パワレポ連動企画
Thunderbolt 4とUSB4は同じ?【もっと知りたい人のためのよくある質問と回答】
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年6月6日 09:05
A 機能面の仕様に違いはあるが互換性はある
最近、ノートPCや高機能マザーボードには外部インターフェースとしてUSB4やThunderbolt 4が搭載されることが増えています。どちらもType-Cコネクタを採用しており、パッと見ただけでは分かりませんが、プラグ部分にThunderboltならカミナリマークと「4」という数字が、USBは「40」や「20」といった数字にUSBをイメージしたマークが描かれています。どちらも同じプロトコルを使っているので基本的な部分は同じですが、Thunderboltのほうがより高機能な規格になっているのが特徴です。
USB4はIntelやApple、Microsoftなどを含む多くの企業が名を連ねる「USB-IF」という団体が規格を策定していますが、ThunderboltはIntelとAppleが高速データ転送規格であるIEEE1394の後継として策定しました。機能面での大きな違いとしては、USB4では4K解像度1台までなのに対し、Thunderbolt 4はディスプレイ出力が8K解像度なら1台、4K解像度なら2台まで出力が可能となっていることが挙げられます。また、USB4では二つのデータ転送の仕様(USB4 Gen 2x2が20Gbps、USB4 Gen3× 2が40Gbps)があるのに対し、Thunderbolt 4では40Gbpsのみです。加えて、32GbpsのPCI Express接続のデバイスもサポートしています。セキュリティ面においても、PCI Expressの通信で使われるDMA(Direct Memory Access)を悪用した攻撃を防ぐために、Directed I/O向けの仮想化技術「Intel VT-d」をサポートし、OSとUEFIによるDMA保護が行なえます。規格で決められたケーブル長の上限もUSB4(Gen 3)が0.8mなのに対し、Thunderbolt 4は2mである点も優れています。
ユーザーからするとUSB4とThunderbolt 4の違いを意識して使う必要がありそうですが、多くの機器はUSB4やThundebolt 4のコネクタにケーブルを挿すと、接続先のデバイスと使用しているケーブルの規格に合わせて最適な接続方法を選択してくれます。たとえば、Thunderbolt 4にUSB3.1の外付けSSD/HDDを接続すれば、USB 3.1の10Gbpsで動作します。逆に、USB4にThunderbolt 3デバイスを接続した場合は、機器がThunderbolt 3に対応(USB4ではオプション扱い)していれば使うことができます。
USB4やThunderbolt 4の性能をフルに発揮させるためには、接続先のデバイスとケーブルをしっかりとチョイスする必要があります。とくに注意したいのが、USB4用のケーブルには1レーンあたりの伝送速度の違いで対応速度が20Gbpsと40Gbpsの2種類が混在していることです。さらにUSB PD対応であっても100W対応の製品もあれば、60Wまでといった違いもあります。一方のThunderbolt 4対応ケーブルはすべて40Gbps、100W対応なので迷わずに済みます。購入に悩んだ際は、値は張りますが認証マークの付いたThunderbolt 4ケーブルを入手しておけば間
違いありません。
USB4 Gen 2x2 | USB4 Gen 3×2 | Thunderbolt 4 | |
最大転送速度 | 20Gbps | 40Gbps | 40Gbps |
PCI Express最大転送速度 | ━ | ━ | 32Gbps |
ディスプレイの接続可能台数 | 1台(4K解像度まで) | 1台(4K解像度まで) | 1台(8K解像度)2台(4K解像度) |
電力の最小供給能力 | 7.5W※ | 7.5W※ | 15W※ |
USBとの下位互換 | あり | あり | あり |
Thunderboltとの下位互換 | オプション | オプション | あり |
最大伝送距離 | 2m | 0.8m | 2.0m |
※USB PD(USB Power Delivery)非対応の場合
6/6 13:56 USB4 Gen 2x2の表記など、初出時の内容に一部誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
[回答者:野村晋也]
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