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2023年開始時点のGPU性能を比較する【KTU presents GPU Round-Robin Benchmark Round 11】

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

2023年開始時点のGPU性能を比較する

 今回より2023年1月初頭に登場したGeForce RTX 4070 Tiが検証リスト入りした。本誌2023年冬号時点における検証結果にGeForce RTX 4070 Tiのデータを追加して比較するが、検証時期の関係からRadeon Softwara 23.2.1以降に盛り込まれたRX 6000シリーズにおける性能向上はキャッチアップできていない。この点は次号ですべて新規計測とする予定だ。

 「3DMark」のスコア比較においても新顔であるRTX 4070 TiはRTX 3080どころか3090を完封するパフォーマンスを見せた。そしてゲーム中のカード単体においては、RTX 3080以下の消費電力を示しており、RTX40シリーズのワットパフォーマンスの高さを強く印象付ける結果になった。

高フレームレート命の対戦型FPS

高いフレームレート必須のeスポーツ系タイトル。ゲームにもよるが、新顔が当然の強さを見せる

 まずは高フレームレートが要求されるFPS系ゲームから。前述のとおり前号の検証データを継承しているため、一部の結果は次号で再計測になることをご容赦いただきたい。

 今回の注目株であるRTX 4070 Tiだが、レインボーシックス シージではRTX 3090に全解像度で下回ったが、RTX 3080に対しては終始優位。一方「オーバーウォッチ 2」ではRTX 3090をRTX 4070 Tiが上回る。また非レイトレーシングで強いとされるRX 7000シリーズもオーバーウォッチ 2では伸びきらないなど、GPUのクセが表われている。

描画負荷がやや上がる中量級ゲーム

Radeonが得意とするForza Horizon 5だが、RTX40シリーズは性能の高さで結果を出す

 Call of Duty:Modern Warfare ⅡはとくにRX 7900 XTX/ 7900 XTとの相性がよい。フルHD時のフレームレートはRX 7900 XTXがRTX 4090や4080を押しのけてトップに。最新環境でのデータは本誌p.180でも詳報しているのでご覧いただきたい。

 一方Forza Horizon 5は、RTX 4090がトップだが、RX 6000シリーズも健闘。新顔であるRTX 4070 TiはここでもRTX 3090を上回っている。次号では4月以降に登場すると思しき下位GPUがこのグラフにどんな嵐を巻き起こすかに期待。

レイトレーシング対応ゲームでの実力

今号の新顔ビデオカード
今回追加したRTX 4070 TiはZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OCを使用。上位のAMP Extremeよりも全高が低くて扱いやすい

 最後にレイトレーシングを利用したゲームでの検証となる。AMDのRX 7000シリーズはレイトレ系の強化もウリの一つだが、まだRTX 40シリーズにはおよばない。しかし、F1 22においてはRTX 3080や3090と同等の結果を出している点は評価したい。

 ただ、サイバーパンク2077のように描画処理の負荷が強烈なゲームでは、RX 7900 XTXは格下のRTX4070 Tiに負ける。レイトレにおけるRadeonとGeForceの性能格差を埋めるには、AMDはもうしばらく研鑽する必要がありそうだ。

【検証環境】
CPUIntel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボードASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 HERO(Intel Z790)
メモリG.Skill F5-6000J3038F16GX2-TZ5N(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2 ※DDR5-5600動作)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 4090 Founders Edition、NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition、NVIDIA GeForce RTX 3090 Founders Edition、NVIDIA GeForce RTX 3080 Founders Edition、NVIDIA GeForce RTX 3070 Founders Edition、ZOTAC ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC、GIGA-BYTE GeForce RTX 3050 GAMING OC 8G、NVIDIA GeForce RTX 2060 Founders Edition、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6、AMD Radeon RX 7900 XTX リファレンスカード、AMD Radeon RX 7900 XT リファレンスカード、PowerColor Red Devil Radeon RX 6950 XT 16GB GDDR6、AMD Radeon RX 6800 XT リファレンスカード、ASRock Radeon RX 6750 XT Challenger Pro 12GB OC、ASRock Radeon RX 6650 XT Challenger D 8GB OC、GIGA-BYTE Radeon RX 6600 EAGLE 8G、Sapphire SAPPHIRE PULSE RADEON RX 6500 XT GAMING OC 4GB GDDR6 HDMI/DP、玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LP、Intel Arc A770 Limited Edition、ASRock Arc A380 Challenger ITX 6GB OC
システムSSDCorsair CSSD-F1000GB MP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB]
データSSDSilicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express3.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro
Total Board PowerNVIDIA「PCAT」を使用して計測したカード単体の消費電力
高負荷時サイバーパンク2077を同一地点で5分放置した際の平均値と最大値
アイドル時OS起動10分後の安定値
レインボーシックス シージAPIは“Vulkan”、画質“最高”+レンダースケール100%に設定、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを「CapFrameX」で計測
オーバーウォッチ 2画質“エピック”、FSR “オフ”、フレームレート上限は600fpsに設定、マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを「CapFrameX」で計測
Call of Duty:Modern Warfare II画質“極限”、アンチエイリアス“ウルトラ”、DLSSおよびFSRは“オフ”に設定、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートをCapFrameXで計測
ForzaHorizon 5画質“エクストリーム”、アンチエイリアス“ウルトラ”、DLSSおよびFSRは“オフ”に設定、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートをCapFrameXで計測
F1 22画質“超高”、アンチエイリアス“TAA+FidelityFX”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能(コース設定は“モナコ”& “ウエット”)再生中のフレームレートをCapFrameXで計測
サイバーパンク2077画質“レイトレーシング:ウルトラ”、DLSSおよびFSR 2は“オフ”、群衆密度は最大に設定、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートをCapFrameXで計測

[TEXT:加藤勝明]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年春号」の記事をまるごと掲載しています。

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