パワレポ連動企画

Intel Arc A380の参加で勢力図はどう変わる?「KTU presents GPU Round-Robin Benchmark Round 10」

DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!

Intel Arc A380の参加で勢力図はどう変わる?

 今回はIntelのディスクリートGPU「Arc A380」が追加された。まず定番の「3DMark」では、Fire Strike系ではRX 6400のやや下程度だが、Time SpyではA380が逆転。さらにPort RoyalではRX 6500 XTの3倍近いスコアを出せているなど、A380はDirectX 12 Ultimate対応のエントリーGPUとして十分期待でき「そうに見える」。

 一方、NVIDIA「PCAT」で測定するゲーム中のTBPの実測によると、A380の最大値は84Wをマーク。補助電源が必須であることが示されている。

描画負荷の軽いeスポーツ系FPS

エントリークラスのGPUでもプレイできるタイトル2種のテストについてはArc A380も善戦。Vulkan APIでのR6Sは快適にプレイできそうだ

 本連載のデータは2022年冬号以降に取得したデータを継承するため、Arc A380以外の性能序列に変更はない。とくに描画負荷の軽い「レインボーシックス シージ」では、エントリー~ミドルレンジのGPUであればWQHDでも高fpsが期待できる。

 今回新規追加されたArc A380はGTX 1650やRX 6400をやや上回る性能を発揮。ただし「Apex Legends」ではメモリバスに響くのか、GTX 1650やRX 6400と大きく差が付く結果となった。A380の実用設定はフルHD+画質中程度と見るべきだろう。

GPUの限界が試される重量級ゲーム

Halo Infiniteはゲーム側で直接画面解像度を操作できないため、Windowsからデスクトップ解像度をつど変更してテストを実施している

 GPU負荷の高い「Forza Horizon 5」、「Halo Infinite」でもArc A380のポジションに大きな変化はない。だが、Forza Horizon 5では、RX 6400やRX 6500 XTのようなPCI Expressのリンク幅やメモリバス幅を極端に絞ったGPUと比較すると、A380は解像度WQHD~4Kにおいてフレームレートが激しく低下しないという特徴も。A380クラスでは非推奨の解像度だが、メモリバス幅の太さの重要度がよく分かる。一方、Halo Infiniteはそれほど効果がないようで、今回は全GPU中最下位の結果に。

DXR(DirectX Raytracing)対応ゲームでの実力

 「ファークライ6」、「サイバーパンク2077」はレイトレを有効化して検証するが、アップスケーラ(FSR/DLSSなど)は未使用だ。A380には厳しい設定だが、ファークライ6は予想外に高いフレームレートを示している。A380は同じビデオメモリ6GBのRTX 2060の2倍以上になるのは最後発ならではの強みと言えるかもしれない(ドライバの出来を考えるとにわかには信じ難いものがあるが……)。

 一方、負荷の高いサイバーパンク2077では大苦戦となったが、これはA380のメモリバスの狭さが原因と考えられる。

今回使用したビデオカード
新顔のArc A380は参入するメーカーが現時点では少なめ。今回はASRock製品を使用した
【検証環境】
CPUIntel Core i9-12900K(16コア24スレッド)
マザーボードASRock Z690 PG Velocita(Intel Z690)
メモリKingston FURY Beast KF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSDCorsair CSSD-F1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0x4)、1TB]
データSSDSilicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro
Total Board Powerレインボーシックス シージ(フルHD、画質“最高”+レンダースケール100%設定で実行)でカスタムゲームを作成、同じシーンでのTBPをNVIDIA「PCAT」で計測した最大と平均
アイドル時OS起動10分後の安定値
レインボーシックス シージAPIはVulkan、画質“最高”+レンダースケール100%+Refl ex “OFF”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
Apex Legends画質最高設定+Refl ex “OFF”、起動オプション「+fps_max unlimited」を追加して起動し、射撃訓練場における一定の動作をした際のフレームレートを「CapFrameX」で計測
Forza Horizon 5画質“エクストリーム”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
Halo Infi nite画質“ウルトラ”+非同期コンピューティングをONに設定。マップ“Fragmentation”内の一定のルートを移動する際のフレームレートを「CapFrameX」で計測
ファークライ6画質“最高”+高解像度テクスチャ+レイトレーシングおよびVRSをすべて有効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
サイバーパンク2077画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースにDLSSを無効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測

[TEXT:加藤勝明]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年秋号」の記事をまるごと掲載しています。

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