パワレポ連動企画

旧チップセットでも最新SSDは効果抜群

【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(15)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。

 第15回目からはHDDやSSDといったストレージのアップグレードについて解説していく。OSやアプリの起動、データの読み出しといったユーザーが待たされる時間に直接関係するパーツだけに、CPUのアップグレードよりも効果が体感できることがある。OSの起動ディスクがHDDというPCの場合は、まずSSDへの入れ替えを考えよう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。


-チョイ古 自作PC再生計画-
ストレージ編 その1 旧チップセットでも最新SSDは効果抜群


旧チップセットでも最新SSDは効果抜群
ストレージ編

 Serial ATA接続のSSDのGB単価がすさまじいスピードで下落中。とくに大容量モデルの低価格化が進んでいる。もちろん、5年前のSSDに比べて速度も耐久性も向上。

 少ない容量で保存するデータのやりくりをしているなら、今こそ大容量SSDへの乗り換え時期だ。

2.5インチSSDがベストチョイス

1TBクラスが2万円台の時代に
Silicon-PowerのSlim S55やADATAのPremier SP550、PatriotのBlastなどは1TBクラスが2万円台後半という低価格で人気を集めている。定番ブランドの製品も最安値は3万円を切るものが増えている

 2、3年前まで、SSDは容量120~240GBが定番だった。古い世代のPCになると64GBモデルを使っているかもしれない。そのため、現在は容量不足に悩んでいる人は多いハズ。さらに、使い込んでいる人は耐久性に不安を感じているだろう。

 現在SSDは、M.2や拡張カード型など選択肢が豊富だが、M.2スロットがなく、NVMeへの対応がほとんどない旧型マザーボードでの強化手段としてはSerial ATA接続の2.5インチ型SSDに絞られてくる。2.5インチSSDの魅力は、GB単価の安さだ。2016年の春からは500GB~1TBの大容量クラスが大幅に価格を下げており、いよいよHDD不要の時代が近付いているのを感じるほど。2.5インチの大容量SSDへの乗り換え時期として、今はまさに“旬”と言える。

 2.5インチSSDは、性能面を見るとエントリークラスでもSerial ATAの限界近くまで速度が出ており、ほとんど頭打ちだ。それだけに、選ぶときは価格に加えて、保証期間や耐久性をチェックしておきたい。これらは製品よって大きく異なるためだ。製品によっては10年の長期保証も付いてくる。

SSDのGB単価

【旧PCでNVMeは使えない】

Z77でNVMe対応は稀少
NVMe SSDからOSが起動できるUEFIを公開している旧世代のマザーボードは少ない。ASRockのZ77 Extreme4はその一つだ

 古いチップセットのマザーボードでもPCI Express接続のNVMe SSD(M.2→拡張カード変換含む)は使用できるように思えるが、それはデータ保存用に限られる。OS起動用としては使えないものがほとんど。原因はNVMe SSDからの起動にUEFIが対応していないため。最新の9シリーズチップセット搭載マザーは問題ないが、2世代前の7シリーズともなると対応製品はぐっと減る。

 Intel SSD 750のように、独自のROMを搭載することで起動できるマザーを増やしている例もあるが、過信は禁物。NVMe SSDの導入を考えているなら、UEFIの対応を確認しておこう。

旧SSD+HDDから最新SSDやHDDに乗り換え

 5、6年前のSSDは120~240GBが主流なので、データ保存用としてHDDを組み合わせて使用するのが一般的だった。ここでは、その環境からのアップグレードを検討していく。モデルケースとして、256GBのSSDと500GBのHDDを組み合わせて使用していたとする。

 この場合、まず提案したいのが1TBクラスのSSDへの乗り換えだ。SSDとHDDすべてのデータを1台のSSDにまとめられるのが最大のメリット。SSDがHDDより高速なのは当たり前、さらに5、6年前のSSDよりも速度は1.5倍~2倍と速いため、マザーボードやCPUがそのままでもOS起動速度やレスポンスの向上が期待できる。

 アップグレードの予算を絞りたいなら、SSDだけの交換がよいだろう。その場合はOSとアプリのインストール用としては十分な容量である500GBクラスがターゲット。旧HDDはデータ保存用としてそのまま活かそう。

 1TBクラスのSSDとアップグレード予算が同程度で、容量を重視するなら、500GBクラスのSSDと4TBのHDDの組み合わせ。SSDの登場で、ユーザーがHDDに速度よりも静音性や耐久性を求める傾向にあるとはいえ、旧世代のHDDよりも最新HDDのほうが圧倒的に高速。しかも動作音も静かだ。容量に不満がなくてもHDDのカリカリという動作音が気になるなら、回転数が5,000rpm台の静かな最新HDDへの乗り換えを検討するのもよいだろう。

【古いマザーボードのSerial ATAにはご注意!】

CrystalDiskMark 5.1.2

 最新2.5インチSSDへの乗り換え時にはチップセットによる速度の制限に注意したい。Intel 5シリーズ以前ではSerial ATAポートの最大転送速度が3Gbpsにとどまる。そのため、6Gbpsの速度を保つ最新SSDの性能を引き出せないのだ。

 しかし、3Gbpsで接続しても最新SSDは旧世代SSDより高速な場合が多く、メリットも大きい。3Gbps環境では速度の頭打ちを考慮して、容量単価でSSDを選ぶのがよいだろう。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-3770K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK P8Z77-V DELUXE(Intel Z77)
メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)
電源:玄人志向 KRPW-L5-600W/80+(600W、80PLUS Standard)
OS:Windows 10 Pro 64bit版

【問い合わせ先】

Micron Technology:-/http://jp.crucialproducts.com/
SanDisk:0120-89-3009(サンディスク)/http://www.sandisk.co.jp/
Western Digital:0120-994-120 /http://www.wdc.com/jp/


[Text by 芹澤正芳]


DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】

★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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