ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

「10倍楽しむカートリッジ」シリーズとディスクステーション~永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記~

永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記」(著:佐々木 潤・レトロPCゲーム愛好会)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、“「10倍楽しむカートリッジ」シリーズとディスクステーション”だ。なお、書籍版では画像はモノクロだが、諸事情により本記事では一部カラーや別の写真を掲載している。


「10倍楽しむカートリッジ」シリーズとディスクステーション


プレイの楽しみを広げた『コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ』と『コナミの新10倍カートリッジ』


2スロット目に『コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ』を挿入したイラストを使い、他のタイトルと一緒に広告を出していました。

 パワーアップ専用のROMカートリッジといえば、『コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ』(10倍)と『コナミの新10倍カートリッジ』(新10倍)がある。こちらは、スロット1に10倍または新10倍を挿入し、スロット2にそれぞれが対応しているゲームを挿して起動することで、10倍または新10倍からプレイヤー数や開始ステージを変更できたり、『魔城伝説II ガリウスの迷宮』や『シャロム』では、データをセーブすることができた。

 前述の、別のゲームを挿すのとは違い、数値を自由に設定できるのがメリットといえる。ちなみに、新10倍にはミニゲームが2つ収録されていたが、どちらも70年代後半のゲームセンターにあったようなテニスゲームだ。

『コナミの新10倍カートリッジ』は、「ミニゲームのおまけ付!楽しいゲームをもっと楽しく!!」というキャッチコピーで『激突ペナントレース』や『ブレイクショット』と同じページで宣伝されていました。

MSXシリーズの最後まで発行し続けたディスクステーションと、それを手がけたコンパイル


 1988年はMSX2発売から3年であり、新たにMSX2+が発表された年。MSXシリーズは円熟期を迎え、ソフトも充実していた時代だ。

 それに先立つ4年前の1984年、『デビルズヘブン』『E.I.』と、MSX向けに縦スクロールシューティングゲームを発売していたコンパイルは、『ファイナルジャスティス』(1985)、『ザナック』『ガーディック』(1986)を経て、1988年に代表作の1本『アレスタ』をリリースする。このときデモを作ろうとしたが、ROMカートリッジではコストがかかるという理由で、フロッピーディスクでの配布に切り替えた。

 ところが、実際にフロッピーディスクに保存する容量面で余裕があることがわかり、その空きスペースを有効活用するべくほかのコンテンツも収録。その結果、980円という低価格で売り出されたのが、1991年までMSXシリーズとともに続いたディスクステーション(DS)だ。

最初は季刊だったが徐々に刊行ペースが詰まり、1990年からはPC-9800シリーズ向けの『ディスクステーション98』もリリースされるなど、かなりの盛り上がりを見せていた。写真は、時代を大きく下り「コンパイルクラブ1997年2月号」に掲載されていた「ディスクステーション」の広告ページ。

 盛り込まれたコンテンツには、当時のMSX専門誌である『MSX マガジン』と『MSX FAN』の読者投稿プログラムのほか、他社のゲーム体験版などさまざま。そのなかには、のちに単体で発売される『ルーンマスターII』のような珠玉の名作や、オリジナルステージがプレイ可能な『アレスタ2』(DS#23)がある。開発中止となり、店頭に並ぶことなく消えていったナムコの『ワルキューレの冒険II』デモ(DS#4)などもあり、ユーザーの注目を集めていた。

 しかし、1990年にMSXturboRを発売するもMSXシリーズのシェアは僅かとなり、それと歩調を合わせるかのようにMSXシリーズ向けDSは尻すぼみの様相を呈し、1991年12月発行のDS#32で幕を閉じる。

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