プロダクトレビュー・ショーケース

36gの軽量で疲れないマウス「SABRE v2 PRO」とDiscordとゲーム音声をミックスできるヘッドセット「VOID v2 MAX」を試してみた

CORSAIR製ゲーミングデバイスの2025年秋冬新モデルをテスト text by 白倉甲一

CORSAIR SABRE v2 PRO / CORSAIR VOID v2 MAX

 CORSAIRからこの2025年の秋冬シーズンに多数のゲーミングデバイスが登場している。インフルエンサー/メディア向けの内覧会や東京ゲームショウ2025での先行展示なども行われ、すでに新モデルを手に取っているユーザーもいるだろう。

 今回は多数発表されたゲーミングデバイスの中から、注目製品の「SABRE v2 PRO(CH-931G000-WW)」と「VOID v2 MAX(CA-9011388-WW)」をピックアップして紹介する。最新モデルの使用感や機能などを見ていこう。

CORSAIR SABRE v2 PRO(CH-931G000-WW)
CORSAIR VOID v2 MAX(CA-9011388-WW)

36gの軽量ワイヤレスマウス、SABRE v2 PRO

 SABRE v2 PROは、重量36gと軽量な点が特徴のワイヤレスゲーミングマウス。実売価格は13,580円。

公称値は36gで、デジタルスケールでの実測値は35gだった。デジタルスケール側の精度によって多少誤差が出ることを考えると、ほぼ公称値通りの軽量モデルと言える

 右利き向けのモデルだが、形状自体は左右対称のスタンダードなデザインで、2基のサイドボタンは本体左側面に搭載されている。手のひらを載せやすいように後部にかけて横幅が広がった形状になっているのも特徴。

 なお、今回のレビューで使用しているのはブラック(CH-931G000-WW)のモデルで、カラーバリエーションとしてホワイト(CH-931G001-WW)も販売されている。

シンプルな左右対称デザインで後部は広め。様々な持ち方にも対応できる
センサーは中央に搭載。マウスソールは前後とセンサー部の最低限の面積にとどめ、滑りやすさを重視している
左側面にサイドボタンが2つ搭載されている
右側面にボタンなどはないが筐体形状としては左右対称になっている
本体下部はグリップしやすいように内側に向けて傾斜がつけられている
なだらかな傾斜がついており、かぶせ持ちにも合った形状になっている

 33,000dpiの光学式センサー「CORSAIR MARKSMAN Sセンサー」を搭載することで読み取り精度を高め、8,000Hzのハイパーポーリングで遅延のない安定した操作性を実現。さらに、ドライバソフトウェアをインストールしなくても「CORSAIR Web Hub」により、ブラウザ上から各種機能の設定が行える手軽さも持ち合わせている。長時間稼働もウリとしており、内蔵バッテリーで最大70時間の連続使用が可能だ。

 本体サイズは約119×63×38mm。接続方法は専用レシーバーによる2.4GHzワイヤレス接続、またはUSB有線接続に対応している。

CORSAIR MARKSMAN Sセンサーを搭載。解像度33,000dpiに750ipsのトラッキング速度、50Gの加速度に対応する光学式センサーだ
使用可能時間は70時間と、軽量かつ長時間使用が可能なモデルになっている
CORSAIR Web Hub
ホイール側面から見えるLEDがインジケーターランプになっている。センサーのdpiやバッテリー残量に合わせて色が変わるように設定できる
接続用のケーブルとレシーバーのほかに、カスタマイズ用のグリップシールと表面積の広がったマウスソールが付属している。専用レシーバーは有線用の付属USBケーブルを使って手元に設置できるので、電波干渉なども心配ないだろう

軽くて疲れにくい、超軽量ゲーミングマウスは長時間のゲームプレイに好適

 昨今のゲーミングマウスは、軽量タイプがスタンダードになりつつある。SABRE v2 PROもご多分に漏れず軽量マウスなのだが、実際に「VALORANT」をプレイしてみてどのようなフィーリングのモデルなのか、長時間プレイ時の使い心地はどうかといったところを確認してみた。

 筆者は普段は重めのマウスを使っているので、最初は軽量マウス慣れることができないかもしれないと不安な面もあったが、使い始めてみればそこまで違和感もなく、感覚的に慣れて使えるようになるのにそれほど時間はかからなかった。

 軽量マウスを使って感じやすい利点は、マウスが軽い分手への負担が少ないといった部分だろう。長時間使ってみて、テストの終盤でも快適にゲームをプレイできたので、軽さのメリットを実感することができた。バッテリーの持ちも最大70時間と長いので、プレイ中の電池切れを気にしなくてよいのもこのモデルの魅力だ。

マウスが軽い分振り返りなど大きく動かす動作は楽に感じる。センサー性能も高いのでしっかりと狙いを定められる
マウス本体が軽いからといって変に照準がブレてしまう事もない。軽量ゆえに長時間使っていても疲れにくいのはメリット

 筆者は短時間で慣れることが出来たが、SABRE v2 PROの重量は約36gと市場で見かける超軽量タイプのゲーミングマウスの中でも軽いモデルとなっている。このため、軽すぎてマウスを振り過ぎてしまうという人もいるかもしれない。そうした場合は、マウスパッドを抵抗の大きい布製の物に変えたり、接地面が大きい付属のマウスソールに変えて滑りを調整したり、マウスが動き過ぎてしまうことへ対応すると快適に使えるはずだ。

 SABRE v2 PROはスタンダードなデザインで、軽量モデルにありがちな過度な肉抜き加工や、無理に小型化するといった部分も無いモデルなので、ゲーマーだけでなく軽量マウスに初挑戦する人にもおすすめしたい1台だ。

デジタル入力2系統でゲームの音声とボイスチャットの音声をミックスできるVOID v2 MAX

 VOID v2 MAXは、オーバーヘッドタイプのワイヤレスゲーミングヘッドホン。跳ね上げ式のフレキシブルマイクや、コントロールスイッチなど、ゲーミングヘッドセットとしてスタンダードな機能は一通り備えている。実売価格は19,980円。

 接続方法は2.4GHz専用ワイヤレスレシーバー接続とBluetooth接続に対応しており、この2つの接続方法を同時に利用できるミキサー機能を備える点が最大の特徴となっている。

ゲーミングデバイス然とした見た目と裏腹にクッションが柔らかく、側圧はそこまで強く感じない
イヤーカップは耳を覆うサイズで、左側面側には電源ボタンとシステムキーを備えている
マイクブームは跳ね上げ式かつフレキシブルで邪魔にならない
左側面のハウジングの下部には、USB Type-Cポートと音量調整ノブが搭載されている

 50mmの大型ネオジウムドライバを搭載しており、周波数特性20~20kHz、感度116dB (±3dB)、インピーダンス32Ω。マイク部は無指向性で、周波数特性は100~10kHz、感度は-40dB (±3dB)、インピーダンスは2.2kΩ。

 重量は約303gとワイヤレスゲーミングヘッドセットとしてはやや軽めの部類。ヘッドバンドやイヤーパッドなどのクッション部分にはメッシュ素材で通気性の高いものを使用していて装着感も良く、長時間の使用でも疲れにくい。

50mmの大型ネオジウムドライバを搭載。イヤーパッドはクッション性が高い厚みのあるメッシュ素材で、通気性も良好
ヘッドバンド部分をスライドして長さを調節できる
左右のハウジングの前面にLEDイルミネーション備えており、「CORSAIR iCUE」で設定が行える
付属品は充電ケーブルと専用レシーバー

 音質の傾向は迫力ある低音を楽しめるタイプで、Dolby Atmosにも対応しているので定位感もはっきりしている。接続による音質の違いも確認してみたが、Bluetooth接続と比較して専用レシーバー接続の方が若干ではあるものの音質が良いように感じた。マイク性能については、ノイズなども拾いにくく、ボイスチャット用途としては十分な性能を備えているといえるだろう。

簡易ミキサー機能が便利!Discordのボイスチャットとゲームの音声をミックスしたいユーザーに好適

 VOID v2 MAXは、2.4GHz専用ワイヤレスレシーバー接続/Bluetooth接続の2系統の同時接続で、簡易のデジタルミキサー機能を備える点が特徴となっている。

 このミキサー機能は設定などは不要で、2種類のデバイスに接続すれば自動的に音声がミックスされる仕組みになっている。設定自体が不要なので迷うこともない。

PC・スマホ・タブレットへの接続はもちろん、Nintendo SwitchやPlayStationといった家庭用ゲーム機との接続にも対応
複雑な設定なども不要で、手軽にゲームの音声とDiscordのボイスチャットをミックスして楽しめた。Nintendo Switchの場合、USBレシーバーを接続するにはドックなどを使う必要があるので、携帯モードで遊ぶ際はBluetooth接続が良いかもしれない

 Nintendo SwitchやPlayStation 4/5といった家庭用ゲーム機との接続に標準対応しているので、専用レシーバーをゲーム機のUSBに接続すれば、ドライバレスで簡単に使用できる点も魅力の一つと言える。

 Discordでボイスチャットを行う場合は、Nintendo SwitchやPlayStation 4/5にUSBレシーバーを接続し、Discordが起動するPCやスマートフォンとBluetoothで接続すれば手軽にゲームの音声とボイスチャットの音声をミックスして利用できる。

 今回はNintendo Switch版「エーペックスレジェンズ」をプレイしてみたが、2.4GHz専用ワイヤレスレシーバー(接続にはドックが必要)/Bluetoothどちらの接続でもゲームの音声に大きな遅延などは感じなかったが、ゲーム音声の遅延は少ないに越したことはないので、より遅延の少ない専用レシーバーをゲーム機へ、DiscordなどボイスチャットソフトをBluetooth経由でと、優先する側に専用レシーバー接続するのがおすすめだ。

カジュアルゲーマーにもおすすめ!特徴/用途がわかりやすいCORSAIRの新型ゲーミングデバイス

 今回紹介したSABRE v2 PROとVOID v2 MAXは、搭載機能は用途に合ったものに絞り、扱いやすくシンプルにまとめたモデルといった印象を受けた。機能を絞っている分、接続や設定もわかりやすく簡単で、初心者でも扱いやすい点は大きなメリットだ。

 軽量マウスのメリットを感じてみたいユーザーはSABRE v2 PROを、ボイスチャットとゲームの音声をミックスして使用したいユーザーはVOID v2 MAXを購入時の選択肢にぜひ加えてみてもらいたい。