パワレポ連動企画
創刊30周年記念!PCパーツの歴史を振り返る「DOS/Vパーツ年表」
DOS/V POWER REPORT 2021年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年1月18日 07:05
DOS/V POWER REPORTは、この2021年秋号で創刊30周年を迎えました。30年の長きに渡って刊行を続けてこられたのはひとえに多くの読者のみなさんの支持があってのこと。
その感謝の意を込めて、本誌が30年ともに歩んできたDOS/V互換機およびPCパーツ関連の歴史を、手軽に総覧できる年表にまとめました。変わり続けること、変えてはいけないこと。これらのバランスを取りながら切る、31回目のスタートにもぜひご期待ください。
〜1990 本誌創刊前夜
1970年代後半から始まった日本のパソコンの歴史は、のちの“国民機”NEC PC-9801の発売で大きく加速する。一方アメリカでは、PC/AT互換機と呼ばれるコンピュータがデファクト・スタンダードの地位を確立。汎用のパーツを組み合わせることで低価格化に成功、台湾を中心に多くの部品メーカーが産声を上げた。
1982
- Intelがx86アーキテクチャのCPU「80286」を発表
- MicrosoftがIBM-PC用に提供していたOS「PC-DOS」を「MS-DOS」としてOEM供給を開始
- NECが「PC-9801」を発売
1983
- 「カノープス電子」(現MEDIAEDGE)設立
- 任天堂が「ファミリーコンピュータ」を発売
1984
- Appleが初代Macintoshの「Macintosh 128K」を発売
- IBMがPC/AT互換機の元祖となるPC/AT機「The Personal Computer for Advanced Technologies 5170」を発売
1985
- Intelがx86アーキテクチャ対応の32bit CPU「80386」を発表
- 「ATI Technologies」設立
- MicrosoftがOS「Windows 1.0」を発売
1986
- 「GIGA-BYTE TECHNOLOGY」設立
- 「Micro-Star International」設立
1987
- シャープが「X68000」を発売
- MicrosoftがOS「Windows 2.0」を発売
1988
- 「Cyrix」設立
- 拡張バス規格「EISA」が策定
- MicrosoftがOS「Windows 2.0 日本語版」(NEC PC-98版)を発売
1990
- IBMが日本でPC/AT互換機の普及するきっかけとなったOS「DOS J4.0/V」を発売→「DOS/V」として人気に
- エプソンが「PC-286C」を発売
1991 〜1995 “DOS/V互換機”の誕生
専用のハードウェアを用いることなくソフトウェアだけで日本語(漢字)を表示できる「DOS/V」の登場により、性能のわりに安価なPC/AT互換機を個人輸入するようなパワーユーザーが出現。専門誌やPCパーツショップの登場により敷居は下がり続け、Windows 95の登場でDOS/V互換機は飛躍する。
1991
- 不定期のムックとして「DOS/V POWER REPORT」創刊(ラジオ技術社 刊)
- MicrosoftがOS「Windows 3.0 日本語版」を発売
- IBMがOS「DOS J5.0/V」を発売
- 日本アイ・ビー・エムを中心にOADG(PCオープン・アーキテクチャー推進協議会)が発足(3月)
- AMDがx86互換CPU「Am386」を発売
- MicrosoftがOS「MS-DOS 5.0」を発売
1992
- Compaqが日本市場に参入
- 株式会社インプレス創立
- MicrosoftがOS「Windows 3.1 日本語版」を発売
- CyrixがCPU「Cx486SLC」を発表
- 拡張バス規格「VL」が策定
- 「VIA Technologies」設立
1993
- AMDがx86互換CPU「Am486」を発表
- IntelがCPU「Pentium」の出荷を開始
- 拡張バス規格「PCI」が策定
- MicrosoftがOS「MS-DOS 6.2/V」を発売
- 「NVIDIA」設立
1994
- MicrosoftがOS「MS-DOS 6.22」を発売
- 「3dfx Interactive」設立
1996 〜2000 PC自作ブーム到来!
インターネットの普及とともに、各地の電気街ではPCパーツを扱うショップが増えていった。
そんな中、規定以上のクロックで動作させる「オーバークロック」によって性能を大幅に伸ばすことができるCeleron 300AMHzが登場し、PC自作が一躍脚光を浴びることに。
1996
- AMDがx86互換CPU「K5」を発売
- 拡張バス規格「AGP」が策定
- 汎用インターフェース規格「USB 1.0」が策定
- MicrosoftがOS「Windows NT4.0 日本語版」を発売
1998
- AMDがCPU「K6-2」を発売
- MicrosoftがOS「Windows 98 日本語版」を発売
- Microsoftがゲーム用API「DirectX 6」を発表
- IntelがCPU「Celeron 300AMHz」を発売
- Appleがディスプレイ一体型マシンの「iMac」を発表
1999
・IntelがCPU「PentiumⅢ」を発売
・3dxfがSLI(Scan Line Interleave)対応のGPU「Voodoo2」搭載ビデオカードを発売(→一部で熱狂的な人気を博す)
・AMDが浮動小数点演算に優れるCPU「Athlon」を発表
・NVIDIAがハードウェアT&Lを搭載したGPU「GeForce 256」を発表
・MicrosoftがOS「Windows 98 Second Edition 日本語版」を発売
2000
- MicrosoftがOS「Windows 2000 Professional日本語版」を発売
- AMDがCPU「Athlon 1GHz」の単体販売を開始
- ATIがCharisma Engineを搭載するGPU「Radeon 256」を発表
- IntelがCPU「PentiumⅢ 1GHz」の単体販売を開始
- MicrosoftがOS「Windows Millennium Edition 日本語版」を発売
- IntelがNetBurstアーキテクチャを採用するCPU「Pentium 4」を発表
- VIAがCPU「Cyrix Ⅲ」を発表
- ストレージインターフェース「Serial ATA 1.0」が策定
2001 〜2005 ビデオカードの隆盛
2000年代に大きく発展したジャンルと言えばビデオカードをおいてほかにない。Microsoftのゲーム用API「DirectX」がPCゲームの映像表現の幅と互換性を広げ、NVIDIAとATIの2大GPUメーカーがそれを支援するサイクルが噛み合い、ユーザーに新たな体験を与え続けた。
2001
- NVIDIAが「GeForce3シリーズ」を発表
- ATIが「RADEON 8500/7500」を発表
- Maxtorが初の100GBの大台を達成したHDD「4W100H6」を発売
- カノープスがテレビキャプチャカード「MTV-1000」を発売
- Microsoftがカーネルを一新したOS「Windows XP」を発売(→NT系と統合され安定性が向上)
2002
- NVIDIAが「GeForce4シリーズ」と「GeForce FXシリーズ」を発表
- ATIが「RADEON 9000シリーズ」を発表
- カノープスがテレビキャプチャカード「MTV-2000」を発売
- IntelがHyper-Threading対応の「Pentium 4 3.06GHz」を発表
- 「ASRock」設立
- VIAが提唱するMini-ITX規格に準拠した初のマザーボード「EPIA-E533」発売
- 拡張バス規格「PCI Express」が策定
- MicrosoftがShader Model 2.0採用のAPI「DirectX 9」を発表(→古いゲームを遊ぶのに今も必要)
2003
- Western Digitalが世界初の10,000rpmを達成したSerial ATA対応HDD「WD Raptor」を発売
- AMDがサーバー・ワークステーション向けのCPU「Opteron」を発表
- AMDが64bit対応CPU「Athlon 64」と「Athlon 64 FX」を発表
2004
- NVIDIAが「GeForce 6000シリーズ」を発表
- IntelがPrescottコアのLGA775版「Pentium 4」を発表、対応マザーボードではPCI Expressスロットが初実装
- MicrosoftがOS「Windows XP Media Center Edition 2005」を発売
- AOpenがPentium M(→低発熱のモバイル系CPU。その後Core Solo/Duoに発展)対応のマザーボード「i855GMEm-LFS」を発売
2006 〜2010 CPUコア数競争がスタート
PrescottコアのPentium 4でリーク電流にさんざん苦しめられたIntelだが、2000年代後半にリリースした「Coreマイクロアーキテクチャ」で大逆転。
ATIを買収するなど絶好調だったAMDは逆に、Phenomシリーズのリリース以後、長い低迷期に入ることになる。
2006
- Seagateが垂直磁気記録に対応したHDD「Barracuda 7200.10」を発表
- AMDがATIを約54億ドルで買収すると発表
- IntelがCoreマイクロアーキテクチャを採用したデュアルコアCPU「Core 2 Duo」を発売
- AppleがIntelのCore 2 Duoを搭載した「iMac」を発売
- Microsoftが3D API「DirectX 10」を発表
- NVIDIAが初のDirectX 10対応GPU「GeForce 8800」シリーズを発表
2007
- IntelがクアッドコアCPU「Core 2 Quad」を発表
- Appleがスマートホンの初代「iPhone」を発表
- HGSTが1TB HDD「Deskstar 7K1000シリーズ」を発表
- MicrosoftがOS「Windows Vista日本語版」を発売
- Samsungが世界初のハイブリッドSSD「MH80」の出荷を開始
- AMDがK10アーキテクチャを採用したCPU「Phenomシリーズ」を発表
2008
- NVIDIAが「GeForce GTX 200シリーズ」を発表
- AMDが「ATI Radeon HD 4000シリーズ」を発表
- Intelが同社初のネイティブクアッドコアのCPU「Core i7シリーズ」を発売
2009
- AMDが45nmのクアッドコアCPU「PhoenomⅡ X4」を発表
- IntelがLGA1156対応の「Core i7/i5」を発売
- アースソフトがテレビチューナーカード「PT2」発売(→デジタル放送の録画に大活躍)
- MicrosoftがOS「Windows 7 日本語版」を発売
2010
- Intelが6コアCPU「Core i7-980X Extreme Edition」を発表
- AMDが6コアCPU「PhenomⅡ X6」を発売
- AMDが「ATI Radeon」などのブランドを廃止しGPUのブランドも「AMD」に統一
- NVIDIAが「GeForce GTX 580」を発表
- AMDが「Radeon HD 6970」を発表
2011 〜2015 ゆるやかに変化する成熟期
Intelが2011年に発売したSandy Bridgeは、CPUコアと同一のダイにGPUを搭載し、キャッシュ間をリングバスでつなぐなど、その構造は現在のCPUの原型と言える。動作クロックは4GHz後半で頭打ちとなり、コア数の増加と処理効率の向上が至上命題となった。
2011
- IntelがコードネームSandy Bridgeこと「第2世代Coreプロセッサー」を発表
- AMDがBulldozerアーキテクチャを採用したCPU「FXシリーズ」を発表
- IntelがLGA2011を採用したCPU「Core i7-3960X Extreme Edition」を発表
- AMDが業界初の28nmプロセスGPU「Radeon HD 7970」を発表
2012
- NVIDIAが「GeForce GTX 680」を発表
- AMDがx86系CPUとして初めて4GHzを超えたCPU「FX-4170」を発売(→しかしTDPは125Wにアップ)
- IntelがIvy Bridgeこと「第3世代Coreプロセッサー」を発売
- Microsoftがタッチ操作向けを意識した“新しいUI”採用のOS「Windows 8 日本語版」を発売
2013
- NVIDIAがハイエンドGPU「GeForce GTX TITAN」を正式発表
- NVIDIAがGPU「GeForce 700シリーズ」を発表
- AMDがCPU「Aシリーズ」、「Eシリーズ」を発表
- IntelがコードネームHaswellこと「第4世代Coreプロセッサー」を発表
- Samsungが一般向けとしては初の1TB SSD「840 EVO」を発売
- AMDがGPU「Radeon R9/R7 200シリーズ」を発表
- HGSTがヘリウムガスを注入した初の6TB HDDを出荷開始
2014
- AMDが動作クロックが最高5GHzのCPU「FX-9590」を発売(→TDP 220Wの記録はいまだ破られず)
- NVIDIAが新アーキテクチャMaxwellを採用したGPU「GeForce GTX 750/750 Ti」を発表
- NVIDIAがGPU「GeForce 900シリーズ」を発表
- Samsungが世界初のPCI Express 2.0接続のSSD「XP941」を発売
2016〜2021そして現在へ
ここ数年で最大のインパクトがあった製品と言えば、AMDのRyzen/Ryzen Threadripperシリーズと
リアルタイムレイトレーシングをサポートしたNVIDIAのGeForce RTX 20シリーズではないだろうか。
プロセス移行に問題を抱えていたIntelの視界もクリアになりつつあり、逆襲の機会をうかがっている。
2016
- AMDが初のSocket AM4対応APU「A12」、「A10」シリーズを発表
- IntelがKaby Lakeこと「第7世代Coreプロセッサー」を発表
- IntelがLGA2011-v3を採用した10コアCPU「Core i7-6950X」を発表
- NVIDIAがPascalアーキテクチャの「GeForce GTX 10シリーズ」を発表
- AMDがGPU「Radeon RX 400シリーズ」を発表
2017
- Intelが初のLGA2066対応CPU「Core Xシリーズ」を発表
- IntelがCoffee Lakeこと「第8世代Coreプロセッサー」を発表
- AMDがZenアーキテクチャの新CPU「Ryzenシリーズ」を発表
- AMDが最大16コアのCPU「Ryzen Threadripperシリーズ」を発表
- AMDがHBM2採用のGPU「Radeon RX Vegaシリーズ」を発表
- Intelが3D XPoint採用M.2接続のHDDキャッシュ「Optane Memory」発表
- この頃からRGB LEDを搭載したマザーボードやCPUクーラーが急増
2018
- IntelがCoffee Lake Refreshこと「第9世代Coreプロセッサー」を発表
- AMDがZen+アーキテクチャの「第2世代Ryzen」を発表
- NVIDIAがリアルタイムレイトレーシングを初めてサポートした
- 「GeForce RTX 20シリーズ」を発表
2019
- AMDがZen 2アーキテクチャの「第3世代Ryzen」を発表。最大16コアへ
- 第3世代Ryzen向けのX470搭載マザーボードがPCI Expresss 4.0に対応
- PCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDを各社が発表
- AMDが最大32コアのCPU「第3世代Ryzen Threadripperシリーズ」を発表
- AMDがRDNAアーキテクチャのGPU「Radeon RX 5000シリーズ」を発表
- NVIDIAが「GeForce GTX 16シリーズ」を発表
2020
- IntelがComet Lakeこと「第10世代Coreプロセッサー」を発表(→隙のない速さで現在一番人気)
- AMDがZen 3アーキテクチャ採用の「Ryzen 5000シリーズ」を発表
- Appleが独自開発のSoC「M1」を搭載した「MacBookシリーズ」を発表
- NVIDIAが「GeForce RTX 30シリーズ」を発表
- AMDが「Radeon RX 6000シリーズ」を発表
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今回は、DOS/V POWER REPORT「2021年秋号」の記事をまるごと掲載しています。
なお、最新号「DOS/V POWER REPORT 2023年冬号」では、年末恒例の「PCパーツ100選 2023」を総力特集。また、本特集では、PCパーツ選びの最新基準を徹底解説!是非ご覧ください!