 1作目は世界に災厄をもたらす魔道士モンデインを倒すため、4つの大陸と8つの城・迷宮、果ては宇宙空間までもを駆け巡る冒険をする。2作目はモンデインの弟子である魔女ミナクスを倒す物語で、3作目が再び災厄に襲われた世界を救うべくExodusの正体を探り滅ぼすことが目的だ。スケールの規模が非常に大きいことも、シリーズの特徴だろう。

 これら2大RPGが日本でも流通し始めると、そのシステムを参考に、あるいは模倣した作品が次々と現れる。敵を倒して経験値を獲得しレベルアップを図り、キャラクターを育成して探索範囲を広げ強敵を倒すという基本路線はそのままに、オリジナルシステム作りに向かうものと、システムのテンプレートそのままに別の部分だけ凝るものなど、さまざまなタイプの作品が登場した。

わかりやすいアクションRPGの台頭

 そのようななかで、独特の盛り上がりを見せたのがアクションRPGだ。アクティブRPGという独自の呼び方をしていた『ハイドライド』などが該当し、アクション部分を『ザナドゥ』などの著名なソフトが違うかたちで取り入れた。

 シビアな操作を要求されるわけではないが、ある程度のアクションゲームの腕を必要とするシステムは、のちに「イース」シリーズや『トリトーン』などにも取り入れられ、アクションRPGという文化を築いていく。

2Dフィールドを動き回り、バトルで経験値を稼ぎ、謎を解いていく『ハイドライド』。各機種の特徴をうまく活かすかたちで作られた。
ウインキーソフトのロールプレイングゲーム『アークスロード』は、85年発売。

 その先陣を切った『ハイドライド』は、「ATTACK」と「DEFENCE」の2つのステータスを用意。「ATTACK」で敵に体当たりすると、攻撃力が高いと同時に受けたときのダメージも大きくなる。反対に「DEFENCE」ではガードした状態ということで、受けるダメージが減る代わりに攻撃力も極端に落ちるというモード切替システムを採用。さらに、敵の背後から攻撃すれば一切ダメージを受けずに攻撃できるなど、非常に考えられたシステムだった。

 このモード切替をなくして作品に導入したのが『ザナドゥ』ともいえる。フィールドで敵と接触すると戦闘モードに変わり、固定画面内で動く敵に対して攻撃を仕掛けていく。背後からアタックすればダメージを受けることはないので、いかにして敵の死角から狙うかが戦闘を有利に運ぶ鍵だった。

 この体当たりを引き継いだのが「イース」シリーズで、大きな違いは“半キャラずらし”というシステムを採用したこと。敵と半キャラ分だけずれて体当たりすれば、正面から攻撃してもダメージを受けないのだ。ゲーム速度を変更できる機種もあったので、早くするほどにアクションゲームの腕が問われた。

よりアクション性が高いRPGも続々誕生

 「ハイドライド」シリーズとは違う方向に進んだのが「メルヘンヴェール」シリーズだ。『ハイドライドII』のように、画面端まで移動すると隣のフィールドへと移るのだが、攻撃方法として剣から飛び出す魔法を採用。射程距離はあるものの斜めに攻撃できないため、難易度としては低くなかった。敵は階段状に移動して近づいてくるほか、地形の崖から落ちて復帰しないとゲームオーバーになってしまうため、移動にも神経を使うことに。

『メルヘンヴェールI』は、システムサコムから85年に発売。シリーズは2作目までで、『メルヘンヴェールII』は、86年にリリースされた。
ザインソフトの『トリトーン』は、『ハイドライド』より難しいと思う人も。

 サイドビューの戦闘シーンを採用し、アーケードゲームの『ドラゴンバスター』のように、敵と戦うときは剣を振ってダメージを与える『トリトーン』などもあった。敵に近づいて攻撃しなければならないため、体当たりでよかったほかのゲームと比べると、難易度は若干高かったかもしれない。

 80年代中期は“RPGは難しい”という考えに対して、わかりやすく遊べる回答としてアクションRPGが提示され、それと平行するように『ウィザードリィ』のような本格派RPGも浸透していった、そんな時代だったのではないだろうか。

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