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「VTuber」の進化系?VRで出会う「VRChat」のインストールから遊ぶまで(まずはHMDナシで気軽に体験!)
まさに夢の空間? 新世界が構築されていく新しい空気を味わおう text by 坂本はじめ
2018年8月10日 06:05
VTuberの興隆で再び注目を集めているVR。複数のメーカーからVRヘッドマウントディスプレイが発売され、昨年から今年にかけては低価格化も進み、PC用のトラッキング機能付きのモデルが約3.8万円から購入可能だ。
また、VRChatやVirtual Castなど、他人とコミュニケーションを取ることを目的とした新しいタイプのソフトも登場し、若いユーザーを中心に人気を集めている。
今回のレビューでは、そうした新しいタイプのVRソフトの中から「VRChat」を取り上げたい。日本では一部ユーザーにヒットという印象だが、世界的に見れば超大ヒットソフトとなっており、独自の文化が形成されつつある。
また、VRChatは他のVRソフトと違い、体験するだけならVRヘッドマウントディスプレイ無しでも楽しむことができるので、ちょっとした3Dゲームが動くPCがあれば追加コスト無しで導入可能な手軽さも魅力だ。
それでは、VRChatをはじめるにはどうしたらよいのか、どのような機材が必要になるのか、VRChatの醍醐味など、複数回にわたってポイントを紹介しよう。第一回目の今回はソフトの導入方法だ。
好きな姿に変身して遊べる「VRChat」自由度の高さが魅力のソーシャルVRサービス
VRChatは、VR空間でユーザー同士がコミュニケーションを楽しむソーシャルVRサービスだ。ユーザーは3DモデルのアバターとしてVR空間にアクセスし、アバターの身振り手振りやボイスチャットによって、他のユーザーとコミュニケーションを楽しめる。
また、VRChatでは、自身の分身であるアバターや、チャットルームであるワールドについて、ユーザーが作成したものをアップロードすることが出来る。これにより、VRChat内には多様なアバターとワールドが存在しており、その自由でカオスな世界が人気を集めている。
VRヘッドマウントディスプレイなしでも体験的にプレイ可能盲点は「マイクが必要」なこと
現在のVRChatは開発中のサービスであり、Steamにて早期アクセス(Early Access)ゲームとして無料で公開されている。将来的に有料になるかもしれないが、現時点では無料でプレイ可能だ。
VRと名がつくだけあって、基本的にはVRヘッドマウントディスプレイの利用が推奨されるゲームではあるが必須ではなく、通常の液晶ディスプレイでもFPSゲームのような一人称視点でプレイできる。
ただし、VRChat内でのコミュニケーションはボイスチャットが基本なので、マイクやヘッドセットは用意しておきたい。
VRChatのシステム要件では、GeForce GTX 970やRadeon R9 290以上のGPUが最低条件とされているが、これはVRヘッドマウントディスプレイを使用した状態での動作を前提としたものだ。
一般的な据え置き型のディスプレイでプレイするのであれば、これよりも低スペックなGPUでも動作させられるので、とりあえずインストールして実際に動かしてみると良いだろう。
VRChatをインストールしよう今のところは無料でダウンロードOK
先述の通り、VRChatはゲーミングプラットフォームであるSteamで配信されている。まだPCにSteamを導入していないのであれば、まずはSteamのインストールとアカウントの取得を行おう。
SteamのウェブサイトからPC版のインストーラーを入手したら、セットアップウィザードに従ってSteamをインストールする。続いてログインアカウントを問われるので、Steamアカウント未作成であればここで「新しいアカウントの作成」を選択し、Steamアカウントを作成する。後は作成したSteamアカウントからログインすれば、Steamの導入は完了だ。
Steamのセットアップが完了したら、Steamの「ストア」からVRChatの製品ページにアクセスする。「ゲームをプレイ」をクリックするとインストール画面が表示されるので、インストール先を指定してVRChatのインストールを開始しよう。
先述したが、VRChatは記事執筆時点では無料プレイ可能なソフトとして公開されている。
VRChatのダウンロードとインストールが完了すると、ライブラリの「VR」の一覧にVRChatが表示されプレイ可能となり、プレイをクリックすると起動モードの選択を問われる。
VRヘッドマウントディスプレイを使用しているなら「Steam VRモード」、通常のディスプレイ利用時は「Launch in Desktop (Non-VR) mode」を選択しよう。
VRChatの世界に飛び込もうオススメは「VRChatアカウント」の新規作成
VRChatが起動するとログインアカウントを選択する画面が表示される。
ここでSteamを選択すれば先にSteamアカウントからログインすることも可能だが、オリジナルのアバターやワールドを使用するにはVRChatアカウントが必要になるので、VRChatアカウントでログインするのがおすすめだ。アカウントが未作成の場合は、画面下部の「CREATE ACCOUNT」からVRChatアカウントを作成する。
VRChatアカウントの作成では、メールアドレス、ユーザー名、ログインパスワード、誕生日を入力する。入力画面ではスクリーンキーボードが表示されるので、これを利用すればVRヘッドセットのコントローラでも文字入力が可能だ。もちろん、PCに接続したキーボードを使って入力することもできる。
アカウント情報を入力して「CREATE」をクリックすると、入力したメールアドレスに確認メールが届くので、メール内の確認用URLをクリックしてアカウントの作成を完了する。アカウント作成が終わったら、ログイン画面に戻ってVRChatアカウントからログインしよう。
VRChatにログインした直後、利用許諾への同意を求められ、これに同意するとミュートオプションの設定を行うことになる。標準設定である「Not Muted」では周囲のユーザーの音声が聞こえる状態だが、「Muted」を選択するとミュートを解除したユーザーの音声のみが聞こえるようになるというものだ。
ミュートオプションの設定が完了すると、最初のアバターの選択を兼ねて基本操作のチュートリアルが行われる。アバターについては後ほど変更が可能で、操作説明についてもVRChat内でチュートリアル映像を閲覧することもできるので、ここはサクサク進めてしまおう。
チュートリアルを完了すると、VRChatの導入手順は完了だ。
チュートリアルの空間から、メインロビー的な「The Hub」か自らのホームに移動できるので、そこから好きなワールドに移動するなり、知り合いのユーザーとパブリックなワールドで待ち合わせをするなどして、VRChatの世界を楽しんでみよう。
ワールドの移動は、フィールド上のオブジェに入るか、メニューを呼び出して「Worlds」を選択して行える。メニューに表示されている中から選ぶこともできるが、キーワードで探すことも可能だ。
VRChatは最小構成であれば通常のディスプレイでも楽しめるが、やはりVRヘッドマウントディスプレイを使用してこそな部分もある。次回はVRヘッドマウントディスプレイでの楽しみ方や、VRヘッドマウントディスプレイの選び方を紹介する予定だ。