ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

名作一網打尽:「大戦略」シリーズ~永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記~

永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記」(著:佐々木 潤・レトロPCゲーム愛好会)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、“名作一網打尽:「大戦略」シリーズ”だ。なお、書籍版では画像はモノクロだが、諸事情により本記事では一部カラーや別の写真を掲載している。


名作一網打尽:「大戦略」シリーズ


システムソフトの方向性を決定付けた戦略シミュレーションゲームの大ヒットシリーズ

『現代大戦略』は、現代兵器ユニットを生産し、敵国の首都占領を目指すゲーム。それまでになかったシステムが斬新で、シミュレーションゲームの新たな路線を開拓したといえる。

 その昔、システムソフトといえば、テクニカル系の書籍を出しつつソフトもリリースしていた、そんな硬派なソフトハウスだった。もとはシステムソフト福岡という社名で、その名の通り、福岡が所在地となっている。

 当初は『珊瑚海海戦』を始めとしたシミュレーションゲームや『ミオのミステリーアドベンチャー』などのアドベンチャーゲームで名を馳せていたが、その後のシステムソフトの方向性を決定付けたのは『現代大戦略』だろう。

 1985年に登場したシリーズ1作目『現代大戦略』は、現代兵器を登場させた戦略シミュレーションゲームで、ユニットの“生産”を可能にしている点が、それまでものとは違っている。

 既存のシミュレーションゲームでは、ヘックス上に配置されたユニットにアクションを起こさせ、その結果としてどうなったかを伝えてくるものが多かった。それに対して『現代大戦略』は、ユニットを実際にヘックス上で移動させ、敵ユニットと戦わせる様を視覚化したことも人気につながったと推測できる。

 戦車部隊にはヘリや攻撃機が優位に立つが、それらには安い対空車両での攻撃が効果を発揮するなど、相性の良し悪しがわかりやすかったことも受けたポイントだろう。マップによっては4カ国対戦ができたが、生産できるユニットはすべての陣営共通だった。

 特筆すべきはユニットごとに経験値の概念があり、レベルがアップすると部隊が強くなっていった点だ。のちのシミュレーションRPGの原点ともいえるシステムで、ある意味ではシミュレーションRPGの第1作目ともいえる。

「大戦略XX」シリーズは、発売当時の現代兵器を採用したタイトルの8bit機版。プレイヤーは赤か青の国を選び、兵器ユニットを生産、移動、戦闘させ敵の全滅か敵国首都を占領すれば勝利となる。生産できるのはA-10やレオパルドIIなど、各国の有名どころの兵器ばかり。PC-88版、X1版、FM版はシステムソフトから、MSX2版はマイクロキャビンからの発売。

 『現代大戦略』は、16bitのCPUを搭載したPC-9800シリーズ向けに作られていたこともあり、当時の人気機種だった8bit機では処理が厳しかった。そこで、それらの機種に合わせて『現代大戦略』を移植したのが『大戦略88』『大戦略FM』『大戦略X1』『大戦略』(MSX2版)といったタイトルだ。

 ベースとなった『現代大戦略』と比べると思考ルーチンが変化し、オリジナル版では4カ国での対戦が可能だったものが2カ国でのプレイに限定されてしまったり、経験値を稼いで強いユニットになると弾を発射してから着弾→次弾発射までの処理が遅くなるといった顕著な動作があったが、それでも16bit機でしか遊べなかったゲームが堪能できるということで、かなりの盛り上がりをみせたものだ。


『大戦略II』には新規ユニットの追加と生産陣営の選択、間接攻撃の導入、都市などへの耐久度設定など、様々な新要素が盛り込まれた。間接攻撃は敵を離れた場所から狙える反面、目的のヘックスからずれて着弾すると同士討ちになることもあった。

 『現代大戦略』から2年後となる87年には、システム面で大幅にパワーアップした『大戦略II』が登場する。生産陣営選択(アメリカ・NATO・ソ連・ワルシャワ)や資金だけでなく工業力と呼ばれる数値が足りないと生産できないといった新要素が導入されたが、最も大きな違いは、間接攻撃可能ユニットの登場と、戦闘が同時に行われるようになったことだ。特に間接攻撃は、のちの作品にも取り入れられるほどメジャー化した。

 ほかにも、隠しコマンドで核兵器を爆撃機に搭載できたり、都市などが簡単に占領できなくなるなど、さまざまな面での強化が図られている。そのぶん、思考ルーチンは前作より重くなり、長考が目立つようになったのが悲しい点だ。


 『大戦略II』で取り入れられた生産陣営の選択や同時攻撃といった要素を盛り込み、8bit機向けとして1988年に発売されたのが『スーパー大戦略』だ。

 ユニットの持つ武器によって攻撃順序が変わるほか、好きな兵器だけを集めた陣営を選ぶこともできた。マップエディットもこれ1本でできたことが好評を博し、かなりの売れ行きを記録することとなる。

 この成功を受けて、16bit機向けに『スーパー大戦略98』が88年に登場し、翌年89年には『キャンペーン版大戦略II』が発売された。こちらには最新ユニットが収録され、戦闘システムにも『スーパー大戦略』ルールが採用された全部入りとなっている。

『スーパー大戦略』では8bit機向け前作『大戦略XX』からパワーアップし、最大4人でのプレイや兵器タイプの増加、マップフィールドの拡大、さらには思考ルーチンも強化されたことで、十分遊べる内容に仕上がった。効果音やBGMも流れる。
『キャンペーン版大戦略II』は、『大戦略II』のシステムを取り込んだ意欲作。味方ユニットの追い越しや戦闘時の同時攻撃が可能になり、さらに間接攻撃もできるようになった。生産タイプも12に増えたほか、キャンペーンの名前の通り8つのマップを転戦していく。

 『キャンペーン版大戦略II』が発売される半年前には、「大戦略」シリーズのナンバリングタイトル3作目『大戦略III グレートコマンダー』が登場。従来のシステムから大幅にパワーアップし、ターン制からセミリアルタイム制へ進化、画面上のユニットがほぼ一斉に動き出す様は見ていて壮観だった。

 作るのが大変なユニットは時間がかかったり、1ヘックス内に複数の部隊が混在する、マップが128×128へクスへと拡張されるなど、ありとあらゆる面でスケールアップしている。そのぶん、BASIC(一部マシン語)で作られていたプログラムでは荷が重く、プレイヤーのあいだで速度が遅すぎると不満が出ていたのも事実。この点が改善されるには、翌年発売の『大戦略III '90』まで待つ必要があった。

『大戦略III グレートコマンダー』では全ユニットが同時に行動するほか、1つのヘックスに高度の違う複数のユニットが同居できる“スタック”の概念が導入されるなど、当時としては先進的なシステムがいくつも導入された。
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