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ケーブルレスな外観を実現できるASUSの裏配線デザイン「BTF」体験イベントが開催
~ライトアップ付きターンテーブル搭載!?の“映え特化”ケースも登場
2024年4月30日 00:00
ASUS主催のユーザー参加イベント「ASUS NEXT GENERATION CUSTOM PC」が、27日(土)に秋葉原で開催された。
本稿では、26日(金)に発売されたケーブルレスな外観を実現する「BTF」デザイン対応の新製品を中心とした製品解説や各社ケースの参考出展など、盛り沢山な内容だった同イベントの模様をお伝えしよう。
ASUSが未来を見出した、究極の裏配線「BTF」デザイン
「BTF(Back-To-the-Future)」デザインは、ASUSの提唱する裏配線ソリューションで、通常はマザーボード表面にある電源コネクタやピンなどを裏面に配置し、ミニマルな外観やより優れたケーブルマネジメントを実現するというもの。対応製品の詳細については別記事(1,2,3,4)も参照されたい。
対応製品として投入された1つが、Intel Z790チップセット搭載のATXマザーボード「TUF GAMING Z790-BTF WIFI」で、電源やファンコネクタ、LEDピンヘッダーまで、ケーブル長に配慮し残されたCPUファン用ヘッダーを除き、ほぼすべてが裏面に配置されている。
同製品の特徴として、ビデオカード電源もマザーボード経由で行える「Graphics Card High-Power(GC-HPWR)」スロットを搭載する点が挙げられる。このスロットにより、ビデオカードの電源ケーブルも裏配線するという「Advanced BTF」デザインを可能としている。
マザーボード裏面のコネクタからボードを経由して同コネクタで対応ビデオカードに給電する仕組みで、16ピンコネクタの最大出力となる600Wの電力供給をサポートする。
同コネクタの利用には対応したビデオカードが必要となるが、GC-HPWRコネクタ搭載の「TUF GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER BTF White OC Edition 16GB」では、同コネクタのみ搭載し、従来の16ピンコネクタは搭載しておらず、Advanced BTF対応マザーボード専用設計となっている。
このGC-HPWRコネクタはサーバー市場で利用されている大電流対応のコネクタに基づいており、技術的にはオープンであるため、他社が製品に組み込むことも可能だという。
ただし、今回発売されたBTF対応マザーボードのうちATXモデルのみがGC-HPWRコネクタを搭載し、microATXモデルには非搭載となっているように、マザーボード基板経由で大電流を給電させるための技術的な壁も色々あるとのことで、追従できるメーカーが現れるのかは興味深い。
イベントに登壇したASUS ジョージ氏とモリケン氏、KTU氏の3名は、共にBTFの組み立てを経験済み。従来のデザインと比べBTFは外観がスッキリするというだけでなく、ケースをひっくり返したりする手間がなくなるため、組み立ての労力も減ると評価していた。
今回のイベントでBTF解説セッションを担当したASUS JAPANの上岡氏も、BTFデザインの組み立てが自作2台目という初心者目線から「圧倒的にBTFが組みやすかった」と語っていた。
BTF解説セッションでは、同じくAdvanced BTFに対応した「ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF」も紹介。
同製品では、BTFデザイン以外にも、新たに搭載された新ギミック「PCIe Slot Q-Release Slim」も紹介された。
同機能はPCIeスロットのラッチを押しやすくした「Q-Relese」を発展させたもので、ロック機構を維持しつつ、ボタン操作も不要で着脱可能にするというもの。
具体的にはスロット内部に金属製の受けパーツを配置することで、カードの引き抜く方向によってラッチのロックと解除が行われる仕組み。カードを持って後部(ブラケットと反対側)方向に引っ張るだけでラッチのロックが解除され、操作不要でそのまま外せるという。
パートナー各社のBTF対応ケースの参考展示も
会場では、ケースメーカー各社によるBTFデザイン対応ケースの参考展示も行われていた。いずれも5月~夏にかけての国内発売が予定されているとのこと。
中でも一風変わったケースを展示していたのがCOUGARで、湾曲ガラスパネルのピラーレスケースを展示。
標準ではフロント底面に斜め配置のファンを備えており、別売のオプションでRGB LED内蔵でライトアップが可能なターンテーブルと交換できるというユニークな設計となっていた。
最近では、フロント側の空きスペースを活かしてフィギュアなどの小物を設置しているユーザーも現れているが、本ケースはBTFによるケーブルレスな外観と合わせて、より“魅せるディスプレイスペース”として活用できそうだ。