借りてみたらこうだった!

「PCの中にまたPCが!しかも両方ハイエンド」なストームの「PUNI-W1」をチェック

2組のCore i9-9900K + GeForce RTX 2080搭載PCを1台に、実は来客が多い人におすすめ? text by 新井将彩成

 ストームのデスクトップPC「PUNI-W1」は、1台のケースに2組のマシンを搭載したデスクトップPCだ。

 この手のデュアルシステムタイプのPCは、ハイスペックなメイン機 + 性能を抑えた小型サブ機といった構成のモデルが多いが、「PUNI-W1」はCore i9-9900K + GeForce RTX 2080のシステムを2組搭載。いわゆる“ハイエンド + ハイエンド”な構成をとる非常に珍しいモデルになっている。

 今回は搭載されているパーツを中心に、本体の性能などをチェックしてみよう。

ケース1台に2組のハイエンドPCを搭載、本体サイズは少し大型なATXケース程度

 PUNI-W1は、CPUに8コア16スレッドのCore i9-9900K、ビデオカードにGeForce RTX 2080、メモリにDDR4-2400 32GB(16GB×2枚)、ストレージに256GBのNVMe SSDと500GBのSATA SSDを採用し、これらを2組搭載したBTO PC。片方はATX、もう片方はMini-ITXのシステムになっている。

 本体サイズは幅24×高さ52×奥行き51cmと一般的なATXケースよりも少し大きめになっているが、このサイズに2組のハイエンドシステムを内蔵しており、見ようによってはある意味とてもコンパクトなPCだ。

 採用ケースはPhanteksの「ENTHOO EVOLV X GLASS」、電源は同じくPhanteksの「REVOLT X PSU」が使われている。

本体正面。幅24×高さ52×奥行き51cmとデュアルシステムPCとしてはコンパクト。
本体側面。サイドパネルはガラス製で“魅せるPC”にもなっている。
本体裏面。上側がMini-ITX側のI/Oパネル、縦向きになっている下側がATX側のI/Oパネル。
マザーボード裏面側。こちらもガラスパネルになっている。
天板の左右には通気口が設けられている。
ケースの天板側にATX側の電源スイッチを備える。
Mini-ITX側の電源スイッチは背面側に搭載されている。

 両サイドのパネルは4mm厚の強化ガラス製パネルで、ライザーカードを利用することでビデオカードは表面が見えるようになっている。また、前面パネルと電源カバー部分にはLEDイルミネーションが用意されており、各種PCパーツを美しく“魅せる”ことができる。

 ガラスパネルはリアのヒンジを軸にドアのように開閉可能で、ちょっとしたメンテナンスなどは行いやすい。CPUクーラーは120mmラジエーターサイズの水冷クーラーが搭載されており、ケース内の上部と後部にラジエーターが設置されている。

サイドパネルには4mm厚の強化ガラスを採用。
ヒンジを軸にドアのように開閉可能。
ケース内部。
ビデオカード2枚はMini-ITX側が“魅せる側”になっている。
マザーボード背面側の様子。
パネルを開けると裏配線スペースや2.5インチストレージベイなどにアクセスできる。
天板側からみた内部の様子。Mini-ITXマザーボードとラジエーターが固定されている。
フロントパネルに搭載されているLEDイルミネーション。
電源カバー部分にもLEDイルミネーションが備えられている。
“魅せるPC”としてもデザインされている。

 ケース前面にはUSB 3.0×2、USB 3.1 Type-C×1、マイク/ヘッドホンジャック、LED制御ボタンを搭載。ケースファンはブレードに特徴のあるケースファンが吸気側に3基搭載されており、排気は水冷ラジエーターのファンで行う仕組みになっている。

フロントインターフェース。USB Type-Cコネクタも備えている。
LEDイルミネーションはフロントインターフェイス部分にあるスイッチで発光パターンを変更できる。
フロントパネルを外すとファンフィルターにアクセスできる。
吸気側に3基のファンを搭載。
搭載ファンのブレードは特徴的な形状になっている。

Core i9-9900K + GeForce RTX 2080を2組搭載マザーボードはMSI製、ビデオカードはInno3D製

 続いては内部の搭載パーツを見ていこう。今回紹介しているPUNI-W1は、マザーボード以外のPCパーツは同じ構成となっている。このため、性能はATXシステム側を使ってもMini-ITX側を使っても大きな差はないはずだ。

 ATXシステム側に使用されているマザーボードはMSIの「MPG Z390 GAMING PLUS」。

 同社製のゲーミングマザーボードの中ではミドルクラスに位置づけられている製品で、基板裏面には赤色LEDも搭載されている。

 主な仕様は、スロット数がPCIe x16×2、PCIe x1×4。メモリスロットはDDR4 DIMM×4。搭載機能・インターフェイスはHDMI、DVI、1000BASE-T LAN×1(Intel I-219-V)、6Gbps SATA、M.2、USB 3.1 Gen2(Type-C有り)、USB 3.1 Gen1、USB 2.0、PS/2、7.1chサウンドなど。

ATX側は「MSI MPG Z390 GAMING PLUS」を採用。

 Mini-ITXシステム側に使用されているマザーボードはMSIの「MPG Z390 GAMING EDGE AC」。

 こちらも同社製のゲーミングマザーボードの中ではミドルクラスに位置づけられている製品で、「EDGE」(刃)を意識したデザインが取り入れられている。

 主な仕様は、スロット数がPCIe x16×1。メモリスロットはDDR4 DIMM×2。搭載機能・インターフェイスはHDMI、DisplayPort、1000BASE-T LAN×1(Realtek 8111H)、IEEE 802.11ac無線LAN+Bluetooth 5.0(Intel Wireless-AC 9462)、6Gbps SATA、M.2、USB 3.1 Gen2、USB 3.1 Gen1、USB 2.0、7.1chサウンドなど。

Mini-ITX側は「MSI MPG Z390 GAMING EDGE AC」を採用。

 CPUは、8コア16スレッドのCore i9-9900K。定格クロックで3.6GHz、Turbo Boost時で5.0GHzとゲーム用途では最高峰と言えるCPU。マルチスレッド対応のゲームや、動画編集に使用するなら現状文句なしのモデルだ。

 CPUクーラーは120mmラジエーターを採用したCoolerMaster製水冷クーラー「MasterLiquid 120」で、メモリはCrucial製DDR4-2400 32GB(16GB×2枚)「CT16G4DFD824A」、OSはWindows 10 Pro(64bit版)となっている。

CPUは2組ともにCore i9-9900Kを搭載。
使用している水冷CPUクーラーは「CoolerMaster MasterLiquid 120」。120mmファン×2基でラジエーターを挟んでいる。
メモリはDDR4-2400 16GBの「Crucial CT16G4DFD824A」が2枚ずつ各システムに搭載されている。
OSは64bit版Windows 10 Pro。

 ビデオカードはInno3D製のGeForce RTX 2080搭載モデル「GeForce RTX 2080 X2 OC」を採用。オーバークロック仕様で、動作クロックはベース1,590MHz/ブースト時1,755MHzと、リファレンスクロックのベース1,515MHz/ブースト時1,710MHzからそれぞれクロックアップされている。

 3DMarkのFire StrikeとDirectX12の性能を見るTime Spyのスコアは、Fire Strikeが23,735、Time Spyが10,820。このスコアであれば、フルHD環境においてゲームでの性能に不満を感じることはほとんどないだろう。

Inno3D製の「GeForce RTX 2080 X2 OC」。
GPU-Zでのステータス。
Fire Strikeのスコアは23,735。これだけ高スコアであればフルHD環境のゲームで不満が出ること希なはずだ。
Time Spyのスコアは10,820。かなりの高スコアなので、DirectX 12対応ゲームでも高い性能を発揮するだろう。

 ストレージは、システムドライブがIntel製256GB NVMe SSDの「SSDPEKKW256G8XT」、データドライブ側がCrucial製500GB SATA SSDの「CT500MX500SSD1」の組み合わせ。

 容量の少ないアプリケーションなどはNVMe SSD側に、ゲームインストールや動画の保存などはSATA SSD側に行うと良いだろう。

システムドライブ側のNVMe SSD「Intel SSDPEKKW256G8XT」。容量は256GB。
ベンチマークの実測値(SSDPEKKW256G8XT)。
データドライブ側のSATA SSD「Crucial CT500MX500SSD1」。
ベンチマークの実測値(CT500MX500SSD1)。

PUBGならフルHD最高画質で90fps以上が狙える、配信しながらの超快適プレーも

PUBGで簡単に性能をテスト

 簡単にではあるが、実際のゲームプレイも快適なのか、PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)を使って検証してみた。解像度1,920×1,080ドットで、画質を最高の「ウルトラ」に設定してテストを行っている。

マッチングロビーでは多くのプレイヤーを映しながらも常に90fps以上の値を記録
ゲーム内ロビーでのFPS値
試合中のFPS値、複数回150fpsを超える値を確認できた

 PUBGはスタート時に多くのプレイヤーが集まるロビーが重いシーンとなるが、多数のプレイヤーを表示していた場合でも90fps以上のフレームレートが出ていた。

 プレイ中のフレームレートは150~200fps程度出ており、フルHD環境であれば、高リフレッシュレートの液晶ディスプレイと組み合わせても余裕の性能と言えるレベルだ。これだけフレームレートが出ていると、移動中の索敵時の瞬時な振り返りや銃撃戦でも快適にエイムを合わせることが可能で、PC側の性能のせいで打ち負けるといったケースはほぼ無くなるはずだ。

 今回のテストではATX側のシステムを利用しているが、Mini-ITX側のシステムでも同程度の性能が発揮されるはずで、友達と並んでプレイするも良し、片側を配信PCとして利用し、ストレスゼロの動画配信PCとして利用するも良いだろう。

接待用PCとしても便利?スペースを取らず2組のシステムが設置できる「PUNI-W1」

 PUNI-W1は、PCケース1台分の設置スペースに2組のPCシステムが用意でき、なおかつ快適なゲーム性能も期待できる点が魅力の製品だ。

 ゲーム動画配信を行うユーザーや、併走して作業を行うクリエイターがメインターゲットになるモデルと思われるが、PCゲーム好きの友達が自宅によく遊びに来るといった人にも向いている。

 友達が遊びに来た際に、モンスターハンター:ワールドやバトルフィールド Vといった重いゲームを一緒に遊びたい場合にはこうしたPCがあると便利で、場所を取らずハイエンドPC×2組用意できるのは大きなメリットと言えるだろう。

 今回テストしている構成の参考価格は税込で約62万円という価格だが、使用しているPCパーツを考慮すると割高感は無い。BTOモデルなので、ストレージやメモリをアップグレードしたりと好みに合わせてある程度のカスタムもできる。

 重い作業を併走して行いたいユーザーや、接待用PCや予備PCがスペースを取らず用意できるという点にメリットを感じるユーザーであれば、PUNI-W1は非常に利用価値が高い。活用できるシーンが身近にあるのであれば、購入を検討してみてはいかがだろうか。

[制作協力:ストーム]