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「ASUS Multimedia Event」開催、USB 3.1や新展開のドライブレコーダーについて解説
text by 関根 慎一
(2015/3/25 12:05)
ASUSは、マルチメディア関連製品を紹介するイベント「ASUS Multimedia Event」を21日に実施した。会場はツクモパソコン本店4階。
会場には、同社が20日に発表・発売したUSB DAC「Essence III」や「Essence One MKII」、STRIXシリーズのPCパーツやゲーミングデバイス、無線ルーター、ドライブレコーダーなどを展示しており、オーディオ製品については試聴も行なうことができた。
告知でも記載した通り、セッションには近く発売予定のUSB 3.1搭載マザーボード機能の紹介や、新たに参入するドライブレコーダーについての説明も含まれていた。
速度計測用のASUS謹製USB 3.1接続SSDを初披露、当面はA-Type形状のコネクタで提供
USB 3.1搭載のマザーボードに関しては、具体的な製品名と、いくつかの条件で計測した転送速度の比較を公開した。速度比較のためにASUSが特別に用意したSSDも日本で初めて見ることができた。
USB 3.1は、規格上10Gbpsの高速転送が可能なシリアルバス規格。USB 3.0規格の5Gbpsから2倍の転送速度向上を図った。また、供給電圧が20V、電流が5A(ローパワーデバイスは1,000mA)、電源供給が最大100Wに引き上げられた。セッションではこのほか、DisplayPortをType-C端子で使える「Alt Mode」にも言及した。
USB 3.1といえば表裏の区別がないリバーシブルタイプのType-C形状のコネクタが話題だが、ASUSではユーザーが新たにType-C形状のケーブルを調達せずに済むよう、当面はType-A形状のコネクタを採用するとしている。
セッションの中で紹介されたマザーボードは、USB 3.1の拡張カードが付属する「Rampage V Extreme U31」と、オンボードでUSB 3.1を備える「X99 Pro USB 3.1」。いずれも国内では未発売の製品だが、ASUS JAPAN プロダクトマネジメントFAEの安藤善章氏によれば「日本に合ったものをチョイスして順次発売していく」とのこと。
「しばらくは、USB 3.1の対応デバイスが出てくるのを待つ必要がある。転送の高速化でわかりやすく恩恵があるのはストレージでもあるし、おそらく、いち早く対応してくるのもストレージ関係のデバイスではないかと予想している」(安藤氏)
なお同社では、USB 3.1搭載マザーボードをリリースするにあたって、ソフトウェアの面でもアップデートを行なっている。具体的には、ASUS独自機能の総合管理ツール「AI Suite」のうち、USBの転送速度を向上する「USB 3.0 Boost」が「USB 3.1 Boost」にバージョンアップしており、セッションではBoostを有効にした場合と無効にした場合の速度比較結果を発表していた。
台湾のドライブレコーダー市場はセキュリティ用途が中心、次期製品にはSIMが載るかも?
ASUSが海外で展開しているドライブレコーダーは複数あるが、会場ではこのうち「FalconView LIVE」を展示していた。140度の広視野角とHDR機能による高い視認性を特徴とする。2014年8月に同社が開催した「ASUS Open Gallery 2014 Summer」でも展示していた製品だ。セッションでは、走行サンプルとして秋葉原と有楽町を移動する様子の記録映像を流していた。なお、発売時期や価格などは未定。
ASUS JAPANプロダクトマネージメント アカウントマネージャーのPeter Chen氏によれば、台湾におけるドライブレコーダーは、セキュリティ確保のための手段という側面が強いという。
「自動車を使う業務では、かなりの割合でドライブレコーダーの設置が進んできている。特にタクシーでの導入が多い。万が一事故が起きた時の状況記録に備えるほか、場合によっては内側に向けて設置することで、乗客による犯罪の抑止力にもなる。個人でも、運転状況の記録を取る目的で設置するケースが増えてきた」(Peter氏)
プロダクトとして最初のドライブレコーダーは比較的ベーシックな製品に仕上がっているが、今後発表するドライブレコーダーには、これまでにない、新しい機能の搭載を検討しているという。
「それぞれの国に合わせた製品開発をしていく必要がある。台湾ではセキュリティ目的で設置されることの多いドライブレコーダーだが、日本市場では必ずしもそうではない。例えば旅先の思い出を記録する手段の1つとして旅行へ持って行ってもいいし、車載動画配信に使ってみてもいい。次の製品では、アクションカム『GoPro』のような使い方ができるように発展させる可能性もある」(Peter氏)
Peter氏はASUSのドライブレコーダーに関して、既存の使い方に縛られない、新しい使い方を提案していきたいとの意向を示し、取材に対していくつかのアイディアを挙げてくれた。一例としては「SIMカードを搭載できるようにして、クラウド連携機能を付けたい」といったもの。ドライブレコーダーに通信機能を搭載することで、撮影した映像をほぼリアルタイムでクラウドストレージに保存できるようになるメリットが考えられる。