パワレポ連動企画
【マザーボード100選 2016(19) ローエンド部門 その1
~この部門の注目点とレコメンド発表~
(2015/12/16 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年1月号」の総力特集「価格帯別・最強マザーをここに決定 マザーボード100選 2016」を掲載する。
第19回目では、ローエンド部門のリコメンド受賞製品を紹介する。一昔前のローエンドは値段を抑えるために機能が犠牲になっている製品が多かったが、現行品のそれは一通りの機能が揃っているプレーンタイプといった印象だ。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年1月号は全国書店、ネット通販にて11月28日(土)に発売。人気と実用性を兼ね備えたお薦めマザーボードを決定する総力特集をはじめ、ASUSのプロ向け資料を限定公開!読み方も解説したダウンロード特典「ASUSTeKレビュアーズガイド マザーボード&ビデオカード編 英語版」、ネット配信の嵐が日本上陸!サービス内容や使いやすさも比較した「ネット配信端末が地上波を駆逐する? Fire TV vs. 第4世代Apple TV」、いつの間にやら豊富なラインナップ「こんなにあるって知ってました!? Amazonベーシック特選品」、スマホ使いなら持っていると便利、マジお勧め「容量・サイズ・機能で選べる 最新モバイルバッテリ28選」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「ドカンと大レビュー!マザーボード&ベアボーン超図鑑 2016」。……えっ、この厚みで付録なんですか!?
-マザーボード100選 2016-
価格帯別・最強マザーをここに決定
ローエンド部門
ローエンドモデルは低機能で使い勝手が悪いというのは過去の常識。
Skylake世代ではチップセットの機能が底上げされたことにより、実用性の高い製品が多数揃っている。
シンプルながら使い勝手のよい製品が増加
この部門のIntel CPU向けマザーボードは、ユーザーを選ぶ装備を排し、機能を絞ることでコストダウンを図った低価格モデルが揃う。低価格モデルと聞くと機能不足という言葉がまず頭に浮かぶ人も多いと思うが、こうした状況は年々改善され、Skylake対応世代では目立った進化があった。
と言うのは、最下位モデルのチップセットH110でも、USB 3.0ポート、Serial ATA 3.0ポートともに4基サポートしているなど、機能が底上げされているからだ(前世代の最下位モデルのH81は、USB 3.0ポート、Serial ATA 3.0ポートともに2基のみサポート)。そのため、低価格マザーボードとはいえ全体的に実用性が向上、機能不足で使い物にならないというような製品は姿を消している。なかには、PCI Express 3.0 x4接続対応のM.2スロットを装備するなど機能を充実させた製品も存在するので、今までローエンドは低機能だからと無視していた人も、改めて目を向けてみるとおもしろいかもしれない。
とはいえ、このクラスのマザーボードに過信は禁物。ストレージインターフェースは充実しているけど、必要なディスプレイ出力がないなど、思わぬところに落とし穴があったりするので、製品選びの際にはきちんと自分の必要な機能が揃っているか確認することが重要だ。
この部門はココに注目!
ポイント.1 DDR4対応かDDR3対応か
このクラスのSkylake対応マザーボードには、DDR4メモリ対応製品に加えDDR3メモリに対応する製品が多数存在する上、DDR4/DDR3両対応製品(同時使用はできない)も存在する。どのマザーボードを選んだらよいか迷っている人も多いのではないだろうか。
そういう人のために、ここではなるべくコストをかけないですむ選択方法をまとめてみた。
ポイント.2 必要な機能の有無を確認
このクラスのマザーボードは、ディスプレイ出力であったり、ストレージインターフェースであったり、何かしらの機能が省略されていることが多い。そのため、購入する際には自分が必要とする機能が装備されているか確認することが重要だ。このときに利用するためのチェックシートを用意したので、自分が使用するデバイスに必須のインターフェースの種類と数を洗い出しておこう。購入後に不足に気付いて後悔することが多い重要項目には色を付けておいた。
【オレはこんな基準で評価した!】
・加藤勝明
低価格帯になるほどマザーの設計の自由度は減り各社横並び色が強くなる。それでも細かくチェックすると各メーカーの思想の違いが見えてくる。今回は低予算でも設計や装備で格上に迫れるもの、味付けのちょっとした違いで楽しめるかどうかに着目して評価した。
・滝 伸次
最近では少なくなったが、このクラスでは品質に不安がある製品が混じっている恐れがあるためまず品質面をチェック。その後製品コンセプトを考慮しながら各種機能の充実度をチェックし、最後にコストパフォーマンスを加味して総合評価を行なった。
・竹内亮介
価格帯が全体的に上がったことも関係しているのか、たとえばH170を搭載するような突出してお得感のあるマザーがない。こうしたドングリの背比べ的な状況の中で、DisplayPortやM.2スロットを搭載する意欲的な製品を積極的に評価した。
コストパフォーマンスの高い製品に票が集まる
ローエンド部門で得票があったのは8製品。プラットフォームや製品コンセプトはバラバラだが、共通しているのはコストパフォーマンスが高い製品であることだ。
ゴールドレコメンドのGIGA-BYTE GA-B150M-DS3H DDR3は、このクラスではめずらしくM.2スロットを搭載するなど機能が充実している点が評価されての受賞。
シルバーレコメンドは選者全員の票を獲得したASRock B150M Combo-G。総票数ではGA-B150MDS3H DDR3に届かなかったものの、こちらも品質、機能ともにこの部門ではトップクラスと言ってよい製品だ。また得票のあった製品にはASRockのものが多かった。やはりコストパフォーマンスという面では同社の強さを改めて認識させられる。
Web投票で4位になった同社のN3150Mに関しても、BraswellコアのCeleron N3150を搭載して通常用途には十分な性能を持つ上、CPU込みで1万1,000円前後という低価格の点が人気を集めたものと思われる。
ローエンド部門 レコメンド受賞製品
■GIGA-BYTE TECHNOLOGY
GA-B150M-DS3H DDR3(rev.1.0)
-完成度の高さで一歩リード
チップセットにB150を採用したmicroATXマザーボード。メモリはDDR3に対応、PC3-14900 DDR3 SDRAMに対応したメモリスロットを4本搭載し、最大32GB搭載することができる。
最大の特徴は、B150マザーボードとしてはめずらしくPCI Express 3.0 x4接続対応のM.2スロットを搭載している点。実売価格1万3,000円未満のローエンドマザーボードでM.2スロットを搭載する製品は少ないので、M.2 SSDの使用を考えている人は要注目だ。
そのほかは特筆すべき点はないが、逆にこれといった欠点もない。電源まわりは、オーバークロックを想定したハイエンドマザーボードと比べると貧弱に感じられるが、ミドルレンジクラスのCPUを定格で使うには十分な仕様。GIGA-BYTEマザーではおなじみのDual BIOS機能もきっちり搭載されているなど安定動作にも十分気が配られている。B150がサポートする機能はフル装備されており、Serial ATA 3.0ポートも6基装備する。拡張スロット構成もPCIカードを必要としない人にはうれしい仕様だ。
総合的に見て、ローエンドのB150マザーとしては完成度が高い。手持ちのDDR3メモリを活用して、低コストでSkylakeマシンを作成したい人にオススメの1枚だ。
Specification
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC3-14900 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E 3.0 x1×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA 3.0×6、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:10,000円前後
PCI-E= PCI Express、SATA= Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む、USBポートのコネクタ形状を明記していないものはType-A、SATA Express 1ポートはSATA 3.0 2ポートとしても使用可能
【ライターコメント】
・加藤勝明
【ローエンド自作だからこそDDR3対応はマスト】
既存のPCをSkylakeで更新する場合、DDR3メモリを使い回せればCPUやSSDを1ランク上にできる。予算圧縮が求められるローエンド帯では、DDR3対応はある意味マストな装備と言ってよい。この製品はとくに設計がすごいと言うわけではないが、値段と装備のバランスが非常によい1枚だ。
・竹内亮介
【全体的なバランスのよさが光る】
もっとも注目したいのは、やはりM.2スロットを搭載することだろう。オーディオチップやコンデンサのグレードも比較的高く、このクラスの中では頭一つ抜けた存在感を示している。メモリはDDR3対応だが、安く組みたいという場合にはむしろこれはメリットとして考えるべきだ。
■ASRock
B150M Combo-G
-DDR4、DDR3メモリの両方に対応
併用することはできないが、DDR4メモリ、DDR3メモリの両方に対応している点が特徴のB150搭載microATXマザーボード。
6フェーズ構成のデジタル電源回路、高性能Intel製LANコントローラ、CrossFireXへの対応など、B150マザーとしてはトップクラスの品質、機能を持つ点も魅力だ。
Specification
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC4-17000 DDR4 SDRAM×2(最大32GB)、PC3-14900 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)※ DDR4メモリとDDR3メモリの同時使用はできない●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×1●主なインターフェース:SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:12,000円前後
PCI-E= PCI Express、SATA= Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む、USBポートのコネクタ形状を明記していないものはType-A、SATA Express 1ポートはSATA 3.0 2ポートとしても使用可能
【ライターコメント】
・加藤勝明
DDR3→DDR4への移行をサポートする貴重な1枚。2本ずつ&併用不能という制約はあるが、メモリ容量不足に陥ることが少なくなった現状では、むしろ潔い設計と言える。
・竹内亮介
DDR3とDDR4の両方に対応するというコンボ構成は、現行製品ではASRockだけのチャレンジだ。Serial ATA 3.0などのインターフェースも意外に充実している。
【問い合わせ先】
GIGA-BYTE TECHNOLOGY:03-3350-5418(旭エレクトロニクス)/http://www.gigabyte.jp/
ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/http://www.asrock.com/
[Text by 滝 伸次]
【DOS/V POWER REPORT 2016年1月号は2015年11月28日(土)発売】
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