借りてみたらこうだった!

小型、ファンレス、高性能、Broadwell版i5搭載のShuttle DS57U5をテスト

これまでのファンレス小型PCキットとは一線を画す性能、高負荷でも安定動作

Shuttle DS57U5

 今回はShuttleのベアボーンキット「DS57U5」をお借りしました。

 Intel最新世代のCPU「Broadwell」を200mm×165mm×39.5mmというコンパクトな筐体に収めたファンレスベアボーンキット「DS57U5」。その実力をチェックしてみたいと思います。

Broadwell世代のCore i5を搭載したファンレスの小型ベアボーンキット

フロントパネル。電源スイッチの他、USB 2.0ポート×4、COMポート×2、SDXC対応カードスロット×1を用意している。
バックパネル。インターフェースは、USB 3.0ポート×2、Gigabit LAN×2(Intel i211 + Intel i218LM)、音声入出力、DCジャック、HDMI×1、DisplayPort×1。
4Kディスプレイへの出力に対応しており、DisplayPortは3840×2160@60Hz、HDMIポートは3840×2160@30Hzの出力が可能。

 DS57U5は、Intelの第5世代Core プロセッサー「Broadwell」を搭載したミニサイズのベアボーンキット。CPUはオンボードでIntel Core i5-5200Uを搭載しており、別途、DDR3Lメモリとストレージを用意することで、PCとして機能します。

 CPUのIntel Core i5-5200Uは、14nmプロセスで製造された2コア4スレッドCPUで、動作クロックは2.2GHz(Turbo Boost時最大2.7GHz)。統合GPUコアにはIntel HD Graphics 5500を備えています。

 プロセッサーナンバーの末尾に、超低消費電力モデルを示す「U」が付与されたこのCPUのTDPは15Wと低く、DS57U5がファンレスベアボーンキットであるのは、低発熱かつ低消費電力というCPUの特性をいかしたものであると言えます。

 DS57U5の筐体は、以前に当コーナーで紹介したDS437Tと同じ「2Doors Assembly Design」を採用しており、筐体に設けられた2枚のベイカバーから、ストレージ用のポートやメモリスロットに簡単にアクセスできます。

 DS57U5に搭載可能なパーツは、メモリがDDR3L-1333/1600規格のSO-DIMM×2枚、ストレージはSATA対応の2.5インチHDD/SSD×1基と、mSATA(3Gbps)×1基。組み合わせるパーツで注意したいのがメモリの規格。DS57U5は低電圧駆動の「DDR3L」専用で、1.5V駆動の「DDR3」には対応していません。

筐体の天板、DS57U5の筐体は金属製なので剛性は高い。
筐体の側面、冷却のために換気孔が設けられている。
筐体の底面、2Doors Assembly Designのキモとなる2枚のベイカバーが設けられている。
ベイカバーを外したところ。写真左側のベイからはSATAと無線LANを標準搭載したハーフサイズMini PCI Express。右側のベイからはメモリスロットとmSATAにアクセスできる。
2.5インチHDD/SSD用のマウンタ。2.5インチドライブはこのマウンタを介してDS57U5に取り付ける。
2.5インチドライブ用のSATA+電源端子。マウンタに取り付けた2.5インチドライブをそのまま端子に差し込む。
ハーフサイズ対応Mini PCI Expressスロット。標準搭載の無線LANキットはIEEE 802.11b/g/n対応。
3.0Gbps対応のmSATA。Mini PCI Expressスロットとしても利用可能。
DDR3L SO-DIMM対応のメモリスロット。DDR3L-1333/1600のメモリを最大16GB(8GB×2枚)まで搭載可能。
付属のVESAマウント。
付属の縦置きスタンド。
付属のACアダプター。出力電圧は19Vで、電流は3.42A。つまり約65Wの電力を供給できる。


DS57U5の性能と消費電力、そして冷却能力をチェック

 それでは、ベンチマークソフトを使ってDS57U5のパフォーマンスをチェックしていきます。

 今回、メモリとSSDに関しては、Shuttleより検証用サンプルとして提供された、DDR3L-1600動作対応の16GB(8GB×2)メモリと、Intel SSD 320(2.5インチ・3Gbps SATA)の120GBモデルを使用しベンチマークテストを実行しました。OSはWindows 8.1 Pro Updateの64bit版です。

 まず、CPU部分の性能を見るために、CINEBENCH R15とSuper PIで計測してみました。

CINEBENCH R15のスコア。
Super PI 1Mのスコア。

 CINEBENCH R15では、シングルスレッドでも100を超えるスコアを記録。最大2.7GHzで動作する最新アーキテクチャ採用CPUのパフォーマンスをしっかり発揮できているようです。Super PI 1Mの結果は14.812秒となりました。

 続いてはGPU部分の性能を見るため、ファイナルファンタジーXIVとドラゴンクエストXのベンチマークソフトでテスト。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク【DirectX 11、1280×720ドット、標準品質(デスクトップPC)】
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10 【1280×720ドット、標準品質】

 描画負荷の高いファイナルファンタジーXIVは厳しい結果となったものの、ドラゴンクエストXの方はそこそこの描画設定でプレイできそうです。

 CPU/GPUのパフォーマンスは上記の通りですが、合わせてストレージ部分の性能も測ってみました。

借用時に取り付けられていたIntel 320 120GBのCryastalDiskMarkスコア。SATA 3Gbps対応で公称リード270MB/s・ライト130MB/sというスペック相応のスコアとなっている。
公称リード450MB/s・ライト210M/sの6Gbps SATA対応SSD「Intel SSD 510」の120GBを搭載した際のCrystalDiskMarkスコア。このスコアから、SATAポートが6Gbpsに対応していることが確認できる。
フロントパネルのカードリーダーのCryastalDiskMarkスコア。リード90MB/sのUHS-I対応SDカードを使用したが、速度は20MB/sで頭打ちとなった。

 検証用として貸し出されたSSDが3Gbps対応だったため、手持ちの6Gbps SATA対応SSD「Intel SSD 510」でもテストしてみましたが、内蔵のSATAポートはしっかり6Gbpsに対応していました。

 検証用のSSDが用意できなかったためmSATAは未検証ですが、そちらはスペック上3Gbpsまでのサポートとなっているので、パフォーマンスを重視するなら6Gbps対応の2.5インチSATA SSDを選んだ方が良さそう。

 フロントパネルのカードリーダーについては、転送速度が20MB/sで頭打ちとなったため、残念ながらUHS-Iには非対応のようです。

 最後にベンチマークテスト実行中の最大消費電力と最高CPU温度を確認します。

 消費電力はサンワサプライのワットチェッカー、CPU温度はHWMonitor 1.28の「CPU Package」の数値をそれぞれ利用しています。なお、テスト時の室温は約26℃です。

ベンチマークテスト実行時の最大消費電力。
ベンチマークテスト実行時の最高CPU温度。

 CPU温度と消費電力とも、ファイナルファンタジーXIVベンチマークのDirectX11版を実行した際に最高値を記録しており、消費電力は35W、CPU温度は72℃に達しました。

 ベンチマークを実行していると金属製の筐体も熱くなってきますが、長時間負荷を掛け続けても触れられないほどの温度に達することはなく、CPUの熱をしっかりコントロールできているようです。


Broadwell版Core i5の採用で一気に性能が向上したShuttleのファンレスベアボーン

 Broadwellベースの2コア4スレッドCPUであるIntel Core i5-5200Uを搭載したDS57U5は、Bay Trail-Dや超低消費電力版Ivy Bridgeを搭載した従来のShuttle製ファンレスベアボーンとは一線を画す高いパフォーマンスを実現しています。

 小さく、静かで、省電力。それでありながら性能も良いPCが欲しいという方の厳しい要求に応える一台となりそうです。

 DS57U5の販売価格は6万円前後。ここにメモリとストレージ、そしてOSを購入すると、9万円前後と言ったところでしょうか。流石に導入コストはそこそこ掛かってしまいますが、「小型で高性能」と「ファンレス」という2つの要素に心惹かれるなら、DS57U5は一考の価値がある製品と言えるでしょう。

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