パワレポ連動企画
メモリのOC設定や消費電力を下げるテクニック
【自作PCチューニング技術大全100(4)】
(2016/3/2 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年4月号」の第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」を掲載する。
第4回目では、XMPの設定方法をはじめ、メインメモリをRAMディスクにしたり、動作電圧を下げての省電力化など、メモリをさらに活用するテクニックを紹介する。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年4月号は全国書店、ネット通販にて2月29日(月)に発売。第1特集のほか、第2特集は最新OSの現在の姿を解説する「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」、まずはデータ保存から始めよう、低コストで導入できるモデルを紹介「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」、マルチディスプレイやライトゲームに、内蔵GPUからのパワーアップを目指す「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」、外出先でも2画面で!「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「小型PC向けパーツ大百科」。メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です!
-自作PCチューニング技術大全100-
メモリのOC設定や、消費電力を下げるテクニック~メモリ編~
基本的なパーツにもチューニングの余地はある!
メモリ編
メモリのチューニングはマニア向けのテクニック、という印象を持っている人もいるかもしれないが、すべてのユーザーにチェックしてほしい重要なポイントも存在する。
高速メモリや大容量メモリも入手しやすくなってきているので、これらをしっかり活かす知識を身に着けよう。
13. OCメモリを正しく設定して実力を発揮させる 難易度★★★
市販されているメモリの中には、JEDEC(メモリの規格を決めている団体)の仕様に準拠した定格メモリのほかに、メモリチップを独自にオーバークロック(OC)利用することで高速動作を実現したOCメモリがある。こうしたO Cメモリの多くは、Intelが推進するメモリの拡張規格で、OCメモリが簡単に設定できるXMP(eXtreme Memory Profile)に対応している。
ただ、XMPの設定は、標準では適用されないため、自動設定では名目どおりの速度で動作しない。マザーボードのデフォルト状態だと、JEDECで決められている自動設定(SPD=Serial Presence Detect)が優先されるためだ。XMPメモリの性能をフルに発揮させるためには、UEFIセットアップでXMPプロファイルをロードしてやる必要がある。設定作業としてはごく簡単なので、高速メモリの本領を発揮させるためにも忘れずに行なおう。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac(Intel Z170)
メモリ:CFD 販売 CFD-Panram PUD43000C154G4NJW(PC4-24000 DDR4 SDRAM 8GB×4 ※2枚のみ使用)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
電源ユニット:Sea Sonic Xseries XP2 SS-660XP2(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit版、
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
14. AMD環境でXMPメモリを使う 難易度★★★
XMPはIntel主導の規格だが、基本的にAMDプラットフォームであってもXMPメモリの半自動設定ができる。多くのAMDマザーボードがXMPに公式に対応しており、ASUSTeKの場合は、D.O.C.P.(DRAM OverClock Profiles)として、XMPメモリをロードする機能を用意している。
なお、AMDはAMP(AMD Memory Profile)という規格を定めているが、対応メモリは少ない。
15. メインメモリをRAMディスクでさらに活用 難易度★★★
大容量メインメモリの活用法の一つにRAMディスクがある。メインメモリを使って作る仮想的なストレージで、SSD/HDDと同じように扱える。速さはメインメモリと同等だけに、一時ファイルの置き場やアプリケーションの作業フォルダなどに指定するとレスポンスが上がってグッと快適になる。
ただし、メモリと同じく、システムの電源を切ると保存データは消えてしまうので、その点には注意が必要だ。
【RAMディスクの活用例】
・OSのテンポラリファイルの保存場所に
・OSのページングファイルの設置場所に
・ブラウザのキャッシュファイルの保存場所に
・Photoshopの仮想記憶ディスクに
16. メモリの動作電圧を下げて負荷や消費電力を下げる 難易度★★★
Skylakeの登場とともにメモリの主流はDDR4に移行しつつあるが、DDR3が使えるマザーボードもある。Skylakeの本来の仕様では、対応メモリはDDR4(1.2V)とDDR3L(1.35V)となっており、DDR3(1.5V)はマザーボードメーカーの独自対応だ。
ここで問題になるのは、CPUのメモリコントローラにとってはDDR3の1.5Vは想定外の負担であることだ。OCメモリを常時使っているような状態と言えるので、手動でメモリ電圧を下げてみるのも手だろう。こちらもメモリの想定外動作にはなるが、DDR3L相当の1.35Vくらいなら動く製品も少なくない。
同様に、DDR4の動作電圧を下げることももちろん可能。今回テストした結果では、DDR3よりもDDR4の低電圧動作のほうがシステム全体の消費電力の低下には効果的だった。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASRock H170 Combo(Intel H170)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4※2枚のみ使用)
CFD販売 CFD Elixir W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
電源ユニット:Sea Sonic Xseries XP2 SS-660XP2(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
高負荷時:3DMark-SkyDiver実行中の最大値
アイドル時:3DMark- SkyDiver終了5分後の値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 2016年4月号は2月29日(月)発売】
★第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」
★第2特集「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」
★特別企画「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です! 小型PC向けパーツ大百科」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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