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史上最強級のゲーミングCPU「Ryzen 9 7950X3D」【PC PARTS SCRAMBLE CPU編】

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

ゲームで効果絶大の3D V-Cacheを搭載した史上最強級のゲーミングCPU

Advanced Micro Devices Ryzen 9 7950X3D 実売価格:112,000円前後
コア数/スレッド数:16コア/32スレッド●定格/最大ブーストクロック:4.2GHz/5.7GHz●3次キャッシュ:128MB●対応メモリ:DDR5-5200/2ch●倍率アンロック:対応●PCI Express:24レーン(Gen5)● 内蔵GPU( 最大クロック):Radeon(2.2GHz)●TDP:120W

こんなユーザーにオススメ

・ゲームのフレームレートを稼ぎたい
・動画・CG系の処理も快適にしたい
・ゲームの裏で別の処理もたくさんさせたい

 「Ryzen 9 7950X3D」は、Zen 4世代で“PCゲーミング超特化CPU”に位置する「Ryzen7000X3Dシリーズ」の最上位モデル。基本構造はRyzen 9 7950Xと同じCCD2基+IOD1基だが、片方のCCD(CCD0)にのみ64MBの3D V-Cacheが追加されており、もう一方(CCD1)は7950Xと同じCCDが搭載されている。Ryzen 9 7950Xに比べるとTDPやベースクロックが下げられているが、最大ブーストクロックは同じ仕様だ。

「CPU-Z」でキャッシュ構成を見ると、L3だけ「96MB+32MB」という構成になっているが、多いほうがゲーム向けのCCD0、少ないほうがCCD1であることを示している

 Ryzen 9 7950X3Dのパフォーマンスを引き出すには、ゲームは3D V-Cacheが存在するCCD0側で動かす必要がある(ごく一部例外もある)。ここでAMDがうまいのはゲームか否かを判断する機能はWindowsの“Windowsゲームモード”に委ねている点だ。Windowsゲームモードに登録されている実行ファイル名と同じアプリならば“CPPC Preferred Cores”の優先順位が変更され、CCD0側のコアが優先して使われる(=ゲームの処理を優先)。そうでない場合はクロックの高いCCD1側が優先して割り当てられる。

PCI Express Gen5やDDR5の採用を盛り込んだSocket AM5用のCPUであるため、旧世代Ryzenユーザーの買い換えは大仕事だが2025年以降も使われるためマザーやメモリは長く使える
ヒートスプレッダがCPUの上に“覆いかぶさっているだけ”の構造は既存のRyzen 7000シリーズと同様。グリスを薄く均一に塗るのに不安があるなら、市販のはみ出し防止プレートを使おう

 この特殊な挙動を成立させるには、UEFIと最新チップセットドライバ、さらにWindows側もXbox Game Barの更新などの下準備が必要になる。一見複雑そうだが、UEFIとドライバだけ準備しておけば、あとはWindowsアップデートを含めしばらく放置しておけば達成することが可能なので、実はそれほど難解ではない。

 性能評価では、Ryzen 9 7950XとCore i9-13900Kを比較対象として実施したが、ゲーム以外の性能はTDPやCCD0側のクロックが低い分、基本的にRyzen 9 7950Xよりやや下だ。しかし、ゲームではCore i9-13900Kよりも20%前後高いフレームレートを叩き出す。しかも消費電力の目安となるベンチマーク中のCPU Package Powerの値はCore i9-13900Kよりも30〜40%少ない(効果がないゲームもある)。

より低消費電力で高fpsが出せる

 ゲームだけの費用対効果で考えれば2023年4月に登場する見込みのRyzen 7 7800X3Dに分がありそうだが、7950X3Dはコア数の多さから、ゲームだけでなく動画編集などのクリエイティブな作業にも強い。

代表的なRyzen 7000シリーズの仕様
製品名Ryzen 9 7950X3DRyzen 9 7950XRyzen 9 7900X3DRyzen 9 7900X
コア数/スレッド数16C/32T16C/32T12C/24T12C/24T
定格/最大ブーストクロック4.2GHz/5.7GHz4.5GHz/5.7GHz4.4GHz/5.6GHz4.7GHz/5.6GHz
3次キャッシュ128MB64MB128MB64MB
対応メモリDDR5-5200/2chDDR5-5200/2chDDR5-5200/2chDDR5-5200/2ch
倍率アンロック
PCI Express24レーン(Gen5)24レーン(Gen5)24レーン(Gen5)24レーン(Gen5)
内蔵GPU(最大クロック)Radeon(2.2GHz)Radeon(2.2GHz)Radeon(2.2GHz)Radeon(2.2GHz)
コードネームRaphael AM5Raphael AM5Raphael AM5Raphael AM5
TDP120W170W120W170W
実売価格112,000円前後90,000円前後96,000円前後72,000円前後
【検証環境】
マザーボード<Socket AM5>ASUSTeK ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI(BIOS0705)(AMD X670)、<LGA1700> ASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(BIOS0502)(Intel Z790、DDR5)
メモリG.Skill Trident Z5 NEO F5-6000J3038F16GX2-TZ5N(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※各CPUの定格で動作)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 3080 Founders Edition
システムSSDCorsair CSSDF1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB]
データSSDSilicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro(22H2)
オーバーウォッチ 2マップ“Eichenwalde”におけるbotマッチ観戦中のフレームレートを「FrameView」で計測
ホグワーツ・レガシーホグワーツ城南から場内へいたる一定のコースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で計測
ベンチマーク中のCPU Package Powerフレームレート計測時のCPU Package PowerをFrameViewのログから取得

[TEXT:加藤勝明]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年春号」の記事をまるごと掲載しています。

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