パワレポ連動企画
史上最強級のゲーミングCPU「Ryzen 9 7950X3D」【PC PARTS SCRAMBLE CPU編】
DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!
2023年10月6日 07:05
ゲームで効果絶大の3D V-Cacheを搭載した史上最強級のゲーミングCPU
こんなユーザーにオススメ
・ゲームのフレームレートを稼ぎたい
・動画・CG系の処理も快適にしたい
・ゲームの裏で別の処理もたくさんさせたい
「Ryzen 9 7950X3D」は、Zen 4世代で“PCゲーミング超特化CPU”に位置する「Ryzen7000X3Dシリーズ」の最上位モデル。基本構造はRyzen 9 7950Xと同じCCD2基+IOD1基だが、片方のCCD(CCD0)にのみ64MBの3D V-Cacheが追加されており、もう一方(CCD1)は7950Xと同じCCDが搭載されている。Ryzen 9 7950Xに比べるとTDPやベースクロックが下げられているが、最大ブーストクロックは同じ仕様だ。
Ryzen 9 7950X3Dのパフォーマンスを引き出すには、ゲームは3D V-Cacheが存在するCCD0側で動かす必要がある(ごく一部例外もある)。ここでAMDがうまいのはゲームか否かを判断する機能はWindowsの“Windowsゲームモード”に委ねている点だ。Windowsゲームモードに登録されている実行ファイル名と同じアプリならば“CPPC Preferred Cores”の優先順位が変更され、CCD0側のコアが優先して使われる(=ゲームの処理を優先)。そうでない場合はクロックの高いCCD1側が優先して割り当てられる。
この特殊な挙動を成立させるには、UEFIと最新チップセットドライバ、さらにWindows側もXbox Game Barの更新などの下準備が必要になる。一見複雑そうだが、UEFIとドライバだけ準備しておけば、あとはWindowsアップデートを含めしばらく放置しておけば達成することが可能なので、実はそれほど難解ではない。
性能評価では、Ryzen 9 7950XとCore i9-13900Kを比較対象として実施したが、ゲーム以外の性能はTDPやCCD0側のクロックが低い分、基本的にRyzen 9 7950Xよりやや下だ。しかし、ゲームではCore i9-13900Kよりも20%前後高いフレームレートを叩き出す。しかも消費電力の目安となるベンチマーク中のCPU Package Powerの値はCore i9-13900Kよりも30〜40%少ない(効果がないゲームもある)。
ゲームだけの費用対効果で考えれば2023年4月に登場する見込みのRyzen 7 7800X3Dに分がありそうだが、7950X3Dはコア数の多さから、ゲームだけでなく動画編集などのクリエイティブな作業にも強い。
製品名 | Ryzen 9 7950X3D | Ryzen 9 7950X | Ryzen 9 7900X3D | Ryzen 9 7900X |
---|---|---|---|---|
コア数/スレッド数 | 16C/32T | 16C/32T | 12C/24T | 12C/24T |
定格/最大ブーストクロック | 4.2GHz/5.7GHz | 4.5GHz/5.7GHz | 4.4GHz/5.6GHz | 4.7GHz/5.6GHz |
3次キャッシュ | 128MB | 64MB | 128MB | 64MB |
対応メモリ | DDR5-5200/2ch | DDR5-5200/2ch | DDR5-5200/2ch | DDR5-5200/2ch |
倍率アンロック | ○ | ○ | ○ | ○ |
PCI Express | 24レーン(Gen5) | 24レーン(Gen5) | 24レーン(Gen5) | 24レーン(Gen5) |
内蔵GPU(最大クロック) | Radeon(2.2GHz) | Radeon(2.2GHz) | Radeon(2.2GHz) | Radeon(2.2GHz) |
コードネーム | Raphael AM5 | Raphael AM5 | Raphael AM5 | Raphael AM5 |
TDP | 120W | 170W | 120W | 170W |
実売価格 | 112,000円前後 | 90,000円前後 | 96,000円前後 | 72,000円前後 |
マザーボード | <Socket AM5>ASUSTeK ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI(BIOS0705)(AMD X670)、<LGA1700> ASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(BIOS0502)(Intel Z790、DDR5) |
メモリ | G.Skill Trident Z5 NEO F5-6000J3038F16GX2-TZ5N(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※各CPUの定格で動作) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 3080 Founders Edition |
システムSSD | Corsair CSSDF1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB] |
データSSD | Silicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB] |
電源 | Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum) |
OS | Windows 11 Pro(22H2) |
オーバーウォッチ 2 | マップ“Eichenwalde”におけるbotマッチ観戦中のフレームレートを「FrameView」で計測 |
ホグワーツ・レガシー | ホグワーツ城南から場内へいたる一定のコースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で計測 |
ベンチマーク中のCPU Package Power | フレームレート計測時のCPU Package PowerをFrameViewのログから取得 |
[TEXT:加藤勝明]
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