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「VTuber」の進化系?VRで出会う「VRChat」のインストールから遊ぶまで(まずはHMDナシで気軽に体験!)

まさに夢の空間? 新世界が構築されていく新しい空気を味わおう text by 坂本はじめ

若いユーザーを中心に人気を集めつつある「VRChat」
VRChatの世界では、どこかで見たようなキャラクターもチラホラと見かける……。新しいサービス特有の手探り感や、ルールが構築される前のカオス感があふれている。
人が多い場所は個性的なユーザーも多く、見ているだけでも楽しい。なお、画像に関してはプライバシーなどを考慮して一部モザイクをかけているが、その点はご了承願いたい。

 VTuberの興隆で再び注目を集めているVR。複数のメーカーからVRヘッドマウントディスプレイが発売され、昨年から今年にかけては低価格化も進み、PC用のトラッキング機能付きのモデルが約3.8万円から購入可能だ。

 また、VRChatやVirtual Castなど、他人とコミュニケーションを取ることを目的とした新しいタイプのソフトも登場し、若いユーザーを中心に人気を集めている。

 今回のレビューでは、そうした新しいタイプのVRソフトの中から「VRChat」を取り上げたい。日本では一部ユーザーにヒットという印象だが、世界的に見れば超大ヒットソフトとなっており、独自の文化が形成されつつある。

 また、VRChatは他のVRソフトと違い、体験するだけならVRヘッドマウントディスプレイ無しでも楽しむことができるので、ちょっとした3Dゲームが動くPCがあれば追加コスト無しで導入可能な手軽さも魅力だ。

 それでは、VRChatをはじめるにはどうしたらよいのか、どのような機材が必要になるのか、VRChatの醍醐味など、複数回にわたってポイントを紹介しよう。第一回目の今回はソフトの導入方法だ。

好きな姿に変身して遊べる「VRChat」自由度の高さが魅力のソーシャルVRサービス

 VRChatは、VR空間でユーザー同士がコミュニケーションを楽しむソーシャルVRサービスだ。ユーザーは3DモデルのアバターとしてVR空間にアクセスし、アバターの身振り手振りやボイスチャットによって、他のユーザーとコミュニケーションを楽しめる。

 また、VRChatでは、自身の分身であるアバターや、チャットルームであるワールドについて、ユーザーが作成したものをアップロードすることが出来る。これにより、VRChat内には多様なアバターとワールドが存在しており、その自由でカオスな世界が人気を集めている。

標準でも複数のアバターが用意されている。VR空間内での自身の見た目を自由に変更できるのがVRChatの魅力だ。
チャットルームであるワールドも多様性に富んでおり、ユーザーは思い思いの方法でVR空間を楽しんでいる。
公式アバターとしてユニティちゃんも用意されていた。誰でも自由にユニティちゃんになることができる。
手軽な物から作り込まれた物までさまざまな空間が存在する。
どこかで見たようなキャラクターに良く遭遇するが、似ているだけだったり、他人の空似なのかもしれない。ちなみに、話している内容もフリーダムだったりすることが多い。

VRヘッドマウントディスプレイなしでも体験的にプレイ可能盲点は「マイクが必要」なこと

 現在のVRChatは開発中のサービスであり、Steamにて早期アクセス(Early Access)ゲームとして無料で公開されている。将来的に有料になるかもしれないが、現時点では無料でプレイ可能だ。

VRChatを楽しむならVRヘッドマウントディスプレイの利用がおすすめだが、無くてもVRChatを始めることはできる。
システム要件の中でもグラフィックの項目はハードルが高いが、これはVRヘッドセットでのプレイを前提としたものだ

 VRと名がつくだけあって、基本的にはVRヘッドマウントディスプレイの利用が推奨されるゲームではあるが必須ではなく、通常の液晶ディスプレイでもFPSゲームのような一人称視点でプレイできる。

 ただし、VRChat内でのコミュニケーションはボイスチャットが基本なので、マイクやヘッドセットは用意しておきたい。

実は必須となるのはマイク。VRヘッドマウントディスプレイ無しでもプレイできるが、ボイスチャット用にマイクやヘッドセットなどは用意する必要がある。

 VRChatのシステム要件では、GeForce GTX 970やRadeon R9 290以上のGPUが最低条件とされているが、これはVRヘッドマウントディスプレイを使用した状態での動作を前提としたものだ。

 一般的な据え置き型のディスプレイでプレイするのであれば、これよりも低スペックなGPUでも動作させられるので、とりあえずインストールして実際に動かしてみると良いだろう。

VRChatをインストールしよう今のところは無料でダウンロードOK

 先述の通り、VRChatはゲーミングプラットフォームであるSteamで配信されている。まだPCにSteamを導入していないのであれば、まずはSteamのインストールとアカウントの取得を行おう。

 SteamのウェブサイトからPC版のインストーラーを入手したら、セットアップウィザードに従ってSteamをインストールする。続いてログインアカウントを問われるので、Steamアカウント未作成であればここで「新しいアカウントの作成」を選択し、Steamアカウントを作成する。後は作成したSteamアカウントからログインすれば、Steamの導入は完了だ。

1 Steamのウェブサイトで「Steamをインストール」をクリックすると、PC版Steamのインストーラーのダウンロードが開始される。
2 Steamのインストーラーを実行し、セットアップウィザードに沿ってインストールを進めよう。
3 インストールが完了するとログイン画面が表示される。Steamアカウントが未作成の場合は「新しいアカウントの作成」を実行する。
4 Steamアカウントはメールアドレスがあれば無料で作成できる。

 Steamのセットアップが完了したら、Steamの「ストア」からVRChatの製品ページにアクセスする。「ゲームをプレイ」をクリックするとインストール画面が表示されるので、インストール先を指定してVRChatのインストールを開始しよう。

 先述したが、VRChatは記事執筆時点では無料プレイ可能なソフトとして公開されている。

SteamのストアからVRChatの製品ページにアクセスする。「VRChat」で検索すれば一発だ。
中段あたりに表示されている緑のアイコンの「ゲームをプレイ」をクリックすればインストールウィザードが起動する。現在のVRChatは「無料プレイ」タイトルであるため、そのままインストールがスタートする。
あとは進行に従い右下の「次へ」のボタンを押していくだけだ。

 VRChatのダウンロードとインストールが完了すると、ライブラリの「VR」の一覧にVRChatが表示されプレイ可能となり、プレイをクリックすると起動モードの選択を問われる。

 VRヘッドマウントディスプレイを使用しているなら「Steam VRモード」、通常のディスプレイ利用時は「Launch in Desktop (Non-VR) mode」を選択しよう。

インストールが完了すると、ライブラリ内「VR」の一覧にVRChatが追加される。
「プレイ」をクリックするとVRChatの起動モードを確認される。VRヘッドマウントディスプレイを使用しているなら「Steam VRモード」、通常のディスプレイ利用時は「Launch in Desktop (Non-VR) mode」を選択。

VRChatの世界に飛び込もうオススメは「VRChatアカウント」の新規作成

 VRChatが起動するとログインアカウントを選択する画面が表示される。

 ここでSteamを選択すれば先にSteamアカウントからログインすることも可能だが、オリジナルのアバターやワールドを使用するにはVRChatアカウントが必要になるので、VRChatアカウントでログインするのがおすすめだ。アカウントが未作成の場合は、画面下部の「CREATE ACCOUNT」からVRChatアカウントを作成する。

ログインアカウントの選択画面が表示される。機能面などからVRChatアカウントでのログインがおすすめで、アカウントの未作成の場合はCREATE ACCOUNTから作成できる。

 VRChatアカウントの作成では、メールアドレス、ユーザー名、ログインパスワード、誕生日を入力する。入力画面ではスクリーンキーボードが表示されるので、これを利用すればVRヘッドセットのコントローラでも文字入力が可能だ。もちろん、PCに接続したキーボードを使って入力することもできる。

 アカウント情報を入力して「CREATE」をクリックすると、入力したメールアドレスに確認メールが届くので、メール内の確認用URLをクリックしてアカウントの作成を完了する。アカウント作成が終わったら、ログイン画面に戻ってVRChatアカウントからログインしよう。

CREATE ACCOUNTでは、メールアドレス、ユーザー名、パスワード、誕生日を入力する。
文字入力用のスクリーンキーボードが表示される。これによりVRヘッドセットのコントローラでも文字の入力が行える。
アカウント情報の入力が完了すると、登録したメールアドレスに確認用メールが送られてくるので、メール内のリンクをクリックして確認を完了しよう。
ログイン画面に戻り、作成したVRChatアカウント情報でログインしよう。

 VRChatにログインした直後、利用許諾への同意を求められ、これに同意するとミュートオプションの設定を行うことになる。標準設定である「Not Muted」では周囲のユーザーの音声が聞こえる状態だが、「Muted」を選択するとミュートを解除したユーザーの音声のみが聞こえるようになるというものだ。

 ミュートオプションの設定が完了すると、最初のアバターの選択を兼ねて基本操作のチュートリアルが行われる。アバターについては後ほど変更が可能で、操作説明についてもVRChat内でチュートリアル映像を閲覧することもできるので、ここはサクサク進めてしまおう。

ミュートオプションの設定は、周囲のユーザーを標準でミュートにするか否かの設定を行うもの。この設定は後々システムメニューで変更できる。
仮のアバターの選択が要求されるが、すぐ替えられるようになるので、適当なものを選んで問題ない。
最初のチュートリアルでは、基本的な操作などを実際に動かしながら試すことができる。操作については、VRChat内のチュートリアル動画で再確認ができるので、移動が正常にできることだけ確認できれば問題は無い。
エスケープキーを押すとメニューを呼び出せる。
VRChatを終了するにはメニュー内の「System」を選択し、「EXIT VRCHAT」を選択する。System内の項目からアカウントを切り替えることも可能だ。

 チュートリアルを完了すると、VRChatの導入手順は完了だ。

 チュートリアルの空間から、メインロビー的な「The Hub」か自らのホームに移動できるので、そこから好きなワールドに移動するなり、知り合いのユーザーとパブリックなワールドで待ち合わせをするなどして、VRChatの世界を楽しんでみよう。

 ワールドの移動は、フィールド上のオブジェに入るか、メニューを呼び出して「Worlds」を選択して行える。メニューに表示されている中から選ぶこともできるが、キーワードで探すことも可能だ。

ワールドの移動は、移動先が表示されているオブジェの中に入るか、メニューを呼び出した中にある「Worlds」から行うことができる。
海外のユーザーも多いが、時間帯によっては日本人ユーザーだらけといった場所もある。見ているだけでも楽しいので、いろいろな場所を練り歩いてみよう。

 VRChatは最小構成であれば通常のディスプレイでも楽しめるが、やはりVRヘッドマウントディスプレイを使用してこそな部分もある。次回はVRヘッドマウントディスプレイでの楽しみ方や、VRヘッドマウントディスプレイの選び方を紹介する予定だ。