ショート基板で冷えるクーラーを搭載、「GV-N960IXOC-2GD」をチェック

GV-N960IXOC-2GD

　今回GIGABYTEよりお借りしたのは、GeForce GTX 960をショートサイズ基板に載せたビデオカード「GIGABYTE GV-N960IXOC-2GD」。ゲーム系ベンチマークで性能や動作時の様子をチェックしてみました。

カード長170mm、ショートサイズのGeForce GTX 960

　GIGABYTE GV-N960IXOC-2GDは、NVIDIA GeForce GTX 960と2GBのGDDR5メモリを搭載したビデオカードです。カード長を170mmに抑えたショートサイズ基板を採用したことを特徴としており、GPUクーラーも基板サイズに合わせたコンパクトサイズのものを備えています。

正面

裏面

クーラー取り外し時

GPUクーラー。8mm径ヒートパイプ2本を備えたヒートシンクに、90mm径ファン1基を搭載する。

　NVIDIA GeForce GTX 960は、GeForce GTX 900 シリーズのミドルレンジに位置するGPU。電力性能比の高さがウリのMaxwellアーキテクチャをベースとして、28nmプロセスで製造されたミドルレンジ向けGPUコア「GM206」を採用しており、低い消費電力で優れた3D描画性能を実現したGPUです。

　GV-N960IXOC-2GDでは、このGeForce GTX 960をリファレンスクロックの1,127MHz（Boostクロック 1,178MHz）から、1,165MHz（Boostクロック 1,228MHz）に若干オーバークロックして搭載しています。動作に必要な補助電源コネクタは6ピン1系統。

ディスプレイ出力端子はDVI-I、DVI-D、HDMI、DisplayPort。最大4画面出力が可能。

VRAMはSK SAMSUNG「K4G41325FC-HC28」。

補助電源コネクタは6ピン1系統。

　ブラケット部のディスプレイ出力端子には、DVI-I、DVI-D、HDMI 2.0、DisplayPortを各1系統ずつ装備。GeForce GTX 960は、最大で4画面の同時出力に対応しているため、各端子に1画面ずつの接続であれば、全ての端子を同時に利用することが可能です。同時出力可能な画面の多さも、GeForce GTX 960の魅力の一つと言えますね。

ショートサイズでも性能・冷却ともに問題なし、ゲームベンチマークでテスト

　GV-N960IXOC-2GDの実力をチェックすべく、ビデオカードと合わせてお借りしたGA-B85M-Gaming 3に、4コア8スレッドCPUのIntel Core i7-4790Kを搭載して、いくつかのベンチマークテストを実行。スコアとともに、消費電力とGPU温度も測定しています。

ドラゴンクエストベンチマーク（1,920×1,080ドット、最高品質）

FINALFANTASY XIV 新生エオルゼア（1,920×1,080ドット、最高品質）

ファンタシースターオンライン2ベンチマーク（1,920×1.080ドット、簡易描画設定5）

各ベンチマーク実行時の最大消費電力

各ベンチマーク実行時の最高GPU温度

　CPU IntelCore i7-4790K
　マザーボード GIGABYTEGA-B85M-Gaming 3
　メモリ DDR3-1600 8GB×2
　OS 日本マイクロソフトWindows 8.1 Pro Update(64bit)
　グラフィックスドライバGeForce Driver 347.52
　消費電力計 サンワサプライTAP-TST5
　温度測定 GPU-Z 0.8.2
　室温 28.0±0.5℃

　ベンチマークテストは、いずれも解像度をフルHD（1920×1080ドット）、描画設定を最高に設定して実行しましたが、どのベンチマークテストでも、ゲームを快適に遊べるという評価を獲得しています。

　また、消費電力の測定結果では、システム全体の消費電力は最大でも200W前後に収まっており、GeForce GTX 960のワットパフォーマンスの高さが光る結果となっています。

基板長170mmのカードサイズは、Mini-ITXやmicroATXに好適。GIGABYTEはGV-N960IXOC-2GDについて、小型ゲーミングPCの自作にはもちろん、ホームシアターPC向けにも最良であるとしている。

　GPU温度については、ベンチマーク実行時に最大66℃記録。GeForce GTX 960の最大温度は98℃なので、十分に余裕のあるGPU温度と言えます。

　GV-N960IXOC-2GDのGPUクーラーは、低負荷時にファンを停止するセミファンレス機能には対応していませんが、アイドル時に700rpm、ベンチマーク時に最大1,320rpｍという低い回転数でファンが動作するため、かなり静かに動作する印象を受けました。

新PCにもアップグレードにもお勧めできる、扱いやすいミドルレンジ製品

　GV-N960IXOC-2GDの実売価格は、記事執筆時点で税込28,000円前後。GeFoece GTX 960を搭載するGV-N960IXOC-2GDは、フルHD（1,920×1,080ドット）までの画面解像度でゲームをプレイしたい人や、マルチディスプレイを構築したい人にとって、好適な一枚と言えます。

　また、ショートサイズ基板というGV-N960IXOC-2GDの特徴と、GeForce GTX 960の省電力という特徴が組み合わさることで、Mini-ITX専用PCケースのようにケース内空間や電源容量の制約が厳しい環境への組み込みや、数世代前のビデオカードをそのまま置き換える形でのアップグレードが容易となっています。

　これから自作する人はもちろん、過去に自作したPCをアップグレードしたい人にとっても、GV-N960IXOC-2GDは魅力あるミドルレンジビデオカードとなるでしょう。