ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
MSXを支え続けたコナミと名作ソフト Part3 ~永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記~
2024年6月18日 08:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記」(著:佐々木 潤・レトロPCゲーム愛好会)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、“MSXを支え続けたコナミと名作ソフトPart3”だ。なお、書籍版では画像はモノクロだが、諸事情により本記事では一部カラーや別の写真を掲載している。
MSXを支え続けたコナミと名作ソフト Part3
アーケードへも進出した異色のタイトルも
MSXで最初に発売され、のちにアーケードやほかのコンシューマ機に移植されたゲームもある。それが『パロディウス』。1988年に登場し、自社のタイトルである「グラディウス」シリーズを徹底的にパロった、そして冗談のようなシステムも組み込んでしまったタイトルだ。
ゲームシステムの基本は『グラディウス』と同じだが、パワーアップゲージに、取るとすべてのパワーアップを失う“スカ”が追加されたのを始め、回収するとパワーアップゲージがルーレットで動き出すカプセル、『ツインビー』にあったベルの登場、爆風が“あべし”や“ひでぶ”と表示されるなど、非常にカオスな内容だ。この作品にGOサインを出した当時のスタッフには、まったくもって驚くばかりだ(笑)。
しかし、見た目に反して難易度はかなり高く、見ているのとプレイするのとではギャップが非常に激しいのも特徴。『グラディウス2』で採用されたSCCを搭載し、これを利用したクラシックのアレンジが流れる素晴らしいBGMは、耳に残るほどの名曲だ。のちにアーケードにも、『パロディウスだ!』のタイトルで移植されている。こちらもやはり難易度は非常に高く、スピードアップせずに進んで難易度を押さえる、といった攻略方法も出たほど。
MSXでしか遊べない大作も登場
コナミのMSXゲームとして、絶対に欠かすことのできないのが87年に登場した『グラディウス2』だろう。
アーケードでも同じ呼び方の『グラディウスII』がリリースされているが、デビューは88年だ。ユーザーの間では、混乱しないように『グラディウス2』を“ぐらでぃうす・に”、アーケード版『グラディウスII』を“ぐらでぃうす・つー”と呼ぶのが一般的だったと記憶している。
『グラディウス』では自機はビックバイパーだが、MSX版『グラディウス2』ではスペースファイター・メタリオン。この自機を操作し、敵を倒して先へと進んでいく。赤いカプセルを取るとパワーアップゲージが点灯し、光っている部分でボタンを押せばパワーアップするという設定は『グラディウス』と同じだ。
決定的に違うのは、各面のボスを破壊したあと中に侵入してパワーアップアイテムを増やせること。これまでに見たことのない強力なアイテムを装備していくことで、強敵にも対応して戦えるというわけだ。バグを持ったパワーアップアイテムもあったのだが、それはそれでゲームを盛りあげるのに一役買っていた。
さらに、MSX2を思わせる美しいグラフィックや、SCC音源を搭載したことで奏でられる美しいBGMも、人気に拍車をかけた。家庭用のためか、1周クリアするまでのプレイ時間は長め。本作には往路と復路があり、往路最終となる7面をクリアすると、これまで攻略してきたステージを戻るという仕掛があり、非常に長く楽しめた。難易度も程よく、まさに名作といえる仕上がりだった。
ソフト面からMSXを支え続けたコナミ
主なタイトルを列挙して紹介したが、これ以外にもコナミはMSX向けに名作を数多くリリースしている。しかもそのほとんどが完成度も高く、後世まで語り継がれる作品も数多い。
なぜMSXというハードで多数の名作が生まれたのかは不思議だが、間違いないのはMSXが隆盛を極める一時代を、ソフト面から支えたということ。コナミは当時のユーザーにとっても、思い出深い最高のソフトハウスだったのだ。