パワレポ連動企画

Windows 10で何が変わる? その1
~Windows Hello/モバイルコンパニオン/メール/カレンダー~

【即効! Windows 10×PC自作(6)】

DOS/V POWER REPORT 2015年9月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年9月号」の第一特集「新OSがあなたのマシンを変える 即効!Windows 10 × PC自作」を掲載する。

 第六回目の今回から、3回に分けてWindows 10の新機能や、変更のあった機能を解説していく。今回は、新しいサインイン方式である「Windows Hello」、モバイルデバイスとの連携を支援する「モバイルコンパニオン」、使いやすくなった「メール」と「カレンダー」だ。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(水)に発売。ついに発売されるWindows 10を解説した第一特集のほか、頻繁に買い換えるものではない電源ユニット、カタログや口コミだけでは分からない部分を徹底解析する第二特集「出力だけじゃない! 効率だけじゃない! 2年後に後悔しない電源」、二次元世界の嫁の写真(イラスト)もきれいに拡大!「“最新ハードによる”waifu2x活用講座」、容量も重要だけど、やっぱり品質にも気を遣いたい「安くなった高性能、高品質メモリを狙え! DDR4/DDR3メモリコレクション2015」、MVNOのお供に選べるスマホ「選べる自由とハイコスパをその手に! すぐ買えるSIMフリースマホ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は高音質、ハイレゾ対応、デザイン性、コストパフォーマンス、多彩なニーズに応えます!「サウンドデバイス大全2015」だ。


- Windows 10で何が変わる? その1 ~Windows Hello/モバイルコンパニオン/メール/カレンダー~ -


パスワード入力の煩わしさを解消
Windows Hello

 わざわざパスワードやPINコードをキーボードから入力することなく、顔や虹彩、あるいは指紋を使ってユーザーを特定し、素早くWindowsへのサインインを可能にするのが「Windows Hello」だ。

 Windows 10は「Windows Hello」と呼ばれる生体認証をサポートした。具体的には、カメラを使ってユーザーの顔や瞳の虹彩で認証することが可能なほか、指紋認証によるサインインにも対応している。

指紋リーダー
サンワサプライが販売する指紋リーダーの「FP-RD2」(実売価格:7,500円前後)。Windows 10をインストールしたPCに接続すると、自動的に生体認証デバイスとして認識され、別途ドライバなどをインストールすることなくWindows Helloで利用できる。

 これらの生体認証を利用するには、専用のカメラや指紋リーダーが必要だ。今回利用したのはサンワサプライが発売している指紋リーダー「FP-RD2」で、Windows 10をインストールしたPCに接続すると「生体認証デバイス」として自動的に認識された。

 セットアップは「設定」の「アカウント」内にある「サインインオプション」で行なう。設定後、サインイン画面の「サインインオプション」で「指紋」を選べば、指紋リーダーを使ってサインインすることができる。

 なおWindows 10には「Passport」と呼ばれる仕組もある。こちらはWindows Helloによる認証を別のアプリケーションやWebサービスでも利用可能にするもの。パスワードよりも厳密でユーザーの負担が少ないPassportへの期待は大きい。

PINコードを登録する
Windows Helloの設定
Windows Helloを利用するには、事前にPINコードの登録が必要だ。なおPINコードはそのPCでしか使えないため、たとえ第三者に知られたとしても、PCが物理的に盗まれない限り被害を受けるリスクはない
対応した指紋リーダーをPCに接続すると、「アカウント」の「サインインオプション」に「Windows Hello」の項目が現われる。この中にある「指紋認証」の「セットアップ」ボタンをクリックすると、指紋の登録を行なえる
指紋をスキャン
指紋でサインイン
指紋の登録を行なっているところ。指紋を確実に識別するために、指を数回スキャンする必要がある。なお指をケガした場合などに備え、左右の手の人差し指など、複数の指紋を登録しておくようにしたい
指紋が登録されていれば、「サインインオプション」の一つとして「指紋」が現われる。これを選んで事前に指紋を登録した指を指紋リーダーでスキャンすれば、パスワードやPINコードを入力することなくWindowsにサインインできる

モバイルデバイスとの連係を支援
モバイルコンパニオン

 Microsoftでは現在「モバイルファースト、クラウドファースト」を戦略として打ち出している。「モバイルコンパニオン」はそれを端的に表わすアプリと言えるだろう。

 Windows PhoneやAndroid、あるいはiPhone/iPadといったモバイルデバイスとPCの連係を支援するためのツールとして、Windows 10で新たに搭載されているのが「モバイルコンパニオン」だ。起動するとまずプラットフォームを選択する画面が現われ、いずれかをクリックするとMicrosoft製のアプリを導入するための手順をガイドする。

PCとモバイルデバイスを連係する
1. プラットフォームを選択
起動すると、まずWindows PhoneとAndroid、iPhone/iOSのいずれかのプラットフォームを選ぶように求められる
2. 導入するアプリを選ぶ
OneDriveをはじめとする六つのアプリのいずれかを選択する。Cortanaは「まもなく登場」としており、現時点では選択できない
3. リンク付きメールを作成
ここでメールアドレスを入力すると、Google PlayやApp Storeでアプリをダウンロードするためのリンク付きメールが作成される
4.アカウントを確認
アプリをインストールし、ここで表示されたアカウントでサインインする。その後、画面で指示された手順で作業を進めていく

 Windows PhoneはPCと連係できるアプリが最初から組み込まれているため、同じMicrosoftアカウントでサインインすれば自動的に同期する。一方、AndroidやiPhone/iPadでは別途Microsoft製アプリをインストールしなければならない。それをサポートするのがモバイルコンパニオンの目的で、OneDriveやOneNoteなどの導入の手順を紹介する。

 もちろんモバイルコンパニオンを利用せず、それぞれのアプリを導入し、PCと同じMicrosoftアカウントでサインインすれば連係は可能だが、もし連係できることを知らなかったのであれば一度使ってみてほしい。

ポイント1 Windows Phoneはセットアップ不要

 こちらはプラットフォームとしてWindows Phoneを選択した画面。当然いずれのアプリも組み込まれているため、セットアップは不要とのメッセージが表示される。各アプリのアイコンをクリックすると、具体的なPCとの連係について紹介する内容に切り換わる。

ポイント2 OneDriveでファイルを共有する

 AndroidやiPhoneにOneDriveアプリをインストールすれば、クラウドを介して簡単にPCとファイルを共有できる。スマートホンで撮影した写真を自動的にクラウドをアップロードする機能も用意あるので、わざわざケーブルでつなぐことなく撮影した写真をすぐにPCで見られるのは便利だ。

ポイント3 スマートホンでOfficeアプリを使う

 AndroidやiPhone/iPadでもWordやExcel、PowerPointを利用することが可能。無償版は利用できる機能に制限があるが、ファイルの参照がメイン、あるいは最小限の編集しか行なわないのであれば問題なく使えるだろう。なお高度な機能を利用するには、Office 365への加入が必要だ。


細かな改良を加えて使い勝手を改善
メール

 設定の自由度の低さからあまり評判のよくなかったWindows 8.1のメールだが、Windows 10では従来サポートしていなかったiCloudやPOPアカウントに対応するなど、細かな改良が加えられている。

 Windows 10に付属する「メール」は、基本的なインターフェースや機能面を見るとWindows 8.1に搭載されていたものと大きな違いはない。ただ、いくつかの改良が加えられており、以前よりも利用しやすくなっている。たとえばメールアカウント追加時にOutlook.comやExchange、Gmailに加え、iCloudがサポートされるようになったほか、IMAPやPOPを使ったメールの受信もできるようになった。

 またタブレット端末であれば、メールを右にスライドするとフラグの設定、左ならメールの削除が行なえるようになった。タブレット端末では細かなメニューを操作しづらいが、これなら素早く操作することが可能だ。

 ただ、送信メールの形式はHTMLのみで、ドラッグ&ドロップでファイルを添付できない、メールを自動分類するための仕組がないなど、使い勝手の悪さを感じる点もある。使い方によっては、Outlookなどほかのメールソフトの利用も検討したい。

ポイント1 多数のサービスに対応したアカウント追加画面

 初期状態では、Windowsにひも付けられたMicrosoftアカウントが登録されるが、そのほかのメールアカウントを登録することも可能。ExchangeやOutlook.comのほか、GoogleやiCloudをサポートし、POP/IMAPでのメール送受信にも対応する。

ポイント2 メール非選択時の背景画像を指定できる

 実用性はともかく、メールを選択していない状態のとき、プレビュー領域に表示する画像を指定できる。そのほかこのオプション画面では、署名の登録や新着メール受信時の通知の設定などを行なうためのインターフェースが用意されている。

ポイント3 新規メール作成はHTML形式のみ

 Windows 8.1のメールアプリと同様、テキスト形式のメールを作成することはできない。またドラッグ&ドロップによるファイル添付にも非対応で、「挿入」タブから「ファイルの添付」を選び、ファイル選択ダイアログでファイルを指定する必要がある。


GoogleカレンダーやiCloudもサポート
カレンダー

 メールと同様、カレンダーもWindows 8.1から機能強化が図られている。インターフェースの見直しが行なわれたほか、GoogleやiCloudをサポートしたことも大きなポイントだ。

 予定を管理するためのアプリである「カレンダー」の機能強化ポイントは、Googleが提供する「Googleカレンダー」とAppleの「iCloud」が備えるカレンダー機能と同期できるようになったことだ。Microsoft自身のOutlook.comでもカレンダー機能を提供しているが、すでにGoogleカレンダーやiCloudでスケジュールを管理しているユーザーにとってはうれしいアップデートだ。

 使い勝手も大幅に改善されている。Windows 8.1のカレンダーはいちいちアプリバーを呼び出さなければ表示形式(次の予定/日/稼働日/週/月)を切り換えられなかったが、Windows 10では画面上部のアイコンで素早く変更できる。さらにウィンドウ左側には、予定を表示する日を切り換えるためのカレンダーや、おのおののアカウントのカレンダーの表示/非表示を切り換えるインターフェースも用意されている。個人の予定を管理するのであれば、機能不足を感じることはないだろう。

ポイント1 さまざまなサービスに対応

 アカウントの選択肢の中にGoogleとiCloudがあり、登録すればそのアカウントにひも付けられたカレンダーにアクセスできる。もちろん、予定表の参照だけでなく、追加や削除も可能である。

ポイント2 予定追加の方法が変わった

 カレンダー内のいずれかの日時の場所をクリックした際、ポップアップウィンドウが表示され、その中で予定の内容を登録する形に改められた。繰り返しの予定を登録することも可能で、その場合は「詳細設定」ボタンをクリックして表示される画面で設定する。

ポイント3 表示内容を細かく設定できる

 設定の中にある「予定表の設定」では、週表示時の最初の曜日を日~土曜日のいずれかから選択可能なほか、稼働日の表示形式で表示する曜日、稼働時間を指定できる。また、予定のある時間の色も選べる。

ポイント4 繰り返しの予定も登録可能

 繰り返しの予定ももちろん登録可能であり、開始日と終了日、繰り返す間隔など細かく指定することが可能。繰り返しの間隔は「毎日」、「毎週平日」、「毎週」、「毎月」など、豊富な選択肢が用意されているため、まず困ることはないだろう。


※掲載されている画面はすべてWindows 10 Insider Previewビルド10240のものです。


[Text by 川添貴生]


DOS/V POWER REPORT 2015年9月号は2015年7月29日(水)発売】

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(AKIBA PC Hotline!編集部)