プロダクトレビュー・ショーケース
ロマンあふれる“空冷”ゲーミングPC!見た目も性能も満足度の高いOZgaming「P30series」
Ryzen+Radeonの人気構成でコスパも良好 text by 芹澤 正芳
2025年7月23日 10:00
近年、国内外有名メーカーや大手ショップのほかにも、バラエティ豊かなBTO PCベンダーが多数活躍している。そんなBTO PCベンダーのひとつで、多彩なゲーミングPCを手がけるオズテック「OZgaming」から、細部にわたってこだわりを感じるミドルタワー型のゲーミングPC「P30series」が登場した。
Ryzen 7 9800X3DとRadeon RX 9070 XTというアッパーミドルクラスのパーツを中核とした構成をピラーレスケースに組み込み、ガッツリ冷えてハデに光る本機は、性能、冷却、見た目とも満足度の高い1台になっている。実ゲームでの性能テストも含めたレビューをお届けしよう。
ルックス、パフォーマンス共に“これが今のゲーミングPC!”的なバランス
「P30series」は、PCケースにZALMANのミドルタワー「P30 V2」を採用したデスクトップ型のゲーミングPCだ。microATXサイズということもあって、本体は約221mm×409mm×426mmと比較的コンパクト。前面と左側面が強化ガラスパネルという、いわゆる“ピラーレス”デザインになっているのがポイントだ。
ゲーミングPCで最も重要なビデオカードは、AMD最新世代GPU「Radeon RX 9070 XT」を採用。RDNA 4アーキテクチャーによって前世代に比べてレイトレーシング機能が大幅に強化され、AIの活用により画質が向上したアップスケーラー&フレーム生成技術「FSR 4」に対応、16GBの大容量ビデオメモリを搭載、などの特徴を持つアッパーミドルクラスの製品で、多くのタイトルで4K解像度でのゲームプレイが可能な性能を持つ。
CPUは、AMD最新世代のRyzen 9000シリーズから“ゲーミング最強クラス”として大人気の「Ryzen 7 9800X3D」を搭載。Zen 5アーキテクチャーを採用し、8コア16スレッド、最大5.2GHzとゲーム向けとして十分な基本スペックに加えて、大容量3次キャッシュの第2世代3D V-Cacheによって多くのゲームでフレームレートを高められるのが大きな特徴だ。
そのほか、DDR5-5600 16GB×2枚で合計32GBのメモリを搭載しており、ゲームプレイはもちろんクリエイティブワークもこなしやすい(試用機では定番メモリのCrucial CT16G56C46U5を採用していた)。ストレージは1TBのPCI Express Gen 4 SSD(試用機の搭載製品はAcer FA200)、電源ユニットは80PLUS Gold認証でアッパーミドルCPU/GPU構成には十分余裕のある850W出力の製品(同じくCWT GPX850S)をそれぞれ搭載する。
カスタマイズの幅も広く、メモリ、ストレージ、CPUクーラー、電源ユニット、OS、保証などの変更が可能だ。メモリをライティング付き、SSDを複数台搭載しての注文もできる。
次はPCケースをチェックしよう。右側面に吸気用12cm角ファンが2基、天面には排気用12cm角ファンが3基、背面には排気用12cm角ファンが1基、CPUクーラーはツインファンの大型空冷タイプ、とかなり強力な空冷の冷却システムが組まれている。さらに、すべてのファンがアドレサブルRGB対応で、ピラーレスのPCケースも相まってかなりハデなライティングが楽しめるのも特徴だ。MSI製マザーボードを採用しているため、LEDライティングはMSI Centerアプリで細かく制御できる。
ネットワーク機能については、2.5Gの有線LANとWi-Fi 6Eに対応。Bluetooth 5.3もサポートしている。
人気ゲームも4K最高画質で快適にプレイ可能強力空冷でCPUもGPUもバッチリ冷える
ここからは実際の性能をチェックしていく。まずは、CGレンダリングでシンプルにCPUパワーを測る「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」を試そう。
Cinebench 2024のスコアは、マルチコアが1,325pts、シングルコアが132pts。これは、Ryzen 7 9800X3Dのものとして順当なスコアで、その性能がしっかり発揮できている。PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が“快適に作業が可能な目安”とされているが、すべて2倍以上のスコアを達成。ゲーミング以外の用途にも対応できることが分かる。
続いて実ゲームでの性能を見てみよう。まずは定番のFPS「オーバーウォッチ 2」を試そう。botマッチを観戦した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。

フルHD、WQHDで非常に高いフレームレートになるのはもちろん、4Kでも最高画質設定で平均120.1fpsを達成。4K解像度のハイスペックゲーミングモニターを組み合わせてプレイするのもよいだろう。
続いて、アップデートにてFSR 4に対応した「モンスターハンターワイルズ」を実行しよう。ベースキャンプの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。

最高画質設定は16GB以上のビデオメモリを求められるかなり重いタイトルだが、RX 9070 XTはこの条件を満たす。FSR 4の効果も手伝って、4Kでも平均127.6fpsとかなり高いフレームレートを出した。
そのほかの重量級ゲームとして「サイバーパンク2077」と「The Last of Us Part II Remastered」を用意した。サイバーパンク2077は内蔵ベンチマーク機能を実行、The Last of Us Part II Remasteredはジャクソンの一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定している。


サイバーパンク2077のレイトレーシング:オーバードライブはすべての光源の経路(パス)を再現する“パストレーシング”という強烈な描画負荷がかかる処理が入っているため、4K解像度だとフレームレートは平均55.1fpsに留まる。ただし、WQHDまでは高いフレームレートが出ており、快適にプレイが可能だ。
The Last of Us Part II Remasteredは大容量のビデオメモリを求めるタイトルだが、こちらは4Kで平均176fpsと高フレームレートが出た。相当描画負荷が高いタイトルや設定ではない限り、4Kでもプレイできるパワーを持っていると言ってよいだろう。
最後にサイバーパンク2077を10分間実行したときのCPUとGPUの温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。CPU温度は「CPU(Tctl/Tdie)」、GPU温度は「GPU Temperature」の値を追ったものだ。室温は25℃。

テスト結果は、CPUは平均63.1℃、GPUは平均56.8℃。スペックから考えると強烈に冷えていると判断できる温度だ。側面2基、天面3基、背面1基、さらにツインファンのCPUクーラーによる冷却力は伊達ではない。それでいて温度測定中に本体から10cm離れた位置に騒音計を置いて計測した動作音は、正面で35.3dB、排気となる天面でも41.9dBとかなり静かだ。エアフローが強力なのでファンの回転数をそれほど上げなくても冷却できている。