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【PC自作の新常識】今、電源を選ぶ際の注意点は?
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年3月8日 09:05
Q、今、電源を選ぶ際の注意点は?
電源の最新トレンドを知ろう
A、ハイエンドでは消費電力が増大傾向 12VHPWR端子、新たな認証規格も
- CPUやGPUの消費電力は増大傾向
- PCI Express 5.0ビデオカード用に12VHPWRコネクタが登場
- ETA、RAMBDAという新たな認証を取得する製品が登場
ハイエンドは消費電力が増大傾向。メインストリームも750Wクラスへ!?
現在、ハイエンドPCパーツでは電力と引き換えに性能を引き上げる傾向にある。ビデオカードを搭載するとPCの最大消費電力が増え、ハイエンドではとくに顕著となるのは従来同様。8ピン補助電源端子を三つ(最大450W)用いる製品もめずらしくなくなったが、今後は1口で最大600Wを供給可能な12VHPWR端子が普及の兆しを見せている。
CPUではとくに第12世代Coreでブースト時の電力が大きい。第13世代ではどうなるのか、あるいはRyzen 7000シリーズはどうなるのか。ブースト勝負になるハイエンドCPUでは電力が拡大する方向性が続くだろう。
こうした流れから、ハイエンドでは1,000W超の電源が求められるようになってきた。ミドルレンジはビデオカードしだい。RTX3060ならまだ650Wクラスでよいが、3060Ti以上は750W、850Wを組み合わせたい。
ATX 3.0対応、12VHPWR端子搭載製品が登場
ATX 3.0規格ではいくつかの仕様が追加されたが、注目はPCI Express 5.0(主にビデオカード)向けの仕様だ。12VHPWR端子は1口で最大600Wを供給でき、カード側のコネクタ(従来よりスリムな12ピン)は1系統なので配線はシンプルになる。
玄人志向の「KRPW-PA1000W/92+」はこのATX 3.0準拠。この製品の12VHPWRケーブルは、プラグイン端子2口を利用し一つの12VHPWR端子を利用できる。
最近採用が増えてきた80PLUS以外の認証規格
80PLUSは長らくPC用電源の変換効率を示す唯一の認証だったが、ここに来てCybeneticsの「ETA」という認証の取得をアピールする製品が登場した。ETAではBronzeからTitaniumの上にDiamondを加えた6グレードを設定している。変換効率の点では、数値上80PLUSの基準に近いが、80PLUSが特定の負荷率での値を採用しているのに対し、ETAは電源の動作範囲全体を評価対象としている。
計測時の環境温度も、80PLUSでは23℃(よい結果が出やすい)としているのに対し、Cybeneticsではチャンバーを用い、ケース内温度に近い30℃環境を作り出しているのも特徴。そして、「力率」や「5VSBの効率」、スタンバイ時の「待機電力」も評価基準に加えている。EN 50564:2011やIEC62301など、欧米の省エネ基準をベースとした基準だ。このように80PLUSよりも厳格な検証、新しい省エネ基準を盛り込んだのがCybenetics ETAだ。
また、このCybeneticsでは変換効率のETAに加えて動作音の認証「LAMBDA」も扱っている。製品ごと各社dB値を公表しているものの、自社計測や第三者機関など、実施方法や測定の諸条件はさまざまだ。Cybeneticsという一つの組織で計測された値であれば製品間の比較がしやすい。今後認証を取得した製品が増えることを期待したい。
[TEXT:石川ひさよし]
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