パワレポ連動企画
【10年使えるATXケース徹底紹介(2)】
~AeroCool DS 200 / Antec P380・P100編~
(2015/2/2 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集記事をほぼまるごと紹介するこのコーナー、今回は「10年使えるATXケース徹底特集」の第2回目としてAeroCool Advanced Technologiesの「DS 200 Window」とAntecの「P380」、「P100」の検証記事を掲載する。各ケースの寸法や特徴のほか、実際にパーツを組み込んだ状態での様子も掲載してあるのでケース選びの参考にして欲しい。
なお、今回掲載されたケースのうち、Antec P380はこの記事掲載時点(2015/2/2)ではまだ店頭には並んでいない。代理店の株式会社リンクスインターナショナルからは2月7日発売と発表されているので、購入を考えている読者の面々には今しばらく辛抱いただきたい。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年3月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。3月号では本特集のほか、今話題の低価格タブレットPCを筆頭にその魅力に迫る「2万円からのフル機能激安PC選び」、用途・予算に合わせて選ぶ「低価格CPU大全」、髙橋敏也氏による連載記事「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」など、多数の記事を掲載。
今号の特別付録は「使えるPC小物&周辺機器大カタログ」。ちょっと欲しい!今すぐ欲しい!がいっぱい!!の内容だ。
- ATXケースの選び方 2015年版 -
10年使えるATXケース徹底紹介(2)
トレンド機能と独自の個性を融合した密閉型
AeroCool Advanced Technologies DS 200 Window
デザインにさえを見せるAeroCoolから登場した静音性重視の密閉型ケース。丸みを帯びたデザインのフロント/トップカバーにはしっとりとした手触りのラバー質素材を採用している。トップカバー手前に温度を表示するLCDを搭載し、存在感を強烈にアピールする。
密閉構造はかなり徹底しており、底部以外の吸排気口は、フロント/トップカバー端に小さく開けられているのみ。右サイドパネルには遮音シートも貼っている。一方、メッシュ仕様の交換用トップカバーが標準で付属しており、外観を損なうことなくエアフローを改善できる。天板には14c m角ファンを2基、28cmの水冷ラジエータも搭載可能だ。
内部のマザーボードベースには裏面配線用のケーブルホールやCPUクーラーのメンテナンスホールを備える。ドライブケージを外して長い拡張カードを搭載できるなど、最近のトレンドを踏襲した構造だ。剛性や細部の工作精度に若干の甘さは見られるものの、トレンドをうまく取り入れつつ同社らしい個性的な要素もちりばめた優良ケースと言える。
[Text by 鈴木雅暢]
【Specification】
規格:ATX●カラー:ブラック、レッド、オレンジ、ブラック/ホワイト、ブルー、グリーン●付属電源:なし●ベイ:5インチ×1、5インチ×1 / 3.5インチシャドー×1、3.5/2.5インチシャドー×5、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(前面)、12cm角×1(前面、14cm角×1と排他)、14/12cm角×2(天板)●本体サイズ(W × D× H):210×485×527mm●重量:約9.4kg●実売価格:13,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:ポップなカラーのタワー型PCケースが登場、オレンジなど6色(2014/9/20)
【検証結果:静音性は抜群だが温度には注意】
密閉構造を徹底しているだけに静音性は抜群。ファン制御すればアイドル時はほぼ無音の静寂が得られる。一方、温度は密閉型としても高めでとくにGPU温度が高い。テスト構成では危険な水準ではないが、システム構成や使い方(長時間のゲームプレイなど)によっては対策が必要な場合も出てくるだろう。
こう使え!
アルミの一枚板が印象的
自由にPCを作れるプレミアムモデル
Antec P380
P380は、密閉性の高いシャーシを採用して静音性を重視する「Pシリーズ」のハイエンドモデルだ。最近のトレンドを踏まえた便利な機能を数多く備えるのが特徴。
分厚いアルミの一枚板で構成された前面パネルは、Antecのロゴがあるだけのシンプルなデザインだ。電源ボタンやリセットボタンも前面パネルの裏側に隠されている。
フルタワーに近いサイズなので、内部はかなり広い。組み込んだATX対応マザーが、まるでmicroATX対応マザーのように見えた。天板とマザーボード上端の隙間がかなり広いため、ATX/EPS12Vケーブルの接続や、水冷ラジエータの組み込みは楽に行なえる。
8基分の3.5/2.5インチシャドーベイはユニットになっており、分解に手間はかかるが取り外すことが可能。ビデオカード用のスペースとしてもよいし、前面ファン用のスペースに水冷ラジエータを組み込んでもよい。
ファンや水冷キットを増設できるので、冷却の強化も容易であり、サーバーからゲームPCまで、さまざまな構成のマシンを構築できる柔軟性の高いケースである。
[Text by 竹内亮介]
【Specification】
規格:Extended ATX●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチスリム×1、3.5/2.5インチシャドー×8●標準搭載ファン:12cm角×1(背面)、14cm角×2(天板)●追加搭載可能ファン:14cm角×2 / 12cm角×3(前面)、12cm角×3(天板、14cm角×2と排他)●本体サイズ(W×D×H):223.6×557×555mm●重量:約12kg●店頭予想価格:35,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:Antecの静音PCケース「P380」が来週発売、4mm厚のアルミパネル採用 (2015/1/30)
【検証結果:静音性重視の構造だが冷却性能もかなり高い】
CPU温度やGPU温度はかなり低く、トップグループの一角を占める。排気ファンが3基と多めで、前面パネルの隙間や背面の拡張スロット付近から外気を取り込みやすいことが影響しているのだろう。ケースファンは最大回転数だとかなりうるさいが、調整すれば静かになる。冷却性能はほとんど変わらなかった。
こう使え!
シンプルで使い勝手のよい優等生
Antec P100
P180など名作の流れをくむPerformanceOneシリーズのエントリーモデル。フロントドアとサイドカバーは吸音スポンジを貼った2層構造で、天板も吸音シートで通気口を覆った静音性重視の密閉仕様だ。吸音スポンジの密度が低い点や天板シートでカバーし切れない通気口が一部露出しているなど、上位製品と比べると少し詰めの甘さも感じる。天板のシートを外せば最大24cmの水冷ラジエータを搭載できるが、あくまでも簡易水冷にも対応できる密閉型ととらえるべきだろう。
エントリーモデルであり、シャーシの剛性含めて全体にチープな印象は否めないが、内部構造は非常にシンプルで裏面配線スペースも十分あり、使い勝手はよい。ドライブケージが固定されていて構成の自由度は低いが、静音性重視の密閉仕様やシャーシ剛性を考えれば、あまり極端なシステムを収めるのは現実的ではない。自由度を高めるよりはシンプルな構造にして対象システムを限定したほうが、実運用時に冷却性能や剛性が問題になる場面も少なく、むしろ評価できる仕様と言える。ミドルレンジ前後のシステムで組む分には扱いやすくよい製品だ。
[Text by 鈴木雅暢]
【Specification】
規格:ATX●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5/2.5インチシャドー×7●標搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(前面)14cm角×1(前面、12cm角×1と排他)、14/12cm角×2(天板)●本体サイズ(W × D × H):220×523×484mm●重量:約7.3kg●実売価格:10,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:今週見つけた新製品 Antec P100(2014/1/25)
【検証結果:密閉型ケースとして標準的存在】
静音性、冷却性能とも密閉型ケースとして標準クラスと言える。アイドル時に測定限界以下にならない理由は、遮音スポンジの密度の低さや天板シートに隙間があるなどツメの甘さが影響していると思われる。最小回転数では高負荷時はやや心もとないか。最大回転数にしてマザーボードのファンコンで制御したほうがよい。
こう使え!
【掲載ケース共通検証環境】
CPU:Intel Core i7-4790K(4GHz)、マザーボード:ASUSTeK H97-PRO(Intel H97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI GTX 970 GAMING 4G(NVIDIA GeForce GTX 970)、SSD:Intel SSD 335 SSDSC2CT240A4K5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:サイズ エナジアプラチナ550W(550W、80PLUS Platinum)、CPUクーラー:サイズ 虎徹、OS:Windows 8.1 Pro Update 64bit 版、室温:21.4℃、暗騒音:32.4dB、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.1 POWER SUPPLYテストを10分間動作させたときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.26でCPU はCPUTemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesの値、動作音測定距離:ケース正面から20cm
【DOS/V POWER REPORT 2015年3月号は2015年1月29日(木)発売】
★第一特集「10年使えるATXケースを買う」
★第二特集「2万円からのフル機能激安PC選び」
★特別企画「低価格CPU大全」「スマホから使える多機能リモコン」「ブラウザゲーム群雄割拠」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 紙版は特別付録小冊子「使えるPC小物&周辺機器大カタログ」が別途付属
★ 電子版では小冊子の電子版も完全収録
★ 電子版は割安な税別926円
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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